お役立ちノウハウ

現役トラックドライバーのライダーが語る「事故につながるバイクの危険な動き」とは?

トラック側の動きや視点を知れば事故は防げる

筆者は個人的に長くバイクライフを送るライダーのひとりであるが、ここ2年ほどは大型トラックのドライバーの視点からも、街中でのバイクの動きを見てきた。その中で分かったバイクライダーの意外な盲点、危険な走りを挙げてみたい。

都会でも地方でも、幹線道路を走る輸送トラックを見ない日はないはずだが、さて一般ライダーのあなたは、大型トラックにどんな印象を持っているだろうか?
おそらく……

「前方視界がふさがれるから邪魔」
「前に行きたいけど、幅が広いのですり抜けがしにくい」
「加速も減速もノロノロしていてうっとうしい」

……といった声が出てくるだろう。
当然の印象だし、ライダーがトラックの後ろにいたくない気持ちもよく分かる。
そして、傍目からだとトラックは前車との車間距離をかなり取っているように見え、「バイクなら割り込んでも大丈夫」と考えているライダーも多いはず。
だが、そういった行動はトラック側からすると「ヒヤッ」とする類いのものだ。

トラックが加減速でノロノロしているのには相応の理由がある。例えば……

1:加速と減速で無駄な燃料を使いたくない
2:マニュアルミッション変速を多用することで、疲労したくない(現在も大半のトラックはマニュアル車だ)
3:積載物の荷崩れ防止のため、極力ピッチング(前後揺動)を起こしたくない

……といったところだ。

大前提の特性として、大型トラックは公道では機敏性で劣る存在だが、視点が高い分、先の交通状況は見通しやすい。
だから、ちょっと走ったら先が詰まっているような渋滞の際は、無用な加減速をせずにゆっくり前進したいと考える。そして何度も繰り返す停止では、荷崩れしそうな挙動が起きないようにフワッと止まりたい。
だが、現実の交通状況ではそうは行かない。他の交通の動きもあるからだ。とりわけトラックと機敏性で対極にあるのがバイクだが、ならば具体的にバイクのどんな挙動がヒヤッとするのか? 以下に説明する。

交差点は最悪の追い抜き、追い越しの地点

交差点は車線幅が急に狭くなる場所だ。
道路の総幅はそのままなのに、片側2車線だった道に右折専用レーンが加わったりするからだが、当然バイクがすり抜けしようにも隙間が狭い。
加えて、減速ポイントでもあるから、止まる挙動の能力差でもトラブルが発生しやすい。例えば、こんな挙動が怖い。

左折時の内輪差を意識した動きが、バイクからはトラックが右車線へ移るように見えてしまうことも(出典:自動車安全運転センターウェブサイト「大型貨物車の安全運転」8ページ目より)

【2台以上のマスツーリングをしている後続ライダーの動き】
信号待ちで前に出ておきたいから、先頭のライダーはトラックの前に割り込む。それに続き「自分も前へ」と、後続のライダーも同様の動きをしたがる。だが、車間の余裕は前車ほどなく、トラック側はその割り込みには対応しにくくなり、最悪の場合は「追突」もありうる。

【渋滞気味の交差点をバイクがすり抜け進入】
渋滞時、トラックをはじめ4輪は交差点を渡れないから、右折待ちの対向車に道を譲ることがある。だが、そこにいい勢いですり抜けてきたバイクが進入してきて、譲られた右折の4輪車とバイクが右直事故。筆者も譲る方の側で目撃・経験した。

【幹線道から右左折していくトラックの後端に“すり抜け”バイクが接近】
車両の長さや車輪の位置を見れば分かるが、大型トラック(10トン車で全長12m前後、4トン車で9m弱)が左右に曲がる場合は、後輪の軌跡よりも車体後端が外側に膨らむ(=リヤオーバーハング)。
その膨らみ幅は、曲がり角やハンドルの切り方にもよるが約60〜90cm。それを計算せずに、やっとトラックが曲がったと思い、バイクがすぐ脇を通り過ぎるとトラックの後端にヒットすることがある。
最悪の場合は、対向車線に弾き出されて大事故に繫がることも! 無論、トラックドライバーはその特性を踏まえ、曲がるときは内側の巻き込みと後端のはみ出し具合を確認するが、想像以上のスピードで迫って来るバイクには、対応仕切れない場合もある。

大型トラックの「リアオーバーハング」(出典:自動車安全運転センターウェブサイト「大型貨物車の安全運転」8ページ目より)

右左折時にリアオーバーハングがせり出してしまう傾向がある(出典:自動車安全運転センターウェブサイト「大型貨物車の安全運転」8ページ目より)

高い視点から見えない落とし穴もある

近年、ツーリングにも街乗りにも便利なアイテムとしてトップケースを使うライダーも多いが、その取り付け方も要注意だ。
取り付け位置が、灯火類(ストップ&テールランプ)の被視認性を損なっていないだろうか。特に視点の高いトラックからは、トップケースがバイクの車体後方に覆い被さりすぎると、テールランプが見づらい。
例えば、後席のライダーの居住性も確保したくて、トップケースをかなり後方に付けているケース。そういったバイクは、トラックからするとテールランプがかなり見づらくなるため、減速していることが分かりにくい(トラックに追突される危険性がある)。

またハードタイプケースに限らず、ソフトタイプのツーリング用サイドバッグなども、リヤウインカーを含む灯火類が半分隠れたような付け方をしているバイクを見かけるが、これも要注意。
特に最近のスーパースポーツやスポーツネイキッドなど、着座部分(シート)の前後長が短いデザインの車種は灯火類が見づらくなる傾向が強いため、荷物を積載する際には十分気をつけてほしい。
あなたのバイクの灯火類は、トラックをふくめ、視点の高い4輪車からも見えているか? 今一度確認を!

とりわけ大型トラックは、乗用車に比べて遠方の見通しがいい一方、近くて低い位置にあるものへの意識が希薄になりがちと言われている。
その点でも、自分が停止中など、後方から迫るトラックが自分のバイクの存在をちゃんと意識しているかどうか、ストップランプを点滅させるなどしてアピールしてほしい。

自車の存在をアピールすることが重要

何よりライダーに心がけてもらいたいのは、自分が存在をちゃんとアピールできているかということだ。
それには、他の交通との速度差を意識しておくこと。高速道路などでは、よくハザードランプを点灯しながら、渋滞でノロノロ走るクルマの間をすり抜けているバイクを見かけるが、ハザードを出せば安全というわけではない。
一瞬の内にすり抜けていくバイクなど、ハザードをつけていたとしても4輪からはほとんど見えていない。またそれがけっこうな速度を出しているのならなおさらだ。

もう一つは、前述のように後方の被視認性を常に意識しておくことだ。振動が多めのクラシックバイクや、テールランプのマウントをいじったカスタムのSRなど、テールやストップランプのバルブが切れた状態で走っている例がなんと多いことか。
前述した交差点での事例も含め、以上のことには、ぜひ気をつけて頂きたい。

余談だが、ここ最近トラック運転手にとって最も怖いのは、自転車だ。
原則的に車道を走れと言われており、道幅が拡幅されたわけでもないのに、車道端が自転車専用レーンに変更された例は多い。
自転車乗りは当然の権利とばかりそこを走るものの、特に夜間など後方の灯火(点滅ライトなど)もなしに、自転車専用レーンを走っていたり、後方確認もせずに進入してくるのはかなりの恐怖なのだ。
しかしこれらのことも、自分が相手にどう見られているかに意識を向ければ、トラブルは減ると思うのだけれども……。

レポート●坂 和浩 写真●坂 和浩/自動車安全運転センター イラスト●PIXTA/自動車安全運転センター 編集●平塚直樹

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