一泊二日500㎞以上、ガソリン代は1000円ちょっと。こういう旅がしたかった
カブは頼もしかった。クリスタルラインの狭く、アールが小さく、古い舗装を落ち葉が覆っているような道ではちょうどイイ。
フルサイズのオフロード車やスポーツバイクでは速度が出る分、ブレーキングも大変。でも、カブなら景色や空気を楽しむ余裕がある。多少のラフロードでも軽いからどうとでもできる。

●ここはクリスタルラインからの枝道。こんな急な下り斜面のラフ路面でも、クロスカブ110の17インチブロックタイヤなら問題なし。1速スタンディングで軽く走破

●ガードレールもない木立の中のワインディングはカブにとって最高の道。大排気量車じゃつらいだけか? 木漏れ日が美しい
頼もしいのは燃費もそうだ。山道で全開が続いても確実に50㎞/L以上。
両車の最低が50.4㎞/L。最高が69.7㎞/L(どちらもクロスカブ)。
急登坂が続く区間ではC125のほうが好燃費(100㎏オーバーの小川が乗って平均56.3㎞/L)。
クリスタルラインは全長68.1㎞で、当然ガソリンスタンドはなく、その前後にも少ないから燃費のよさは大きな安心材料だった。
結局2日間で500㎞以上走った。

●八ヶ岳高原には、見事に水が張られた美しい棚田が広がっていた
それでも疲れは少ない。
スピードが出ないから? それもある。風圧は疲れの一因だから。カブなら風圧というほど速度が出ない。
シートもイイ。ライディングポジションも楽。
優しいエンジンと軽い車体と、それに何よりカブだから。可愛いバイクは疲れない(楽しいから)。
復路では真っ暗な山道も走った。LEDヘッドライトが前方を明るく照らしてくれるから不安も最小限だった。
時短の時代。でも、1日300㎞程度なら下道旅のカブでも問題ないし、高速道路料金も不要。
かつ好燃費で宿泊費分が出てしまう。宿の御主人にも青木さんにも、「東京からじゃ大変でしょう」と言われたけれど、いやいや実は楽なんです、と答えると、不思議そうな顔をされた。
日が長くなった。下道ツーリングにはウレシイ季節。
早起きしてカブを駆れば、新しくて、でも、ちょっと懐かしい旅が待っていると思う。

●一生懸命走るけれども、カブの旅だからこそひと休みも忘れない
- ●倒木、落石は要注意。これは最大級だ
- ●八ヶ岳高原から甲府盆地北までは白樺が多い地域。その林間は何となく気分がイイ
- ●こんな道だとカブでも2 ~ 3速。コーナー手前ではクロスカブのブレーキワイヤーが千切れそうなほどフルブレーキングする
- ●C125は9.7馬力、クロスカブ110は8馬力。上りの燃費はC125の勝ち
- ●クリスタルラインはスマホ圏外の区間も多い。分岐点では紙の地図で進むべき方向をしっかり確認しよう。なお、路面が予測できないなら、そのまま進まず一旦停止して歩いて見定めることも大切だ
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