目次
※写真はイメージ。交通事故多発交差点とは関係ありません
人身事故低減のため、日本損害保険協会が発表する事故多発交差点マップ
一般社団法人 日本損害保険協会は、交通事故の防止・軽減を目的として、最新の「全国交通事故多発交差点マップ」を公表した。例年この時期に出される事故多発交差点のマップは、人身事故の半数以上が交差点・交差点付近で発生することに着目して発表しているもの。今回は2023年の交通事故データをもとに、全国の地方新聞社の協力を得て作成したもので、都道府県ごとに、人身事故件数の多い5つの交差点について、特徴や主な事故要因・予防策などを紹介している。
また今回の発表では、新たに2種類の情報を追加。ひとつは、登下校中の児童などが巻き込まれる事故が多く発生している状況を鑑み、地域での通学路の交通事故防止対策の参考になるように、ワースト交差点付近の小学校を情報として追加。また、交差点での事故は、半数以上が信号機のない交差点で起こっていることから、地域の安全・安心を検討するにあたり、より具体的な情報として活用してもらえるように、交差点の特徴の中に信号機の有無について追加記載しているという。
2023年(令和5年)の全国ワースト5事故多発交差点
今回の事故多発交差点ワースト1位は、同率で東京都の池袋六ツ又交差点と大阪市の長居交差点となった。以下に、日本損害保険協会が発表した2交差点の特徴や問題点などをご紹介する。
【東京都・池袋六ツ又交差点】
■東京都豊島区内にある池袋六ツ又交差点。池袋駅東口の北側にあり、国道の側道や都道、その他街路などが交わる六叉路。交差点自体が大きいのに加え、その上には首都高、下段に国道と都道の本線が高架で通っており、昼間でも薄暗く、交差点内に橋脚が複数立っているため、見通しが悪いのが特徴。また、それぞれの道に対応する信号があってどれを見たらいいか戸惑いやすいことや、右折時などの停止位置の不明確さ、進む方向のラインが分かりづらいなど、複合的に通過しづらい要因をはらんでいる。
■交差点の形状的特徴
国道254号線と都道(明治通り)が交わる交差点に、南側から都道(音羽池袋線)が、西方向に延びる区道が接続する変則六差路交差点。交差点には、首都高速5号池袋線と池袋六ツ又陸橋の橋脚がある。都道(川越街道・音羽池袋線)は、本交差点を起点に若干カーブしている。
■交差点の運行上の特徴
・本交差点は、信号機による交通整理が行われている。
・区道以外は全方向ともに「直進」「左折」「右折」が可能。
・区道は信号による交通整理が行われておらず、本交差点から西行の一方通行。
・高速道路の橋脚により、横断歩道の見通しが悪い箇所がある。
・本交差点は池袋の繁華街の若干東側に位置しており、車両の交通量は多い。
■この交差点における事故の主な要因とその予防対策
<事故要因>
・前方不注意による出会い頭の事故が多く見られ、六ツ又陸橋上については夜間の信号看過による事故が多い。
・交差点が六差路となっており、複雑な形状であることが大きな要因で、路面に矢印や点線がなく、停止場所や通行場所が分かりづらいことも要因の一つ。
<予防方策>
・交差点付近を通行するときは、右折車、歩行者などに気を配りながら、交差点の状況に応じて安全な速度と方法で進行する。
【大阪市・長居交差点】
■交差点の形状的特徴
国道479号線と府道大阪高石線が交わる四差路交差点で、平坦な直線道路が平面で交差している。
■交差点の運行上の特徴
・交差点には信号がある。
・クルマの交通量は多いものの、比較的スムーズに流れている。
・交差点周辺には長居公園(競技場)やスーパーなどの商業施設があり、特に昼間帯は自転車や歩行者の通行が多くなっている。
・交差点付近にはバス停、タクシー乗り場が設置されているほか、交差点角には大阪メトロ長居駅出入り口などがあり、見通しが悪い交差点となっている。
■この交差点における事故の主な要因とその予防方策
<事故要因>
交差点左折時の安全不確認による横断歩道横断中の自転車との事故や、交差点付近における追突事故が多く発生している。
<予防方策>
交差点を左折するクルマのドライバーは、横断しようとしている自転車や歩行者がいないか安全を確認すること。またしっかりを前方を見て運転し、前方を進行しているクルマの動きに十分注意が必要。
なお、2023(令和5)年の各都道府県の交差点事故発生件数は、以下の数字となっている。
日本損害保険協会の以下のサイトにアクセスすると、各都道府県の情報を閲覧できるようになっている。
https://www.sonpo.or.jp/about/useful/kousaten/
まとめ●モーサイ編集部 資料●一般社団法人 日本損害保険協会
一般社団法人 日本損害保険協会
https://www.sonpo.or.jp/