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「ゴールデンウィーク、どこへ行っても混んでいるしなぁ……」などと具体的な計画をしないまま後半を迎えようとしているライダーさんに、混雑を回避しつつ見応えあるスポットを巡るお手軽旅をご紹介! 今回お薦めするのは群馬県・四万(しま)エリアです。
①奥四万湖「行くなら湖が最も青くなる4月、5月の今だ!」

四万川ダムの建設により造られたダム湖。青い理由は諸説ありますが、ダムに注ぐ四万川にアロフェンなどといった水に溶けない懸濁(けんだく)微粒子が混入して青の光が散乱・反射するという説が多く語られています。とくに雪解け水が流れ込む4月から5月が最も美しい青になるのだとか。
また、周辺の有名観光スポットに比べて交通量も少なく、四万湖を時計回りに周回する道の大半が一方通行になっているため、走りやすい点も魅力。しかも、周回ルートのクライマックスでは、ダムの上を東から西へ向けて走行することができるのです(歩行者もいるので、その辺りはもちろん配慮をお願いします)。愛車と一緒にダムの上で記念撮影してみてはいかがでしょうか?

②道の駅 霊山たけやま「ゴールデンウィークならではの絶景を見に行こう!」

古くから霊山として信仰を集めてきた嵩山(たけやま)を背にして建てられた「道の駅 霊山たけやま」。ごつごつした岩肌をのぞかせる山頂から、道の駅駐車場までつながる無数の鯉のぼりが風にそよぐさまは迫力満点。ちなみに2024年の鯉のぼりの掲揚期間は5月24日までです。
③旧太子駅「国の登録有形文化財にもなった鉄道遺構は写真映え抜群」

戦後日本の復興を支えた群馬鉄山。そこから運ばれてきた鉄鉱石を貨車に積み込む作業に使用されていた旧太子(おおし)駅のホッパー棟は、上部から鉱石や砂利などを貨車に投入できるようになっていました。今では1階部分を残すのみとなっており、その1階も崩落の危険があることから、見学はホッパー棟の外側からのみ可能。
また駅構内には日本各地から集められた車両が12台展示されている。中でも令和5年から仲間入りした「ワラ1形」と呼ばれる車両は、製造番号1番の貴重なものだそう。なお、このホッパー棟は旧群馬鉄山に関する唯一の遺構として、国の登録有形文化財に指定されています。


④積善館「千と千尋の神隠しのモデル!?とも噂されるノスタルジックな温泉旅館」

スタジオジブリの名作アニメ映画『千と千尋の神隠し』制作の際に参考にされたのではと言われている温泉宿のひとつ、積善館本館。ここを含む四万温泉へと続く国道353号の中之条町エリアには、安全な速度で走行すると音楽が流れる道路「メロディーライン」があり、曲は『千と千尋の神隠し』の映画で使用された「いつも何度でも」。残念ながらバイクの走行ではそのメロディーは聞こえないが、それでもこの宿の前に立つと、思わず「ここで働かせてください!」と叫びたくなるほど「千と千尋感」が最高潮になります。
江戸時代から続くこの本館をはじめ、別館の「山荘」、「佳松亭」ともに大人気で宿泊の予約は困難。しかし、本館にある「元禄の湯」は日帰り入浴が可能なので、宿泊者でなくてもその風情ある温泉や館内の雰囲気を楽しむことができます。なお、本館は群馬県の重要文化財に指定されています。



⑤水沢うどん街道「四万エリアへ向かうならランチはここで決まり!」

朝に東京を出発し、四万方面へ向かうとすると、昼前に渋川市を通過することになるでしょう。しかし通り過ぎてしまうのはもったいない! 群馬県道15号・前橋伊香保線沿いには「水沢うどん街道」という、うどん専門店が軒を連ねるエリアがあるのです。ここを楽しまない手はありません。
この「水沢うどん」は、秋田の「稲庭うどん」香川の「さぬきうどん」と並ぶ日本三大うどんのひとつ。清らかな水を使用して作られたツヤ・コシのある麺は、無限に食べていられるほどのおいしさ。
そんな水沢うどんを提供するお店の中でもお薦めなのが、元祖といわれる「田丸屋」。十分な広さの駐車場、店内のレトロな雰囲気や広く取られた座席の間隔に加え、老舗旅館と思うほどの丁寧な接客。ゆったりとくつろげること間違いなし!


いかがでしたか? 関東圏からならば日帰りで大満足できるスポット「四万エリア」。この時期しか見られない絶景や、絶品グルメ、名湯など盛りだくさんなのに滋賀草津道路や草津など、群馬県内のツーリングスポットと比較すると道が空いていて走りやすいのも魅力。この週末、ふらりと行ってみてはどうでしょう。
レポート&写真●モーターサイクリスト編集部・仲田