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バイク用品の販売や開発を行うナップス(NAPS)が新ブランドと新プロジェクトを発表した。望月真裕代表取締役によると、二輪業界はEV化もSDGsへの取り組みも遅れており、また商品のコモディティ化(同質化)による低価格競争で業界全体が脆弱化しているという。


こうした状況を打破するために「2軸の戦略」と、会社や業界の垣根を超えた「共通価値の創造」が必要だと考えて立ち上げたのが、新ブランド「Naps Sports(ナップス・スポーツ)」および新プロジェクト「Naps+E(ナップスプラスイー)」だ。

コアファン向けの新ブランド「Naps Sports(ナップス・スポーツ)」
新ブランド「Naps Sports」は「For ultimate Riders.」(究極のライダーのために)をキーメッセージに掲げた、コアなバイクファン向けのプライベートブランドだ。グローバル展開を見据え、高い技術力と実績を持つ国内製造メーカーと共に、オリジナルプロダクトの企画・製造・販売を実施する。
今回「Naps Sports」製品として発表されたのは、加圧と過熱により成形するオートクレーブ成形で軽さ・薄さ・強度を追求したフルドライカーボン外装キット。
第1弾としてスズキ GSX1300R ハヤブサ(2021年型)、ホンダ CBR 1000RR-R、カワサキ ニンジャH2、カワサキ ニンジャZX-10R(2021〜22年型)、カワサキ Z900RSの5車種の展開が発表。このうちハヤブサが先駆けて10月1日から販売開始される。
カーボン外装キットは国内メーカーのハイエンドなスーパースポーツモデルや人気車種がターゲットで、世界のオートバイレースで使用されている外装と同等の素材や工法により、全て日本国内で生産されるという。



Naps Sports責任者であるナップス営業部の松倉氏は、アルティメットスポーツというブランド・コンセプトに合うグローバルに通用するモデルとしてハヤブサがラインアップのひとつになったと語る。
Naps Sportsとしてはデザインも性能の一つと捉えており、このカーボン外装の車両は純正に比べ40%ほど軽量化を実現。ハヤブサのイメージを残しつつ、要所要所にオリジナルのデザインを施している。MotoGPをはじめをする世界選手権で使われている技術を公道走行できるレベルに落とし込んでいるという。
さらに今後は、パーツが欠品して乗り続けるのが難しい絶版車をサポートするビンテージ・ラインも検討しているそうだ。

パートナー企業と組んで環境問題に取り組むプロジェクト、Naps+E(ナップス・プラスイー)
Naps+Eはユーザーがパートナーシップ企業の商品を購入することでSDGsにつながるインフラ作りを進める新プロジェクト。日本のバイク文化を守り、バイクという趣味を次世代に継承できるようにするのが大きな目的のひとつであるという。
具体的な施策としては、カンボジアへの中古ヘルメット等の国際的物資支援、次世代のライダーとなる子どもたちへの安全啓蒙活動、オートバイ用品のロングユースを実現するインフラの構築、二輪EVモビリティシフトの業界全体での促進、寄付活動を通じた社会貢献などを推進していく。
ハイエンドなカスタムパーツの開発・販売と、変化を余儀なくされる環境問題への取り組みという注目度の高いプロジェクトを立ち上げたナップス。ライダーとしてなじみ深いブランドが多く関わるだけに、今後の動向に注目したい。


Naps+Eプロジェクト パートナー企業(順不同)
株式会社デイトナ
東部商事株式会社
有限会社スペシャルパーツ忠男
株式会社カドヤ
株式会社谷尾商会
株式会社サイン・ハウス
株式会社レイト商会
株式会社ビクトリーキス
株式会社ウインズジャパン
株式会社日本ビート工業
株式会社アールエスタイチ
株式会社アップガレージ
株式会社フォーシーズンズ
グローブライド株式会社
株式会社アールズ・ギア
ブリヂストンモーターサイクルタイヤ株式会社
株式会社コーケン
株式会社和光ケミカル
株式会社アクティブ
RIDEZ株式会社
岡田商事株式会社
株式会社ゴールドウイン
株式会社ワイズギア
株式会社山城
株式会社ウィングローブ
有限会社ジェーアンブル
株式会社ヒョウドウプロダクツ
株式会社オージーケーカブト
株式会社SHOEI
株式会社アライヘルメット
タナックス株式会社
日本ハイドロシステム工業株式会社
株式会社JMC
MOTUL Japan株式会社
株式会社デグナー
日本特殊陶業株式会社
有限会社カラーズインターナショナル
株式会社日本ビート工業
ピレリジャパン株式会社
広島化成株式会社
株式会社ヨシムラジャパン
レポート&写真●モーターサイクリスト編集部
○ナップス
https://naps.co.jp/