レインウエアを快適に使い続けるコツ
バイク乗車時に雨に降られた際、役立つのがレインウエアである。
しかし、意外と知られていないのが、きちんとしたレインウエアの取り扱いかた。ちょっと気を付けるだけで、ウエアの持ちや性能もまったく異なってくるのだ。
研究員●高野栄一/片倉義明
※本記事はMotorcyclist2017年7月号に掲載されていたものを再編集しています。
基本的には雨のとき以外活躍する場がないレインウエアだが、だからこそ普段からの取り扱いやメンテナンスが大きくモノを言う。
買ったときのまま、あるいは使用後乾かしもせず収納袋に入れっぱなしというのはもってのほか。
そのままだと悪臭を放ったり浸水したり、せっかくの防水透湿性が十分に発揮されないなど、ただでさえ憂うつになりがちな雨天の走りがいっそう不快になってしまうからだ。
本格的な梅雨シーズンを迎える前にいま一度自分のレインウエアの扱い方を見直して、雨でも快適なツーリングが楽しめるように準備しておこう。
「着る」から「脱ぐ」まで丁寧に
「新品なのに浸水した」という場合の大半は着用法に問題あり。
首元までファスナーを上げていなかったり前合わせ部分の折り返しを平らにしたり、面ファスナーの合わせ方が雑だといとも簡単に浸水する。
ソデを通す前に前合わせの部分がどういう状態か(大抵は折り目がついている)、よく確認しておくこと。
面倒がらずにしっかりアジャスト
レインウエアは生地が薄手で、重ね着する都合上生地が余りがちになるため、特に高速走行時にバタつきやすい。
アジャスターが付いているものに関しては走り出す前にしっかりと調整しておく。
パンツを履く際は引っかかりに注意
「シューズを履いたまま着用可能」とうたう製品もあるが、ソールがゴツかったり、バックルなどが飛び出しているシューズだとメッシュの裏地に引っ掛けて破いてしまう恐れがある。
素直にシューズを脱ぐのが無難だ。
パンツを履く際にはしっかり上げて
パンツの股、尻部分は体重がかかるうえ足を左右に広げるため傷めやすい。
しっかり腰上まで上げて履くようにしないとバイクにまたがった際に股の部分が左右に強く引っ張られる形になり、いっそう浸水しやすくなる。
日頃から腰上まで上げて履くように心がけること。
シームテープが傷まぬように
股部分はシームテープで目止めされているものが多いのではがさないように注意。
なお、透湿生地を使ったパンツはぬれたシートに長時間座っていると湿気を逃がす穴から浸水し内側がシットリとぬれてしまう。
こまめにシートを拭くようにしよう。
ライディング中は熱にも注意
特にエキパイが横に出ているクルーザーやオフ車は、熱でパンツのスソを溶かしてしまうことがよくある。
耐熱素材を用いたパンツなどを選ぶなどして事前にしっかり対策をしておこう。
脱ぐときは裏地を傷めないように
レイングローブは脱ぐ際に湿気で裏地が手にまとわりつき、脱ぎにくくなりがち。
乱暴に扱うと防水フィルムが破けてしまうので、指先の部分を内装までしっかりつかんで引っ張ること。
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