令和元年となった2019年の販売戦線は、早くも上期を終了し後半戦に突入した。速報値を見ると、4銘柄の中では、軽二輪車クラスはホンダが前年同期比で大きく伸びて6年ぶりトップシェアを奪取。小型二輪車クラスはカワサキが昨年に続いてトップをキープした。
両クラス共に前年比微増で折り返し後半戦に期待がかかる。
report:田島史郎
軽二輪車販売台数 2019年1月~6月累計
累計台数 | 前年累計 | 前年比 | シェア | |
ホンダ | 12,475 | 9,630 | 129.5 | 42.9 |
ヤマハ | 8,587 | 9,840 | 87.3 | 29.5 |
スズキ | 4,227 | 3,870 | 109.2 | 14.5 |
カワサキ | 2,414 | 3,068 | 78.7 | 8.3 |
海外 | 1,367 | 1,397 | 97.9 | 4.7 |
合計 | 29,070 | 27,805 | 104.5 | 100.0 |
表を見て分かるように、軽二輪車(126cc~250cc)全体としては前年比4.5%=1265台のプラスになった。銘柄別に見ると、ホンダとスズキが増加しているものの、ヤマハとカワサキはふたケタのマイナスを示す苦戦ぶりとなっている。まさに、悲喜こもごもの成績。
マーケットが伸びない中にあって、シェアの食い合いになってしまっている一面も見える。ヒット車があると販売台数は当然ながら伸びるものの、その分、他銘柄の車両が減少するという結果になっている。この状況からの脱皮が問われるところでもある。
上期は、ホンダのレブルがトップセールを続けているのをはじめ、PCX150、CBR250RR、フォルツァなどが車種別セールスで上位を占める好調ぶり。これがホンダ増販の要因となり、前年同期比では30%弱の大幅な増加になった。
いつも好調のホンダにみえるが、じつは上期をトップで折り返すのは6年ぶりのこと。車種構成の充実が花開いてのトップシェア奪還になったと言える。
昨年のトップシェアはヤマハだったが、若干の息切れ状態に陥っている傾向が見え隠れする。ホンダは、このままの推移なら年間でのトップシェアも見えてきたといえそうだ。
本来ならば、軽二輪車クラスは全体として増加幅を更に大きくしたい。というのも、軽二輪車クラスの販売台数は、平成時代の実績だけを見ても年間10万台を大きく超える年が何回もあったわけで、昨年の販売台数5.7万台は全盛期の半数以下の水準でしかない。
本年上期の実績が前年比微増ということは、昨年の年間販売台数5.7万台に近い数値が計上される可能性が強い。過去10年間の販売台数だけを見ても、毎年のように6万台未満で推移しているだけに、もうひと頑張り欲しいところでもある。