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メグロの工場があった栃木県那須烏山市を「メグロの聖地」に! 特製看板を2022年5月から常設

2021年「メグロキャノンボール烏山」の成功がきっかけ

太平洋戦争末期に、東京からの疎開工場として栃木県烏山に工場を開設していたことをルーツに、地元の有志らによる活動がきっかけとなり、昨年(2021年)11月に「メグロキャノンボール烏山」と題したイベントが開催された。
当初、地元の関係者はメグロが20台も集まれば良いかと想像していたというが、当日は早朝から続々とメグロやバイクファンが──最終的には約80台ものメグロと様々なメーカーのビンテージバイクが集まり、「お帰りなさいメグロの故郷へ」のキャッチフレーズの下、初の試みは望外の盛り上がりをみせた。

このイベントの成功を受け那須烏山市観光協会は、2022年現在メグロの商標を持つカワサキモータースに、イベントの報告とともに「ここをメグロの聖地とすべく、お力貸していただけないか?」と相談を行った。
カワサキでは2021年2月にW800シリーズにメグロの名を冠した「MEGURO K3」を発売しており、この試みがメグロブランドの訴求にもつながると歓遇し、両者の会合が複数回行われた。その成果の一つとして2022年の始めには、MEGURO K3発売時に制作されたメグロ看板が那須烏山市に寄贈展示される話がまとまった。

この「メグロ看板」はMEGURO K3のプロモーション用に造られた一品物で、かつてのメグロとカワサキの歴史を結びつけ、W800シリーズ究極のモデルを印象付けることに成功したアート作品とも言える物。MEGURO K3のwebサイトやPR動画で見覚えのある方も多いだろう。

メグロ看板のある山あげ会館ロビー横には、メグロに関する展示コーナーも設けられている。パネル左側のメグロ烏山工場に関する写真は、元阿久津工場長のご家族から提供されたもの。
撮影年代は不明だが往時のメグロ烏山工場全景。工場は斜面を切り開いた地にあり、右端に見える通路は現在でも残る工場への出入り口である。奥に那珂川、左後方に烏山旧市街が見える。
工場内加工棟の作業風景。当時メグロの工場は憧れの職場だったと伝えられている。高齢にはなられているが、現在でも市内には当時の社員が複数名いらっしゃるそうだ。
かつてのメグロ工場と同じ場所で操業するムロコーポレーションの烏山工場。同社は自動車部品の製造を中心に行い、カワサキのオートバイ用にも部品の供給を行っている。

貴重なZ3、Z5も! 「メグロの聖地」に再びメグロが集合

2022年5月28日には那須烏山市の中心部にある山あげ会館で、寄贈されたメグロ看板の除幕式が行われた。11時の除幕式を前に関東圏を中心に遠くは新潟県からもメグロが集まり、その数は25台を超えた。中には希少車も多く、2台のZ3(1952年:500cc単気筒)や2台のZ5(1954年:500cc単気筒)など、通常のクラシックバイクイベントでも1台見られれば有難いと思えるほどのモデルが複数並んだことには驚いた。

更にカワサキモータースからも所有のメグロK2(500cc並列2気筒)、メグロS2(250cc単気筒)と、現行車であるMEGURO K3(800cc並列2気筒)が持ち込まれ、除幕式に彩りを加えた。式辞の中で川俣純子市長は、多くの若者がメグロに関心を持って乗り継いでいることに感謝を述べ、由緒あるこの地に多くの協力の結果、メグロのモニュメントが完成したと宣言した。
関係者らによる除幕を終えると、早速この看板の前で愛車と共に記念撮影を行うメグロライダーやギャラリーが見られ、あえて駐車場に面した屋外にこの看板を設置した理由が、自ずと伝わっていたようだ。

今後はこのモニュメントと歴史的背景を生かした街づくり事業を進めるとのこと。2021年に続く第2回メグロキャノンボール烏山を2022年11月上旬(5日か6日に開催の可能性が高い)に計画するほか、メグロ資料館の設立も考えているという。
また、穏やかな高低差で緑と水に恵まれて隣接する県道64号(宇都宮向田線)を「メグロ街道」と名付け、地域施設と連携したツーリングロードにするプランもあるというから今後が楽しみだ。
観光協会によれば、これらはコアなメグロファンのみならず、より多くのライダーを視野に入れて展開する考えとのことなので、今後も那須烏山市の動向に注目したい。

今回の除幕式を聞きつけ熱心なメグロファンが会場に集まった。手前の車両は福島県から駆け付けた、現在でも名車として人気の高い500cc単気筒のスタミナZ7。
除幕されたメグロ看板は高さ2.8m、 幅4.5mで迫力満点。除幕にはかつて工場長だった阿久津幸平さんのご家族も加わり歴史的意義も深まった。
式典終了後は参加者が愛車と共に記念撮影。看板は防水加工された専用ケースに収められているので、ツーリングで立ち寄ったライダーが自由に記念撮影を行えるベストなロケーションだ。
栃木県から来場したメグロZ3(1952年:500cc単気筒)。当時のオリジナルペイイントが多く残る極めて貴重な車両。戦前に誕生したメグロ製500ccエンジンの形態を多く残し、単気筒ながら2ポートのヘッドなどが大きな特徴。Z3は1952年の1年間だけに1118台が生産されたと記録に残る。
カワサキモータースが持ち込んだジュニアS2(1954年:250cc単気筒)。次モデルのS3は3万台以上を生産したベストセラーだが、S2は現存も少なく貴重。更にこの展示車はメーカーによりカットモデル化された他では見ることのできない珍しい車両。
当日はメグロ以外にも50台近いオートバイと約300人が会場を埋めた。地元関係者の間では11月の第2回メグロキャノンボール烏山に2021年以上のコンテンツを企画するとの意気込みなので、今から楽しみだ。
この地域では江戸時代から和紙の産地として名を馳せており、当日の来場者には烏山和紙にメグロ看板記念スタンプを押すサービスも行われ好評を博していた。
栃木県那須郡那珂川町の佐原自動車は、自社が保有するイベント用「こくばんくるま」にこの除幕式用イラストを板書(黒板に書く)して会場を盛り上げた。この「こくばん」は車の全面が使われ、全ての面を書き上げる熱意と労力には驚くばかり。

レポート●上屋 博 写真●上屋 博/(一社)那須烏山市観光協会

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■CONTACT
(一社)那須烏山市観光協会 TEL 0287-84-1977
https://yamaage.3g-kizuna.jp/machinaka/

山あげ会館 TEL 0287-84-1977 栃木県那須烏山市金井2-5-26

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