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ホンダは電動バイクに本気だ。
PCXエレクトリック登場に続くのはビジネスモデルの2台。
ホンダ得意のスリーターもいよいよ電動モデルの市販予定車が出展される。
report●飯田康博 photo●山内潤也
世界初公開の電動バイク
東京モーターショーでワールドプレミアとなる電動バイク2台。
ベンリィe:はほぼ市販と同じ形ということで世界初公開扱いという。

●市販予定車として登場するのは大型リヤキャリヤ、フットブレーキが標準で装備されたエンジン車で言うところのベンリィプロだ。スイッチ周りから推測すると、リバース機能が追加されていると思われる。後輪ロックができるパーキングブレーキも装備
PCXエレクトリック同様の、電圧48Vのモバイルパワーパック2個を直列につないだ96V系のシステムを使っているようで、電池は共用可能。
一充電あたりの走行距離は未発表だが、PCXで41㎞(60㎞/h定地走行地)なので、測定値が違うこともあり、それ以上のカタログ値は確実だろう。
ジャイロe:は2サイクルエンジン搭載時代に存在した、ジャイロUPの形状を引き継ぐもので、荷台がコーナーリング時も水平を保つタイプだ。
UPは2008年に排ガス規制強化で生産終了となり、その後も4サイクルエンジンで代替機種がなかったことにより、この傾かない荷台を望んでいるユーザーは数多い。
価格や販売方法次第では一気に普及する可能性を秘めたモデルだと言えるだろう。駆動輪が二輪ともなのか、片側だけの駆動なのかは不明だ。

●車名はジャイロだが、車体前半分は上のベンリィe:と共用。スイングユニットから後ろが専用設計となっている。エンジン車同様、停車時に後輪とスイングを一度にロックするパーキングブレーキを装備。低床の荷台部分は8インチホイールのギリギリまで下げられている。こちらもリバース機能があると思われる

●車体は傾いても荷台は水平のまま
タフに使われ、ファンモデル以上に確実性、堅牢性が求められるビジネス車に電動モデルを用意するということはホンダの電動バイクへの自信の現れ。
4月には交換式バッテリーのメーカー間を越えた共用化などを検討するコンソーシアムも創設されている。
本格的な電動バイク普及のきっかけになる機種かもしれない。