葛西警察署(東京都江戸川区)では管轄エリア内での二輪事故の増加を受け、安全啓発のため「二輪車事故防止フェアブライター」キャンペーンを開始した。
これは地元の実情をよく知っているバイクショップや教習所などを「二輪車事故防止フェアブライター」に任命し、地域の方々へ向けてプロテクターの普及や安全意識の向上を呼び掛け、安全対策をまとめた冊子を渡すというもの。
任命されたのはモトフィールドドッカーズ東京本店、ホンダドリーム葛西店、KTM TOKYO EAST、葛西橋自動車教習所の4施設で、2月3日に委嘱状の交付式も行われた。

委嘱状を手渡す葛西警察署の半田正浩署長(左奥)と委託状を受け取るホンダドリーム葛西店店長、平野浩久さん(右)。

二輪車事故防止フェアブライター関係者の皆さん。前列中央がホンダドリーム葛西店の平野浩久さん、右隣はモトフィールドドッカーズ東京本店の松岡和也さん。後列の右から2番目の方は葛西橋自動車教習所の吉岡英三さん、その左隣はKTM TOKYO EASTの宮川和久さん。
2019年中に葛西警察署管内では、525件での人身事故が発生し、その内二輪が関係したものは117件。これは都内にある102の警察署の中でもワースト6位に当たる数字である。
加えて最近葛西警察署管内では、右直接触や速度超過による単独事故など、ライダーの死亡事故が多数報告されており、こうした現状を改善のため、このキャンペーンが実施された。

フェアブライターが配る冊子。安全にバイクを楽しむための情報がまとめられている。

「二輪の事故に遭う人をひとりでも減らしたい」と語る半田署長。ご自身もバイク好きでこれまでに10台以上乗り継いできている。
なお「フェアブライター」とは、“広める”を意味するドイツ語の“verbreitet”(フェアブライテット)をもじったもので、「安全意識を広く知らせて欲しい」という思いが込められている。なぜ「ドイツ語なのか」というと、ドイツが二輪車の地だから。

フェアブライターの一角を担うKTM TOKYO EASTのお店の前でライダーへの声かけ活動も実施。
また3日には、委嘱状の交付式だけでなく清砂大橋通りにて、安全啓発のための二輪車ストップ作戦も実施。フェアブライターに任命されたお店の職員や、警視庁のマスコットキャラクターのピーポ君らが道行くライダーへ安全運転を呼び掛けていた。

二輪車ストップ作戦中に配られたポケットティッシュ。これに加えて注意事項をまとめたプリントも同時に配布していた。
2019年中は残念ながら「ワースト6位」となってしまった葛西警察署だが、これをきっかけにバイク事故の減少につながることを祈ってやまない。