Cエボリューションには吊るしで「白バイ仕様」が用意されていた
警視庁が日本で初めてとなる電動白バイ「E-WING」(イーウイング)を採用し、3月1日、東京マラソン2020の先導車として初お披露目されましたが、そのベース車となったのはBMWの電動スクーター・Cエボリューションです。
ちなみにCエボリューションは日本以外でも警察車両として採用されており、2015年、スペインのバルセロナ市で30台という数が一気に納入されています。排出ガス削減も目的のひとつですが、「充電ポイントの増設に繋げ、レンタルEV車の普及を推進させるため」というのが、30台というまとまった数を採用した大きな理由でした。
また、同じく2015年にはイタリアのサルデーニャ島で15台が採用されたほか、イタリア州警察にも6台が採用されています。
BMWはメーカー自ら警察仕様のベース車(BMWは「オーソリティ・デザイン」あるいは「オーソリティ・ビークル」と呼んでいます)を用意することでも有名で、150カ国以上の国々でBMWのバイクが警察車両として活躍しています。R1200RTの採用例が多いものの、F800GT、F700GS、K1600GT、C600スポーツなどの警察仕様車もあります。
じつは、Cエボリューションにも「吊るしの警察仕様車」とも言えるベース車が存在していました。2013年ドイツ・フランクフルトモーターショーでの発表されたCエボリューションですが、さすが各国の警察車両を多数手掛けているBMW、その数ヶ月後に開催された国防・警備などに用いる機器の見本市「2013 ミリポル イン パリ」で早速「Cエボリューション・オーソリティ・デザイン」を公開しているのです。
なお、警視庁の「E-WING」と「吊るしの警察仕様車」と言えるCエボリューション・オーソリティ・バージョンを比べてみると、前後の回転灯はよく似ていますが、サイレンの形状は異なるほか、「E-WING」はリヤ側にバンパーを設けていたり、リヤシートにカバーが装着されているなど、大きな相違点もあります。
国によってさまざまな基準があるため(*)、バルセロナ市の警察車両では後部の回転灯が車体左側になっていたり、イタリア州警察の車両ではサイレンがついていなかったりしますし、ある程度カスタマイズが可能なのかもしれませんね。
*一番目立つ部分で言えば回転灯の色ですね。日本の警察の回転灯は赤ですが、ヨーロッパでは青が主流。アメリカ、カナダ、中国、オーストラリア、韓国などは赤&青の混合となっています(アメリカは州によって異なるケースも)。
まとめ●モーサイ編集部 写真●BMW