ツーリング

ホントに通れる道なんだよね!?通行難易度が高すぎる西日本の「酷道&険道」6選

「酷道」(こくどう)と言う言葉もよく聞かれるようになりました。一般国道のうち、乗用車による通行が困難なぐらい状態の酷い道を「国道」の読みに引っ掛けて揶揄(やゆ)した言葉です。一方で、近年ではその県道バージョンとして「険道」(けんどう)という言葉も登場し、全国に「酷道」「険道」ファンを作っています。

筆者はバイクツーリングの醍醐味のひとつとして、こうした好奇心くすぐる道との出会いを楽しみにしています。この記事では、西日本を中心に全国各地をバイクや自転車、クルマで走ってきた筆者が、これまで訪れた中でその険しさや景観から、特に印象に残った酷道・険道を6つ紹介していきたいと思います。

崖と狭路でまさに秘境 岐阜県〜福井県国道417号線「冠山峠」

ガードレールに視界を遮られない絶景が見られる、国道417号「冠山峠」。

正統派の酷道といえば、通行困難なほどの狭路で、走ることに危険すら感じる道。そういった意味で、筆者が今まで走ってきた中でダントツの酷道は、岐阜県/福井県の県境に位置する国道417号「冠山峠」(かんむりやまとうげ)です。

特徴は、山肌にへばりつくような動線。所々ガードレールもなく、まさに「落ちたら一発アウト」の緊張感と野趣ただよう道です。特に福井県側は見通しの悪いヘアピンカーブが連続するので、細心の注意が必要。

しかしクルマより車幅の狭いバイクにとっては、道幅が極端に狭いというわけではないので必要以上にビビらなくても大丈夫。緑深い秘境を味わうくらいの気持ちで、ドンと構えて安全に走破しましょう!

2020年に舗装されちゃった! 滋賀県国道367号鯖街道支流「おにゅう峠」

滋賀県/福井県の県境の国道367号鯖街道支流「おにゅう峠」。紅葉の時期は特にオススメ。

近年、紅葉名所として、注目を集めるようになった滋賀県/福井県の県境の「おにゅう峠」。京都市内と若狭地方を結ぶ国道367号線の支流に当たる道です。

この道の特徴は、滋賀県側は舗装されているのに、福井県側は未舗装路となっていること、でした。そう!「でした」がミソです。このちぐはぐ具合が酷道たる所以だったのに、2020年ようやく全面舗装化されてしまったのです! 

舗装されたことで「酷道」感は減ってしまいましたが、紅葉に吸い込まれるように走るバイクの姿はとても絵になります。緑が濃い夏シーズンもオススメの道です。

アオバトに会える霊峰白山の秘境 福井県道173号「上小池勝原」線

県道173号「上小池勝原線」の近くで見られるアオバト。オリーブ色の体色が特徴。

福井県大野市の勝原地区から、日本三大霊山・白山へのお膝元へ抉りこむように伸びる県道173号「上小池勝原線」(かみこいけかどはらせん)。九頭竜峡(くずりゅうきょう)の奥、打波川にそって20km以上も走る道は、自然にとことん向き合える秘境林道です。

道の舗装状態は比較的良いですが、中盤から後半はクルマがすれ違えるギリギリの幅に! そんなこの道の特徴は、鳩ヶ湯温泉付近で出会える「アオバト」。ミネラル豊富な冷泉を飲みに来る、アオバトの群れが名物になっています。

なお道の途中にはクマの痕跡が見られることも。動物の気配を強く感じられて趣がありますが、走行中の遭遇にはくれぐれも気をつけましょう!

西日本3位の標高 徳島県道44号線「落合峠」

剣山地と瀬戸内海を一望できる「落合峠」のクライマックス。

四国の酷道といえば、酷道ファンの間では国道439号線(ヨサク)が有名でしょう! 陸の孤島と呼ばれる隔絶した世界観が魅力です。一方で、険道として取り上げるなら、徳島県の県道44号「落合峠」がオススメ。

実はこの峠、ほとんど知られていませんが、四国の峠としては最も高く、西日本3位に当たる標高1513mを誇っています。

日本三大秘境「祖谷渓」(いやけい)から続く、狭くヘアピンに富んだ林道は、まさに四国らしい自然のスケール感を感じられる内容。峠のクライマックスには、左手に四国の屋根・剣山地、右手に瀬戸内海という大パノラマも待っています。

火山のジオラマ世界 熊本県道111号「阿蘇吉田線」

眼前に迫る火山がまるでジオラマ世界のような熊本県道111号「阿蘇吉田線」の景色。

「よくこんなところに道を作ったなぁ」と感心してしまう。これも酷道・険道と呼ばれる道の特徴です。西日本を中心に全国各地を走り回ってきた中で、特に目に焼き付いて離れない奇観を放つのが、九州ツーリングの聖地・阿蘇(あそ)にある熊本県道111号「阿蘇吉田線」です。「阿蘇吉田線」は「阿蘇パノラマライン」という愛称で親しまれています。

南阿蘇から阿蘇山ロープウェイまで向かう約11kmの道のりでは、阿蘇五岳が作るジオラマのような世界をここぞとばかりに堪能できます。よくもまぁここまで、火山を縫うようにこんな道を作ったもんだと感心してしまいます。

継ぎ接ぎのように山肌に施された護岸工事の跡が、その努力を物語っています。また所々に残る阿蘇噴火の補修跡も、険道たる証と言えるでしょう。

僧侶が30年かけて手彫りしたトンネル 大分県国道212号線「青の洞門」

道路側に倒れかかるように傾く岩壁がインパクト大の国道121号線「青の洞門」。

最後にご紹介するのは、大分県の耶馬渓(やばけい)に沿った国道212号線の途中にある「青の洞門」。見るからに酷道なビジュアルはなんと、江戸時代にひとりの僧侶が30年かけて手彫りした成り立ちにあります。

江戸時代当時、この洞門の上部に当たる「競秀峰」(きょうしゅうほう)を越える鎖の難所が、ここを通過する唯一の通り道。そこで命を落とす通行人を見て、禅海和尚(ぜんかいおしょう)という人が隧道(すいどう)を掘ったという逸話が残っています。確かに素晴らしい精神なのですが、発想がワイルドすぎますね!

肝心のトンネルもそうなのですが、それ以前に手前側の岩壁の今にも倒れてきそうな反り具合が怖すぎます。

個性的な道との出会いがツーリングの醍醐味!

あなたはいくつ知っていましたか? 道との出会いは十人十色。同じ旅先をツーリングするにしても、選択する道次第で、得られる経験や感動は全く違ったものになります。ぜひ貴方の心惹かれる、個性的な道を探して、今日もバイクを走らせてみてはいかがでしょうか。

レポート&写真●土庄雄平 編集●モーサイ編集部・中牟田

2021年3月24日12時58分追記:熊本県道111号「阿蘇吉田線」を熊本県道11号「阿蘇パノラマライン吉田線」と誤記していました。修正してお詫び申し上げます。

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