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タイヤの空気圧とスリップサインは常々気にかけておきましょう!
毎年4月8日はタイヤの日です。この日は社団法人・日本自動車タイヤ協会が2000年に制定したもので、4月は春の交通安全運動(令和4年は4月6日〜15日)が行なわれる月であり、8は「輪」をイメージさせることがその理由となっているそうです。
2020年度のJAFの出動理由統計(バイク)によると、バッテリー上がりに次いで多いのがタイヤのトラブル。その数は9327件にものぼっていて、JAFでも月1回のタイヤエア圧の点検を推奨しています。
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バイクの場合、スイングアームやチェーンカバーなどにその車両の指定空気圧を示したステッカーが貼ってあります。その数値を基準にエアポンプとエアゲージを使って指定値に調整するのですが、気をつけなければいけないのが、ここに書かれた数値は冷間時、つまりタイヤが冷えているときのものだということです。
近所を走ってガソリンスタンドで給油のついでにエアも補充……といった程度であれば問題ありませんが、長い時間高速道路を走ってSAでエアを補充というようなときはこの数値は参考になりません。
走行前に点検できるよう、できれば自宅にエアポンプやエアゲージは揃えておきたいですね。

そしてタイヤのスリップサインも忘れずに確認しておきたいことです。
タイヤ側面には5〜8ヵ所程度、三角形の印がついていて、その延長線上のトレッド面に溝が浅くなった部分があります。これがスリップサインで、この浅くなった部分がトレッド面に露出し、平らなところとつながってしまったら残りの溝の深さは0.8mm(道路運送車両法に定められた最低溝深さ)しかありません。
つまり、このサインがタイヤの表面に出てくる前にタイヤを交換しないと違反になってしまうのです。実は昔、筆者はスリップサインが出たままのタイヤでバイクに乗っていて、青切符を切られた経験があります。信号待ちで白バイに後ろにつかれて、青信号のあと交差点を過ぎたところで止められました。
切符には「整備不良・スベリ止めなし」と書かれ、バイクにシールまで貼られました。
以来、スリップサインの露出をとても注意を払うようになりました。



もっと知りたいタイヤトリビア「日本初のミシュランは?二輪車初のラジアルは?」
羽田空港と浜松町を結ぶ、1964年に開業した東京モノレールはコンクリート製の軌道を空気入りゴムタイヤで挟み込んで進む方式を採用していますが、ミシュランタイヤの日本初進出はこの路線に採用されたことからです。同じようにゴムタイヤで走るパリの地下鉄など、すでに鉄道での実績があったため採用がすんなり決まったという話があります。
なお、ミシュランが日本で乗用車用タイヤを日本で売り出したのは1965年からでした。

そしてミシュランといえば、世界で初めてラジアルタイヤの実用化に成功したメーカーです。その歴史は古く、1951年にランチア アウレリアに純正装着され、その後はトラック用、建設重機用などラジアルタイヤはその活躍の場を広げていきます。
ちなみに市販二輪車でラジアルタイヤを純正で初採用したのは1983年のヤマハ XJ750D-IIです(こちらはダンロップ製ラジアル)。
レースの世界ではこれより先にトライアルマシンでラジアルタイヤは使われていて、エディ・ルジャーン選手が乗ったホンダ RS360Tはミシュランラジアルを履き、1982年〜1984年のトライアル世界選手権において、3年連続の個人タイトルとマニュファクチャラータイトルを獲得しています。



レポート●飯田康博 写真●八重洲出版/飯田康博