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「ホンダ・モンキーの宴」貴重な歴代モデル&超絶カスタムが大集合! 第16回モンキーミーティングin多摩レポート

日時●2024年4月28日(日)
場所●東京サマーランド(東京都あきる野市)第2駐車場特設会場
主催●モンキーミーティング事務局

2024年のモンキーミーティングは参加台数500台に迫る大盛況

ミーティング会場は、東京サマーランド第2駐車場内の特設会場。当日受付も可能なため、午前9時のミーティング開始以降もエントリー受付ブースにはモンキー系オーナーが長蛇で並ぶほどの盛況ぶり。

今春一番の暑さに感じる晴天となった4月28日、第16回モンキーミーティングin多摩が開催された。コロナ禍による中断はあったものの、2005年から続いてきた同イベントは、最初はモンキーとゆかりの深い多摩テック(東京都日野市)で開催された。モータースポーツをテーマにした遊園地として1961年に開園した多摩テックだが、モンキーの原型となった遊技用バイク「Z100」がメリーゴーランドで使用されていたという縁があったのだ。しかし多摩テックはレジャーの多様化という時代の流れに抗えず2009年に閉園。その後は東京サマーランドに開催場所が移行している。

モンキーが公道を走れるバイクとして市販されたのは、1967年のモンキーZ50Mからだが、原点のZ100登場からは60年以上、市販モデル登場から半世紀以上の歴史を誇るモンキーゆえに、ファンの裾野は広い。今回のエントリーは492台、前回の2023年よりも盛況だったのは好天のせいだろうか。午前9時開会から、特設会場のスペースは参加者のモンキーたちでどんどん埋まっていった。いや、モンキーだけじゃない。ダックスやゴリラ、シャリィ、GROM、カブもいる……。そう、このミーティングはモンキーのほか、カブ系空冷水平シリンダーエンジンの搭載車両も参加可能なのだ。そんなフランクな立ち位置が、今ミーティングの人気を呼んでいるのかもしれない。

年に1回のミーテイングゆえ、会場では久しぶりの再会で話が弾んだり、精巧なカスタム車のオーナーに質問を投げかけたり、愛車のカスタムアイデアの参考になりそうな出展車がないかと目を凝らす人がいたりと、いつものミーティングの光景がそこかしこに見られた。また、参加者は会場で目を引いた出展車を選ぶコンテストの投票権も持っており、それぞれに気に入った車両を決めていくために、会場内をくまなく散策する。午前中のフリータイムは、そうしてゆったりとした時間が流れていった。

初代モンキーのZ50M(1967年発売/右)と現行モデルのモンキー125(左)。近年の交通事情と東南アジア市場の需要に合わせて車格も排気量も大きく成長したが、愛らしい存在感は不変かもしれない。
特設会場内には、パイロンで仕切られた試乗コースを設置。ショートコースながら、モンキーやダックス、スーパーカブC125などホンダの現行125ccモデルが用意され、体験試乗ができるようになっていた。

愛車とオーナーの熱に引き込まれる「モンキーワールド」の1日

昼のランチサービスを挟んだ後は、会場内のステージでバイクフォーラムを開催。今回は内燃機加工の老舗、井上ボーリングから代表の井上壮太郎さんが登壇。同社が10年以上前から取り組んでいる水素エンジンバイクの話が熱を帯びた。既存の内燃機と同様の構成が維持でき、カーボンニュートラルにも貢献する水素燃料エンジンは、本業の内燃機加工屋の立場として目指すべき未来だと、井上代表の語る姿が印象的だった。

ステージではそのほか、現行のモンキー125を、ホンダの名車CB750F系のフォルムにするTTRモータース開発の「エフモン外装キット」の脱着作業も実演され、簡単に外装を被せてガラッと雰囲気が変わるキットに興味津津の様子だった。

そうして時間はあっという間に流れ、プログラムは最後のメインイベント、コンテストの表彰式を迎えた。人気投票の対象となるのは、参加車の愛車たち。カブ系横型エンジンモデルは、長く販売されてきたため、チューンアップパーツやカスタムパーツも豊富。そして小柄な車格を利していじるのにもスペースを取らない。なんなら屋内に入れて作業できてしまう簡便さから、あちこち手を入れるのも躊躇がないのだろう。

会場を回れば分かるように、バガー風、チョッパー風のほか、CB風からカワサキZ風、ハーレー風など、作業に長けた趣味人が思い思いに仕上げた愛車を見学するのが楽しい。それだけでも、当ミーティングに足を運ぶ価値があるが、投票によるコンテストにはなるほどと思うマシンたちが上位にランクされた。

見て楽しむ、いじって楽しむ、そして独特な走行感が楽しめる小さなレジャーバイクと歩めるモンキーワールドに、足を突っ込んでみたくなる1日だった。

モンキー125にCB750F風に!手軽にカスタムできる外装キット

CB-F系に強いバイカーズショップ「TTRモータース」の出展ブースでは、「エフモン」ことモンキー125用CB-F外装キットをアピール。モンキー125に、既存のタンクを装着したまま被せてテールまでを覆う外装キットは、着せ替え感覚で使用可能。手前の「F-S SLV」(スペンサーカラー)のほか、人気のCB750FB/FC純正仕様などをラインナップ。価格は塗装済み外装で29万7000円(未塗装は18万7000円)。
■TTRモータース TEL048-925-8655 https://bike-ttrm.com/

トークショーのゲストは、井上ボーリング代表の井上壮太郎さん

午後の部は井上ボーリング代表・井上壮太郎さん(写真右)をゲストに迎えてのバイクフォーラムからスタート。カブ系エンジンのICBM®(アルミメッキ化スリーブ)について解説を行った、同社が長年追究している水素エンジンバイクの可能性について熱く語っていた。
■井上ボーリング TEL049-261-5833 https://www.ibg.co.jp/

人気投票ナンバーワンはモンキーではなく、シャリイ!

人気投票でナンバーワンを獲得したのは……なんとシャリィ! 美しくもシックにパープルで塗装されたローダウン仕様(近年の4ミニカスタムの流行か?)のベース車シャリィは、スーパーカブ系横置きエンジンを搭載し乗降性を重視したお買い物バイク。1972年に発売され、1999年に生産終了となった意外な長寿モデルだが、近年カスタムベースとしても高い人気を誇っている模様。

CB750Four風、Z1風、サイドカー……と見るだけでも楽しいモンキーカスタムワールド

ドゥカティ・モンスター風スタイル

ドゥカティ・モンスター風という珍しいカスタム。ワンオフ仕上げの外装ほか、モンキーのSTDフレームを活かしつつ、ガス管パイプを曲げ・溶接加工で付けたトラスフレームが見事。「でもあくまで飾りで剛性メンバーじゃないんです」と語る荒木田裕樹さんは東北の盛岡から愛車をトランポに積んで参加。

高速も走れるモンキー125サイドカー

モンキー125+Mクラフト製カーを組み合わせたサイドカー。原付二種の本車にカーを付けると側車付き軽二輪登録となるので法律上、高速道路の走行も可能だが……。「カー側はほとんど荷物置きで、大体一人で乗っていますが、高速だと90km/h走行は問題ない」と、埼玉から来た伊藤輝男さんは語る。

ハーレー風?のストリートドラッガー

オーナー不在で詳細は不明だが、すごいストリートドラッガー風カスタム。排気量アップ&スペシャルクラッチキットなどで武装のエンジンをダウンフレーム付きのスペシャルなローダウンシャシーに搭載。スイングアーム&前後サスも特別感満載。上下2灯ヘッドライトも異様な迫力だ。

ヨンフォア風スタイル

モンキーヨンフォアレプリカ。車体はCRF50のフレームを加工し、モンキーのリヤフレームに合体。Z50エンジンはボア・ストローク54×54.5として125cc化。早矢仕E2ヘッドに武川のレーシングBカムを組み込み、強化クラッチも入れて武装。軽い車体を生かして本家ヨンフォア凌ぐ走りが可能だったりして!?

モンキーより小さい35ccの「仔猿」も多数参加

モンキーよりさらに小さい「仔猿(こざる)」軍団。CKデザインが開発・製造する同車は、35ccの汎用エンジンをミニマムな車体に搭載したモデルだが、今回の仔猿たちは昭盛工業で各種カスタムパーツ(オプション)を組み込んだもの。これらカスタム版の仔猿たちは、インスタグラムsyousei0467で閲覧できる。

CB750Four風スタイル

CB750Fourフリークのsaiさんは、モンキーも独自の熱意でナナハン化。外装から前後足回りに到るまで、独自にワンオフ製作しナナハン風にこだわった「Z50Four」は左右4本出しマフラーも実際に機能するもの。

saiさんの「Z50Four」。タンク下のすき間が寂しい横型エンジンの対策で、上部にシリンダーを模したオイルクーラーを配置するという凝りよう。製作の模様はWebサイト「saiの趣味日記」でも拝見できる。

カワサキZ1風スタイル

ホンダではなく、カワサキの名車風にカスタムしたモンキーも案外多い。モンキー125ベースを火の玉カラーのZ1風に仕立てたカスタムは、ギュッと凝縮された雰囲気が愛らしい。

ローレプ風スタイル

もうひとつのカワサキ風モンキーは、ゴリラをベースにローソンレプリカ風としたフルカスタム。オイルクーラー2個装着のエンジン、大改造されたフレーム、足回りなど、十分な気合が伝わるフルチューンだ。

チョッパースタイル

従来より大型化したタンクの採用で、俗に「4Lモンキー」と言われるZ50JⅡ(1975年発売)のタンクを装備したカスタム……とはいえ、こちらもオリジナルな部分はタンクとベースエンジンくらい? いい雰囲気にやれたチョッパー風に仕立てるにはフレームも大改造したはずだが、どんな乗り味か興味津々。

懐かしき歴代モンキー&派生モデルにも出会えるのだ

Z100、CZ100、Z50M

手前から多摩テックの遊具として開発されたZ100(1961年登場)、その奥が後に輸出向けに生産されたレジャーバイクCZ100(1963年登場)。ともにC100カブ系OHVを搭載したモンキーの原型。その奥が1967年から国内販売された初代モンキーのZ50M。こちらはOHC化されたC50系エンジンを搭載。

ゴリラ

後発モデルだがモンキーの兄貴分として1978年に登場したゴリラ。モンキーをベースに9Lビッグタンク、固定式ハンドル、肉厚シートなどを専用に装備。会場では、新車かと見紛うほど極上の初代ゴリラを発見。なお同車は1988年に生産終了後、電装を12V化して1998年に復活し、2007年に生産終了。

モンキーバハ

1990年登場の250ccオフモデルXLRバハ(BAJA)の雰囲気を再現したカラーリングとブロックパターンタイヤ、デュアルヘッドライトを採用し、1991年に登場した派生モデル「モンキー・バハ」。オフロードの走破性はともかく、派手なカラーリングと遊びゴコロが楽しくも懐かしい。

モンキーR

これほど多くモンキーR/RTを見る機会も珍しい。レーサーレプリカブーム真っ只中の1987年に登場のモンキーR、そのアップハンドル仕様RT(1988年発売)の特徴は、当時のモンキー系で唯一の前ディスクブレーキ、ツインチューブフレーム、リヤモノショックを採用していること。同車のオーナーは、ミーティングを重ねるごとに結束が深まり、参加台数が増えているとのことで記念の集合写真。

モンキー・くまモンバージョン

ホンダは熊本県菊池郡に二輪生産工場「熊本製作所」を設けているが、その縁で熊本県のPRキャラクター「くまモン」とのコラボモデルをいくつか発売している。この「モンキー・くまモンバージョン」は2014年に発売されたもので、くまモンをイメージさせる黒と赤のカラーリングや専用エンブレムが特徴。

report&photo●モーサイ編集部・阪本

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