特集

【スーパーカブで楽しむツーリング】カブ下道紀行:諏訪から山梨県中北・クリスタルラインへ

思い出の道へカブで再び

免許を取ったばかりの頃は、高速道路を使わないのは当然だった。
お金はなく、ただ行きたい、走りたいだけだったし、仲間には50㏄も125㏄もいたから。
カブは原点、下道も原点。
あの頃のように、あの道を走ろう。いつもとは違う、爽やかな旅立ち。

report●石橋知也 photo●石橋知也/小川恭範

 

●右側、クロスカブ110担当が筆者。スーパーカブC125を駆ったのは編集部員の小川。みずがき山自然公園にて


 

 

岩魚とジビエと、それに蕎麦に林道・裏道も味わう

輝く1970年代が終わろうとしていた。アメリカを往復横断した後だったので、日本の山奥に憧れた。
秩父から清里方面に抜ける中津川林道や、今回走ったクリスタルラインや周辺の林道を何度も何度も走った。
あの頃はもちろんダート。冬だと北側は凍っていたのに、南側は泥沼なんてこともあった。
だから久し振りに行ってみようと思った。匠亭の青木和夫さんとの再会も楽しみ。

クリスタルライン? 響きは美しいが、実際は狭い林道を舗装しただけ。あの頃はどの道も何とか林道とか何とか線だったが……。
その舗装林道は清里方面から甲府の郊外までを山麓を横断する。

●八ヶ岳高原から甲府北部まで南側山麓には林道が網の目のように走る。そのメインが全長68.1㎞のクリスタルラインだ


川上村、金峰山辺りからの縦断路は通行止めが多い。崩れても交通量が極端に少ないから、なかなか復旧しない。
特に最近は大雨や台風などの影響が大きい。

●落石! 通行止めにはなっていなかったが、ブラインドコーナーは要注意。舗装の割れ、穴、落ち葉は当たり前だった

スーパーカブC125とクロスカブ110の2台だから当然下道。
甲州街道はなるべく走りたくないため、東京から相模湖までは野猿街道、国道413号などを使う。大月辺りは相変わらず工事渋滞(あの頃もそう)。
甲府から諏訪へはいいペースで走れる。復路はクリスタルライン、柳沢峠・丹波村経由の大菩薩ライン、上野原丹波山線、奥多摩湖周遊道路、そして上野原、相模湖……とあの頃走った山道を贅沢につないだ。

 

日本の深き山と清流が育む"幸"に感謝

絶品ジビエを味わえる店へ

昨年訪れたとき、匠亭の青木和夫さんが言っていた。「5月の連休が終わったあたりからの岩魚がとてもいいですよ」

●青木和夫さん

この言葉が忘れられなかった。
青木さんの話を聞いていると、ジビエや天然魚の本来の味わい方があることにいちいち感心してしまう。旨み、臭み、食感、調理方法、加工方法などには自ら撃ち、釣って解体・精肉し、料理する人でなければ知ることができない秘密が多く隠されている。

●岩魚や山女の唐揚げ(1000円)は頭から丸ごと食べられる。ツーリング途中でなければビールが……なのでノンアルコールのハニービール(500円)がお薦め。この蜂蜜も青木さんが自ら養蜂した物を使っている

例えば猪肉の臭み。発情期の雄だから臭みがあるという。
確かに匠亭の猪肉は全く臭みがなく、硬くもなく、それでいて食感と旨みはしっかりある。

鹿肉は、今回特殊な加工を施したステーキをいただいた。
「同じじゃ飽きるでしょ。一度食べたからもう鹿肉はいいやではもったいないので、新しい食感と旨みに挑戦したヤツです。普通のもいいけど、こういうのもね。よく鹿肉はレバーのような味がすると言われますけど、元々鉄分が多いのでそうなんでしょう。どうですか、これ?」

●従来メニューと違い、肉に特殊な後加工が施された新メニュー。食感は牛タン、味はレバーの風味もある。食べやすい


いやいや本当に美味しいし、新しい。鹿肉がこんなに食べやすくなるなんて不思議だ。

「春は鹿の解体で忙しいんです。ちょうど駆除が始まった後なので」
他のハンターが持ち込むのだという。注文に応じて精肉して契約しているレストランなどへ出荷するのだ。これも青木さんの仕事。
この忙しさから、なかなか岩魚釣りに出かけられないでいた。青木さんたちプロは、一般者立ち入り禁止の山奥で釣る(例えば林道の閉まっているゲートの奥だ)。
自分のレストランで出す分だけ釣るし、産卵前の雌も釣らない。次の恵みを大切にするからだ。
「今でも魚はちゃんといますよ。ただ、鹿は少なくなる傾向ですね。気候の影響を受けますから」

あくまで大自然の営みの一部に、寄り添いながら人間も生きている。食するとは何か。また、行こう。

●店内の鹿のシャンデリア? これは天からの恵への敬意と感謝の表れだ。どの世界の狩猟民族もこうしている。成果を誇示するのとは意味が違う


●国道20号沿い(東京からだと下り)にある丸太小屋がカントリーレストラン匠亭だ


 

カントリーレストラン 匠亭

住所:長野県茅野市金沢2149
営業時間:12時〜14時/17時30分〜20時
定休日:火曜日(冬期は火・水)
TEL:0266-73-4862 URL: http://www.takumitei.com

 

→次ページ:不思議なくらい走れてしまう

1

2
  1. 【え?空冷?】新型『CB1000F』を「予備知識ゼロ」でレビューすることになった→聞いてた話と違うじゃないか!?【Hondaの道は1日にしてならず/CB1000F ①第一印象 編】

  2. 【驚異の価格】新型EVスクーター『ICON e: (アイコンイー)』は26Lのシート下収納スペースありで充電もラク!【Honda2026新車ニュース】

  3. 徹底解説!レブル250の「Eクラッチ」が圧倒的に支持される「7つの理由」って? 【Honda E-Clutch/Rebel 250 S Edition編】

  4. 【質問】このバイクの車名ってわかる? Rebel 250(レブル250)じゃないよ!DAYTONA×Dope製のCL250向け『カスタム』です!

  5. ツーリング好きの私が年甲斐もなく『峠の走り』に夢中になってしまったバイクの話【Hondaの道は1日にしてならず/GB350 S インプレ・レビュー 前編】

  6. バイク歴18年のライダーはGB350 Cで初のMT車デビュー「これにしかない良さがあります」

  7. CRF1100L Africa Twin(アフリカツイン)が予想外のニューカラー!?新型モデルからは『MT』と『<S>』が無くなり『DCT』のみに!

  8. GB350はモトクロスの女王、川井麻央選手も絶賛「GBがいいヤツすぎて仲良くなりました」

  9. Honda純正オイル「Pro Honda」の上位グレード「SPORTS」と「PREMIUM SPORTS」はどこまで違う? Honda二輪車のエンジン開発にも使用されるハイグレードオイルは〇〇〇が全く別物です!

  10. 【新車】125ccスクーター『LEAD 125(リード125)』がニューカラー2色追加で新発売! シート下スペース約37Lでスマートキー&USBソケットも標準装備!

  11. 10年、20年後も色褪せない「控えめに言って最高」GB350 Cを全力で絶賛する理由

  12. GB350を手に入れて1年半。休日はバイク漬け。女性ライダーの語る愛車の魅力。「行動範囲を広げてくれる素晴らしい相棒」

  13. 新型『CB1000F/CB1000F SE』国内発表!Hondaを代表するプロダクトブランド「CB」のフラッグシップモデルが登場!

  14. 大排気量ツアラー一筋だったベテランライダーがXL750 TRANSALPに乗って感じた自由と楽しさとは?

  15. のんびりツーリング最強の大型バイク『CL500』がアップグレード!新色にも注目です!

  16. 通勤・通学、二人乗りもOKの遊べる125cc『ダックス125』は初心者の人も安心!

  17. 50歳からライダーデビュー。エネルギッシュな女性ライダーが考える悔いのない人生

  18. 新型『NX400』ってバイク初心者向けなの? 生産終了した『400X』と比較して何が違う?

  19. 定年後のバイクライフをクロスカブ110で楽しむベテランライダー

  20. “HAWK 11(ホーク 11)と『芦ノ湖スカイライン』を駆け抜ける