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メグロの故郷へ再び! 第2回メグロ・キャノンボール那須烏山も大盛況

2021年の「第1回メグロ・キャノンボール那須烏山」開催が大きな波を起こさせた

かつてメグロの工場が操業していた事を縁に、地元有志の発案から試みのイベントとして開催されたメグロ・キャノンボール。昨2021年11月の第一回大会は想像以上の盛り上がりとなり、関係者や住民を驚かせた。これがきっかけとなりカワサキモータース(株)との交流も始まり、今年2022年の5月末には、MEGRO K3の広報プロモーションで使用された大看板の寄贈を受けるまでに発展した。

昨年の成功を吉と捉え、関係者は第2回メグロ・キャノンボールの開催に向け運営体制を一新。単なるバイクイベントに留まらず、地域の活性化も視野に入れ、那須烏山商工会・那須烏山市観光協会が主催する体制にステップアップ。そこで昨年の活動内容を振り返り更なる企画を検討。結果、参加者へのホスピタリティ向上、地域住民のイベント参加、商業圏の活性化などが議論された。これらの内容は一部が2022年5月28日のメグロ大看板の寄贈式典でも試みられ、当日駆け付けたメグロファンを喜ばせた。また、大看板の設置後は、メグロやカワサキ車のライダーのみならず多くのバイクが立ち寄り、大看板前で写真を撮る光景が定着化しているという。

このメグロに関する盛り上がりは、創業者でかつて目黒製作所の社長を務めた村田延治氏のご令孫の目にも留まり、その本人から直接連絡が入り関係者を驚かせた。お電話をくださったのは村田延治氏のご子息にあたる村田敏夫氏のご令嬢。村田敏夫氏は、目黒製作所の専務や烏山工場の工場長など多くの重責を務め、お電話をくださったご令嬢と共に烏山市内に在住していた時期もある方である。

73年前に烏山で作られたメグロを発見

目黒製作所がこの地に工場を構えた理由は、戦時中に操業していた東京工場を空襲の被害から守る為に疎開させた事による。この判断は功を奏し、1945年の空襲により東京工場は全焼したが、大半の工作機械が疎開されていた為、戦後の生産再開は終戦直後の混乱期が過ぎた1948年春から行う事が出来た。この時期のモデルは戦前のZ98型をそのままに、Z型と名前を変更し1951年末までに945台が製造されたと記録が残る。

このZ型を昨年カワサキモータース(株)が入手、調査の結果1949年製造である事が判明した。このZ型はこれを機に那須烏山市に里帰りさせる企画に発展し、今回のメグロ・キャノンボールの会場でお披露目される事となった。イベント前日、はるばる兵庫県明石市から搬入されトラックから降ろされたZ型は、歴史のオーラを放っており、立ち会った関係者から思わず拍手を起こさせた。車両を観察すると過去に再生された痕跡が見受けられるが、現在は欠品部品もあり不動の状態で、これからどのようにレストアしてゆくか課題も多そうだ。今後はカワサキモータース(株)と那須烏山商工会がタイアップして、この車体のレストア作業に取り組む事が決まっているというので完成が楽しみである。

フェンダーにはZ97と書かれているが、現車は1949年製Z型だ。製造は戦後ながら車の仕様は戦前型とほぼ同型で極めて貴重なもの。
エンジンは単気筒2ポートの500cc。バルブスプリングにカバー類が無く、エンジン上部にむき出しなのも戦前型の特徴。
往年の村田延治社長とレックス350cc。レックスは250と500の間を埋める中間排気量車。当時から販売数は少ないがパワーと軽快さを併せ持つ隠れた名車。

秋晴れの下でイベントは大成功

迎えた2022年11月6日、イベント当日は早朝からメグロを始め多くのバイクが来場し次々に整列。遠くは広島県から参加のS7(250cc)と岡山県からの2台のスタミナZ7(500cc)、MEGURO K3で大分県から自走参加のライダーほか複数。開会時間には約82台のメグロと170台のバイクが集まった。更に見学での来場者も500人ほどが集まり、10時過ぎには会場全体に人の波が溢れていた。

今回の取材で感慨を受けたのは現行車のMEGRO K3が過去のメグロと同じ列に誘導展示されていた事で、昨年復活したメグロブランドが正統なモデルとして扱われていた光景だった。

また来賓として式典に出席された方の中には、村田延治氏のご令孫3人も含まれ、それぞれに「良く整備されたメグロがこれほど多く残っているのか!」と感激し、昔話に花を咲かせていた。更に当日は、事前に情報がもたらされていなかった村田延治氏の奥様の実家から、ご令孫の方3人も来場し、ご主人側のご令孫らと会場内で鉢合わせ!お互い大いに驚くと共に、談笑が盛り上がった。

開会式の後には、73年振りに里帰りしたZ型を除幕式でお披露目し、レストアに向けたトークショーが行われ、マニアの興味を引いていた。

式典終了後は昨年同様参加者による市内のパレードが行われた。この地域は、なだらかな山と那珂川の清流が織りなす道が続き、特に古いバイクの走行には極上のロケーション。会場をスタートしたライダーは、旧目黒製作所工場前を通過した後、那珂川に架かる橋を4回も渡る約13㎞のコースを周遊。山の紅葉はまだ少し早かったが、昨年に続くボランティアによる道案内や、エンジン付きパラグライダーによる空撮等も行われ、参加者はみな大満足だった。

会場内では、飲食店の出店に加え、さあ、みんなで「昭和」を遊ぼう! と題された子供向けイベントも行われ、多くの家族連れも楽しんでいた。パレードから戻ると自由な歓談などで過ごしたが、2022年5月に設置された大看板の前での撮影はこの日も大人気で順番待ちが出るほどで、これを目当てに集まった参加者も多かったようだ。

その後ライダー達はそれぞれの帰路についたが、優れた製品と愛されるブランドの下に集まったメグロ製バイクのみならず、村田延治社長のご令孫達までもがこの地に集まった光景は、きっと天国の村田延治氏や村田敏夫氏も喜んで見届けられた事であろう。

早朝から市内には懐かしいメグロの排気音が響き、続々とメグロの来場が続く。
メグロ以外のバイクも、新旧の国産車から輸入車までが来場し敷地内を埋めた。メグロ車のみならずこのイベントが支持されている証拠だろう。
今年の「第2回」からは、MEGURO K3もメグロブランドとして迎えられた。もちろん、多くのユーザーが大看板の前でプロモーションシーンを再現していた。
会場内では昨年同様「石の蔵ビュースタジオ」で活動する「土谷マスオと仲間たち」の演奏が場を盛り上げた。
会場中央部に誘導されたメグロの列は左右に並び、総数80台以上が参加した。
今年初参加の1955年メグロレジナ125(E型)。メグロとしては初の125ccでミッション一体型クランクケースを持つ珍しいモデル。
1949年製Z型と、その再生作業に資料とすべく比較車として持ち込まれた、Z2型がお披露目された。今後の作業が楽しみなプロジェクトだ。
最高の秋晴れの下、300人近いライダーが集まり盛り上がった。その多くの参加者が来年の再訪も希望していたそうだ。
式典後はパレードに出発。そのルートには地元のボランティア団体「K·D·CREW」(ケーディークルー)と有志によるコースガイドがルートに配され、迷う事無く景色を楽しめた。
パレードルートには那珂川に架かる橋を4回も渡るが、この「境橋」は1937年築の「RC構造開腹アーチ橋」として「土木学会選奨土木遺産」に認定されている歴史的建造物。
会場内ではメグロスタミナZ7型のオーナーたちが呼びかけを行い、同モデルのオフ会を開催し、盛り上がっていた。
大看板の前に並べられたのは、広島県から約1000㎞を、高速を使わずに自走したS7(250)左、と神奈川県から自走のSG(250)2台。このグループには岡山県から同じく下道で同走したスタミナZ7(500)2台も一緒だった。
子供達が楽しめるコーナーにはもちろんメグロの試乗車が!メグロ製バイクは彼らの祖父世代になる車両だ。
メグロの塗り絵も好評で、多くの作品が展示された。モデルは例のZ型だがカラフルに塗られた塗り絵に思わず微笑んでしまう!

「第2回メグロ・キャノンボール那須烏山」イベント開催概要

開催日時:2022年11月6日
開催場所:栃木県那須烏山市 山あげ会館
主催:那須烏山商工会・那須烏山市観光協会
後援:那須烏山市

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レポート&写真●上屋 博 取材協力●(一社)那須烏山市観光協会 編集●モーサイ編集部・中牟田歩実

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