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発売延期となっていたスズキ GSX-R125とGSX-S125は7月に発売決定
新型コロナウイルスによる世界的な物流の混乱、同じく世界的な半導体不足によって様々な工業製品が影響を受けている。
バイクに関しても「新車が買えない」「契約はしたが納車日は当面先に……」という声が多く聞かれる。
そもそも発売延期とされた車種もある。
当初4月に発売予定だった2022年モデルのスズキ GSX-R125 ABSとGSX-S125 ABSは「生産の遅れにより当面延期」となってしまった。
しかし、GSX-R125 ABSが7月26日、GSX-S125 ABSが7月22日と改めて発売日が決定。2022年モデルの改良点は2車ともに、令和2年国内排出ガス規制への対応、車体色の刷新、アンダーカウル形状の変更で、価格はGSX-R125 ABSが45万3200円、GSX-S125 ABSが42万200円となっている。
スズキ GSX-R125 ABS主要諸元
[エンジン・性能]
種類:水冷4サイクル単気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:62.0mm×41.2mm 総排気量:124cc 最高出力:11kW(15ps)/1万500rpm 最大トルク:11Nm(1.1kgm)/8500rpm 燃料タンク容量:11L 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2000 全幅:700 全高:1070 ホイールベース:1300 シート高:785(各mm) 車両重量:137kg タイヤサイズ:F90/80-17 R130/70-17
[車体色]
トリトンブルーメタリック、ストロンガーレッド/タイタンブラック、タイタンブラック
[価格]
45万3200円
スズキ GSX-S125 ABS主要諸元
[エンジン・性能]
種類:水冷4サイクル単気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:62.0mm×41.2mm 総排気量:124cc 最高出力:11kW(15ps)/1万500rpm 最大トルク:11Nm(1.1kgm)/8500rpm 燃料タンク容量:11L 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2000 全幅:745 全高:1035 ホイールベース:1300 シート高:785(各mm) 車両重量:135kg タイヤサイズ:F90/80-17 R130/70-17
[車体色]
トリトンブルーメタリック/タイタンブラック、タイタンブラック
[価格]
42万200円
ホンダはダックス125が発売延期、レブルやハンターカブなど9車種が受注一時停止に
ホンダにも発売延期となった車種がある。2022年3月の大阪・東京モーターサイクルショーで初披露され、大いに話題となったダックス125である。こちらは7月21日発売予定だったものの「当面発売を延期」。発売日は決まり次第改めて発表されるとのことだが……。
また発売延期ではないが、受注一時停止が公表された(2022年7月6日時点)車種もある。
物流の混乱や半導体不足もさることながら、令和2年国内排出ガス規制に適用しなければならないのも要因となっている(*)。
受注一時停止の車種はCT125・ハンターカブ、モンキー125、グロム、ADV150、レブル250、CRF250L、CRF250ラリー、フォルツァ、レブル1100の9車。
受注再開についてはホンダ公式ウェブサイトや正規販売店から案内されるという。
*新型車は2020年12月からだが、継続生産車は2022年11月から適用開始。なお、原付一種は2025年11月から。
「海外生産だから物が届かない」とは限らない
スズキのGSX-R125 ABSとGSX-S125 ABSはインドネシア生産、ホンダ ダックス125はタイ生産。また、ホンダの受注一時停止となった車種はレブル1100を除くとすべてタイ生産だ。
ここで「海外生産だから物が届かないのでは?」と思う人もいるかもしれないが、必ずしもそうではない。
今日、国内生産の車両でも世界各国の部品が用いられている(これはバイクに限った話ではなく、クルマや他の工業製品などでも同様だ)。極論、ある国から小さな部品が一つ届かなくても車両は完成品にならず、出荷できなくなってしまうのだ。
「新車買えない問題」に関してバイクメーカーを責める声も聞かれるが、こうした事情を踏まえるとそれは筋違いなのがわかるだろう。
半導体はバイクにのみ使うものではないし、海を越えて物を運ぶ輸送コンテナも世界中の様々な業種が取り合いをしているような状況なのだ。
欲しいバイクがあるのに買えない──悲しいことではあるが、消費者としては物流や各生産状況が改善するのを待つしかないだろう。
まとめ●上野茂岐 写真●スズキ/ホンダ