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道の日の由来
1920年(大正9年)8月10日に日本最初の道路整備改良計画が始まったことと、8月は「道路ふれあい月間」(制定時は「道路をまもる月間」)なことに由来して、建設省(現在の国土交通省)が1986年(昭和61年)度にこの日を「道の日」と制定しました。
道路は私たちの生活に欠くことができない基本的なインフラですが、身近すぎるためにその大切さなどは見過ごされがちです。道路の意義や重要性を、多くの人に理解と関心をもってもらうために道の日は定められたものだそうです。
ちなみに日本の特色ある道路を選定した「日本の道100選」も道の日制定記念として1986年度と1987年度に決められました。
日本に道路はどのくらいあるの?
国交省が発行する道路統計年報2021によると、日本の道路の総延長は2020年3月31日現在で128万1793.6km。この数字の内訳は高速道路が9231.7km、一般国道が6万6123.5km、都道府県道が14万2847.8km、市町村道が106万3590.6kmとなっています。この数字には林道や農道など、道路法に含まれない道はカウントされていないので、日本の道は128万1793.6km以上あることは確実でしょう。
道の日記念「この3ケタ国道がスゴい」
新潟県〜長野県・国道405号「ふたつの名山に挟まれた急峻ルート」
新潟県の津南町を通る国道117号から平家の落人伝説もある秘境、秋山郷へと延びる道がこの3ケタ国道だ。津南から長野県栄村の切明まで約31km。しばらくは2車線区間が続くが、集落が途絶えてからはセンターラインのない1車線強の狭い幅員となり、中津川沿いをクネクネと縫う。アップダウンが激しい区間や、回り込んだブラインドコーナーが続くところもある。東の苗場山、西の鳥甲山に挟まれた急峻で狭小な地域で深山幽谷の趣がある。また、若葉や紅葉のシーズン以外の平日なら交通量は少なく、マイペースで気持ちよく、のんびり走ることができる。切明から雑魚川沿いの舗装林道を進めば、やがて志賀〜国道292号に至る。
岐阜県〜福井県・国道417号「谷間を縫うカーブの連続にお腹一杯」
岐阜県大垣市と福井県河野村とを結ぶ国道だが、途中の県境付近は未完成で狭く曲がりくねってはいるものの舗装済の林道でつながっている。大垣市側から北上するのもいいが、より山道を楽しみたければ琵琶湖北岸付近の木の本から国道303号を経由するのがいい。比較的交通量も少なく曲がりくねった道がのどかな雰囲気を漂わせているからだ。横山ダムからはますます人の気配も少なくなり、巨大な徳山ダムサイトに沿った、まだ新しい取り付け道路が新鮮な表情を感じさせる。工事中の国道の迂回路である林道は大きく口を開けた谷間を縫うようにクネクネと登っていく。ペースを上げるのは難しいが冠山をはじめ、深山幽谷とした風景もたっぷり楽しめる。
静岡県〜長野県・国道152号「キツい勾配もあり走りごたえ十分」
一本の道をひたすら追うのはバイク旅の定番ではあるが、国道152号はその愉快さでトップクラスであろう。浜松市内から南&中央アルプスの間をくぐり抜け、八ヶ岳を超え、長野県上田市大屋に至る。直線路や緩やかにうねる田園風景もあるが、屈曲路もしこたま展開。またこの道、国道番号が時々消滅する。おおむね道なりに進めば突破できるのだが、ハイライトと言えるのが飯田市南信濃木沢あたりから下栗の里へと駆けあがる急峻な登りだ。その先の2000m級の尾根道から大鹿村へと抜けるワインディングも素晴らしい。景色も天下一品だが、僕にはもうひとつの思い出がある。こんな複雑で時に狭路で距離も長いルートにて、20名以上の団体旅を完成させたことだ。
*当記事はモーターサイクリスト2016年4月号「ワインディングニッポン」の内容を一部抜粋して掲載しました
レポート●飯田康博/モーサイ編集部 写真●飯田康博/モーサイ編集部