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クルマに続き認可されたバイクの「デイタイムランニングライト」、ヘッドライトとの違いやメリットは?

バイクでDRLが認可されたのは2020年9月

バイクやクルマの装備に関して、2020年ごろから「DRL」というアルファベットを見かける機会が増えています。
これは「デイタイム・ランニング・ランプ(もしくはライト)」の略称で、日本語では「昼間走行灯」といいます。

ヨーロッパでは1970年代に生まれたDRLですが、日本で普及し始めたのは比較的最近です。というのも、クルマのほうが先行して認可されたのですが、それも2016年10月の保安基準からなのです。
つまり、それ以前は日本でDRL装着車を走らせることは違法でした。欧州では昼間の被視認性(見つけてもらいやすくすること)を高める装備として実績あるDRLが日本では違法……という不自然な状況はこのとき解消されたのでした。

そして2017年8月にはドイツのプレミアムブランド「アウディ」が日本で初めて全ラインナップにDRLを標準装備するなど一気に普及フェイズに入りました。今では軽自動車にもDRLは標準装備される時代になっています。

2020年後半にフルモデルチェンジしたホンダ N-ONE。軽自動車でデイタイムランニングライトを採用したのは同車が初となる。
ホンダ N-ONEは、ヘッドライトの周囲にリング状LEDのデイタイムランニングライトを装備。
ホンダ N-ONEのデイタイムランニングライトはオレンジ色にも輝き、ウインカーやハザードとしても機能(左)。右はヘッドライトを点灯時の状態。
日産GT-Rニスモに装備されている「LEDハイパーデイライト」(赤丸の部分)。ヘッドライトユニット内にあるライン状のLEDは車幅灯。

一方で、バイクにおいてDRLが認可されるようになったのは2020年9月のことです。国際基準に合わせた保安基準の改正概要は次のようになっています。

他の交通からの被視認性の向上のため、二輪自動車には、「二輪自動車等の灯火器等の取り付けに係る協定規則(UN-R53)」の要件に適合する昼間走行灯(DRL)を備えることができることとし、また車幅灯及び側方反射器を備えなければならないこととします。


国土交通省 令和2年度 第1回車両安全対策検討会 令和2年7月7日
「6-1.二輪自動車に備える昼間走行灯等(UN-R53 関係)」資料 https://www.mlit.go.jp/common/001352344.pdf

しかし、日本においてバイクはヘッドライトの常時点灯が義務付けられていて、ほとんどのバイクはヘッドライトオフができないようになっています。ヘッドライトの常時点灯よりDRLが有利な面はあるのでしょうか。

国土交通省の示すDRLの主な要件は以下の3点となっています。

  • DRLが備付けられている場合、エンジンの作動中は、DRL又は前照灯のいずれかが常に点灯(DRLが備付けられていない場合は前照灯が常に点灯)していること。
  • 前照灯とDRLは同時には点灯しないこと。
  • DRLは周囲の明るさに応じて自動的にすれ違い用前照灯に切り替わること(ただしDRLの最大光度が700cd以下の場合は、手動による切替えであってもよい)。

ヘッドライトの常時点灯との違いは

整理すると、DRLとヘッドライト(前照灯)の同時点灯はNGで、昼間はDRL、暗くなったらヘッドライトという風に「自動的」に切り替わる機能が必要となっています。

国内販売されるホンダ車でデイタイムランニングライト採用第1号車となった2021年型X-ADV。
ホンダX-ADVのデイタイムランニングライトのみが点灯している状態。
ホンダX-ADVのヘッドライトON(ロービーム)の状態。写真ではわかりづらいかもしれいが、デイタイムランニングライトはポジションライトの明るさまで減光されている。
ホンダX-ADVのヘッドライトONで、ハイビームの状態。ロービーム時と同じくデイタイムランニングライトはポジションライトの明るさまで減光されている。
2021年5月29日に発売されるドゥカティの新型スーパースポーツ950シリーズ。従来型からデイタイムランニングライトは装備されていたが、日本仕様は認可前だったのでデイタイムランニングライトは機能しなかった。
ドゥカティの新型スーパースポーツ950シリーズのデイタイムランニングライト(デイタイムランニングライトのみ点灯の状態)。

ヘッドライトの常時点灯に追加するわけではありませんから、より被視認性が上がるということは考えづらいでしょう。実際、明るさだけでいえばDRLは1440カンデラ以下と規定されています。おおよそ3万~5万カンデラはあるヘッドライトのほうが圧倒的に明るいのです。

ただし、ヘッドライトは基本的に夜間に前方を照らすものとしてデザインされています。しかしDRLは昼間に被視認性を上げることを最優先にしています。そうなると配置も変わりますし、表現も異なってきます。実際問題としてクルマで比べると、ヘッドライトの点灯よりもDRLのほうが昼間の視認性としては広い角度からクリアに見える傾向にあります。

また、DRLは1440カンデラ以下の明るさということは消費電力も少なくて済むということになります。ヘッドライトの常時点灯はバッテリー負担が少なくありませんし、発電はエンジンを回して行なっているわけですから長い目でみるとDRLのほうが燃費にも有利といえます。
昼間だけでもDRLに置換できるということはわずかな話ですが、CO2の排出量的にも低減につながるわけです。

DRLのメリットは何があるのか?

もっと大きなメリットは意匠という意味でのデザイン面の自由度が上がることです。ヘッドライトの常時点灯では、車種よっては左右に分かれているヘッドライトの片側だけが点灯状態になっていて、どうにも走っている姿のバランスが悪いという見方もあります。
しかしDRLにすれば、スタイリングをより引き立てることができます。ようは「映える」のです。

というわけで、DRLのメリットとしては消費電力を減らせること、そして「映える」スタイリングにできることの2点があげられます。

デメリットとしては、ヘッドライトとの自動切り替え機能が必要になるなどコストアップにつながる……ということが考えられますが、カッコよくなるのであれば多少のコストは許容できるというファンからすれば、そこまで大きなネガにはならないでしょう。

車幅灯とは同じなのか?違うのか?

ところで、DRLを認可する保安基準の改正時には「車幅灯」と「側方反射器」義務化も発表されています。こちらは義務化ですから、新型車には必須の装備となるわけです。

一部にはDRLと車幅灯を同一視しているライダーもいるようですが、車幅灯というのは方向指示器(ウインカー)と兼用で点灯するものであって、DRLとは違う灯火類です。
こちらについては、すでに保安基準は存在していたので、国産でも装着車は多く、いまさら義務化になったといっても驚くほどではないでしょう。

ただし、原付二種など安価なモデルでは非装着車も少なくありません。
新型車において車幅灯の義務化がスタートする2023年9月以降は、廉価モデルのコストがわずかにアップすることは間違いないでしょうが、それが売価に大きく反映されるかといえば、そうは考えづらいのも事実です。

現行型ホンダ NC750Xの車幅灯(ウインカー兼用)。

同時に認可された側方反射器は義務化

また、側方反射器というのはフロントフォークやリアフェンダーの側面につける反射板のことです。
海外仕様のモデルではフロントフォークのところにオレンジ色の反射板がついているのを見かけることもあるでしょう。すでに欧州では義務化となっている側方反射器も、車幅灯と同様に2023年9月以降に発売となる新型車においては義務化となります。ちなみに、後ろの反射器は赤色となっています。

側方反射器は現在は義務化されていないが、海外仕様との統一から国内販売モデルでも装備されているケースがある。写真は国内販売モデルのカワサキ ニンジャZX-6R。後方の反射器は赤色。

こちらもグローバルでの仕様統一ということで、日本仕様であってもすでに標準装備しているモデルはあります。ユーザーとしても、自然となじんでいくのではないでしょうか。
一部のモデルではフロントフォークの反射器が「逆輸入車」の識別ポイントとなったり、海外仕様っぽいカスタムを楽しむユーザーもいたりするので、残念に思う人もいるかもしれませんが……。

そうそうカスタムといえば、「DRLは周囲の明るさに応じて自動的にすれ違い用前照灯に切り替わること」とあるように、自動的切り替え機能/調光機能が無い限りDRLとヘッドライトの同時点灯は保安基準でNG。ヘッドライトの仕様はそのままにDRLを追加するのはNGですので、お気をつけあれ──。

レポート●山本晋也 写真●柴田直行/ホンダ/日産/ドゥカティ/カワサキ

2021年5月28日追記:同じ文章が2回入っている点など、訂正を行いました。

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