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実写版『東京リベンジャーズ』興行収入7億円!! 主人公・花垣武道が乗っている「バブ」ことホークCB250Tってどんなバイク?

2017年から「週間少年マガジン」(講談社)で連載を開始した人気マンガ『東京リベンジャーズ』。
2021年7月9日からは北村匠海、吉沢亮、山田裕貴、杉野遥亮、間宮祥太朗、鈴木伸之、眞栄田郷敦、清水尋也、磯村勇斗、今田美桜など人気若手俳優を多数起用した実写版映画が公開され、7月10日(土)、11日(日)の週末2日間で観客動員38万6000人、興行収入5億2800万円、公開初日となった9日(金)と合わせると観客動員数50万人、興業収入7億円に迫り、国内映画ランキング初登場1位を獲得しました。

『東京リベンジャーズ』はヤンキー文化を題材としており、かつタイムトラベル要素(と言ってもスリップするのは2005年の世界なのですが)のあるストーリーであることから、本作には70年代〜80年代のいわゆる「旧車」が数多く登場します。

原作者の和久井 健さんが映画公開に向けて製作した描き下ろしイラスト。イラスト中央に立つ、金髪の男が主人公・花垣武道(はながきたけみち)、主人公の右上に描かれた桃色の長髪の男が「無敵のマイキー」こと佐野万次郎。

中でも主人公・花垣武道(はながきたけみち)、さらに物語のキーマンのひとりである「無敵のマイキー」こと佐野万次郎(さのまんじろう)は、ともにホンダ ホークCB250T(通称バブ)を愛機としています。作中での存在感を放っているホンダ ホークCB250Tとはどのようなバイクなのでしょうか。この記事では車両の歴史のほか、なぜ通称が「バブ」というのかなど、ホンダ ホークCB250Tについて紹介していきたいと思います。

「バブ」の正式名称はホンダ ホークCB250T

作中でもよく「バブ」と呼ばれている花垣、佐野のバイクですが、正式名称はホークCB250Tといいます。

1977年に登場した初代ホークCB250T。エンジンは空冷4ストローク並列2気筒OHC3バルブで、排気量は249cc、最高出力は26馬力。発売当時の価格は29万9000円。

1977年に登場したホークCB250Tですが、翌1978年には早くもモデルチェンジが行われます。外観上の大きな変更点としては、タンクが少し角張った形となり、ホイールがスポークホイールからキャストホイールに変更されました。

花垣武道と「無敵のマイキー」が乗っているのは2代目ホークCB250T

1978年にモデルチェンジした後の2代目ホークCB250T。エンジンは空冷4ストローク並列2気筒OHC3バルブ、排気量は249cc、最高出力は26馬力。発売当時の価格は30万9000円。

『東京リベンジャーズ』の原作で主人公・花垣武道、「無敵のマイキー」こと佐野万次郎がバイクに乗っているシーンをよく見ると、2車ともに少し角張ったタンク形状で、ホイールはキャストホイールとなっているので、2人が乗っているのはモデルチェンジ後の2代目ですね。

ホークCB250Tが「バブ」と呼ばれるのはその排気音から

ホークCB250Tは昨今多くのライダーから「バブ」というあだ名で呼ばれています。こう呼ばれるようになった由来はCB250Tの排気音が「バブーーーーーッ!!」と聞こえるから……というシンプルな理由のようです。

アクセルを開けると「バーーー」、戻すと「ブーーー」という音がしたとのことで、この音の差を使って停車中にリズムを奏でる、いわゆる「コール」を切りやすいバイクだったようです。

実際『東京リベンジャーズ』の作中でも「無敵のマイキー」こと佐野万次郎がバイクに乗って駆けつける際の効果音には「バブーーーー」や「バンブーババンブー」「バーーブーー」という擬音が使われており、この音が聞こえると「無敵のマイキーが来た=抗争に勝てる!!」と考えた仲間が喜ぶ……いうエピソードがあります。

ちなみに、ホークCB250Tが新車で販売されていた時代を知る人によると、当時は「バブ」という呼び方はあまり使われていなかったようで、丸みのあるタンク形状から初代は「やかん」と呼ばれたり、2代目はスピード感もそれほどなく、少々ボッテリしたデザインになったこともあって「ポーク」などと呼ばれていたとか──。
「バブという風に呼ばれだしたのは90年代くらいからではないか」とのことでした。

兄弟車にはホークII CB400Tなどがある

ホークシリーズには1978年に登場した「ホークII CB400T」から始まる、400ccの兄弟車も設定されました。

1978年当時の400ccクラスは、4ストロークは2気筒がメインでヤマハのGX400が37馬力/スズキのGS400が37馬力/カワサキのZ400が36馬力、2ストロークでは3気筒のカワサキ KH400が38馬力/3気筒のスズキ GT380が38馬力……という勢力図のなかで、ホークII CB400Tは40馬力を発揮。

1996年9月の免許制度改正まで、大型二輪に乗るための免許は教習所では取得できず非常にハードルが高いものでした。そのため400ccが多くのライダーにとって現実的な最大排気量だったこともあり、同クラスでトップのパワーを誇ったホークII CB400Tはヒットモデルとなりました。

さらに一部の教習所では教習車としても採用され、当時のライダーなら一度は名前を聞いたことのある高い知名度を獲得したのです。

1978年に登場したホークII CB400T。エンジンは空冷4ストローク並列2気筒OHC3バルブ、排気量は395cc、最高出力は40馬力。発売当時の価格は31万9000円。

ホークII CB400TとホークCB250Tのヒットを受けて、ホークシリーズは80年代に入るまでモデルチェンジを行いながら販売が続けられました。
1978年にホークIII CB400N、1979年にホークCB250Nが、1980年には「CB」の名が外れて250ccは「スーパーホーク」、400ccは「スーパーホークIII」へと発展していったのです。

1978年に登場したホークIII CB400N。エンジンは空冷4ストローク並列2気筒OHC3バルブ、排気量は395cc、最高出力40馬力、発売当時の価格は34万9000円。
1979年に登場したホークCB250N。エンジンは空冷4ストローク並列2気筒OHC3バルブ、排気量は249cc、最高出力26馬力、発売当時の価格は33万9000円。
1980年に登場したスーパーホーク。エンジンは空冷4ストローク並列2気筒OHC3バルブ、排気量は249cc、最高出力26馬力、発売当時の価格は36万8000円。
1980年に登場したスーパーホークIII。エンジンは空冷4ストローク並列2気筒OHC3バルブ、排気量は395cc、最高出力40馬力、発売当時の価格は39万8000円。

ホンダ ホークCB250T主要諸元(2代目)

[エンジン・性能]
種類:空冷4サイクルOHC2気筒 ボア・ストローク:62.0mm×41.4mm 総排気量:249cc 最高出力:26ps/1万rpm 最大トルク:2.0kgm/8500rpm 変速機:常時噛合式5段
[寸法・重量]
全長:2135 全幅:840 全高:1170 ホイールベース:1395 シート高──(各mm) タイヤサイズ:F3.60S18-4PR R4.10S18-4PR 車両重量:180kg 燃料タンク容量:13L
[価格]
発売当時30万9000円

レポート●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●ホンダ、(C)和久井健/講談社 (C)2020 映画「東京リベンジャーズ」製作委員会

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