先ごろお伝えした軽二輪車クラスの速報に引き続き、令和元年上半期の小型二輪車クラスの速報をお伝えしよう。小型二輪車クラスはカワサキが昨年に続いてトップをキープした。軽二輪車クラス同様、前年比微増で前半戦を折り返した。
report:田島史郎
小型二輪車販売台数 2019年1月~6月累計
累計台数(台) | 前年累計(台) | 前年比(%) | シェア(%) | |
ホンダ | 6,258 | 6,454 | 97.0 | 18.5 |
ヤマハ | 5,660 | 5,023 | 112.7 | 16.8 |
スズキ | 2,902 | 2,796 | 103.8 | 8.6 |
カワサキ | 8,806 | 8,485 | 103.8 | 26.1 |
海外 | 10,157 | 10,350 | 98.1 | 30.1 |
合計 | 33,783 | 33,108 | 102.2 | 100.0 |
小型二輪車クラスでは、本年もカワサキが強い。2位ホンダが前年比で微減しているのに対してカワサキは同比でさらに3.8%の伸びを見せつけている。車種別販売をみても、ニンジャ400をはじめZ900RS/カフェ、ニンジャ1000、ニンジャZX-6Rなどがベストテン内に入るなど、充実した人気車の拡販が実っていることが強みだ。
それに対して、2位ホンダの売れ筋はCB400SF、CB1300SFが未だ主力販売台数になっており、新商品による台数の積み上げが予想以上に苦戦している状況がうかがえる。カワサキとの台数差は上期だけで2千台以上あり、下期は一段の増販が期待されるところ。
更に、銘柄別の販売台数をチェックすると、前年同期比でヤマハが最も大きな増加を確保しているほか、スズキ、カワサキもアップした。それに対して、ホンダと海外ブランドは微減している。
昨年の小型二輪車クラスの年間販売台数は6.3万台なので、本年もこのままの推移だとほぼ同数値に落ち着くか、小幅増の6.4万台ほどになりそうだ。
同クラスの販売台数は、ここ4年間6万台ラインで安定した水準をキープしているが、平成時代の前半は毎年10万台を超える販売を続けていただけに、この水準で満足することは出来ない。軽二輪車クラスと同様に、10万台復活に向けての踏ん張りどころに来ていると言える。
全体需要を増やしていくためには、やはり新規顧客を生み育てていくことが最も重要になる。全国的に、高校の三ない運動の終結をはじめ環境の改善は進んでおり、免許取得キャンペーンや試乗会、各種イベント開催の増加、レンタルバイクの普及拡大、各道路公団のツーリングプラン割引実施、など明るいニュースも多くなっている。
是非とも、こうした環境の改善を追い風に付けて販売台数も右肩上がりになって欲しいものだ。