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【二輪車販売最前線】2019年上期国内出荷台数は前年比微増 後半戦へ

 2019年1月~6月上期の国内二輪車出荷台数がまとまった。それによると、トータル台数は18.6万台になり、前年同期比でプラス6千台を計上、微増で後半戦に乗り返したことが分かった。

report:田島史郎

 

全体的には微増だが原付第一種販売低下の歯止めがかからず

 昨年の年間出荷台数は前年比微増の36.2万台で終了し、更なる拡大を期待してスタートした2019年の国内二輪車出荷は、前半の1月~6月の累計台数が18.6万台だった。
 前年が18.0万台だったので、プラス6千台=3.6%の増加だったことがわかる。前年より伸びたことは明るいニュースではあるが、期待したほどのプラスが見られなかったことも確かだろう。

★2019年1月~6月 国内出荷台数

原付第一種 原付第二種 軽二輪車 小型二輪車 合計
2019年 87,392 49,449 26,657 22,944 186,442
2018年 88,330 45,353 26,019 20,327 180,029
前年比 98.9% 109.0% 102.5% 112.5% 103.6%

 

この6年間の上期の数値を確認してみると、2014年は21.8万台を記録して唯一20万台ラインの数値を計上。しかし、その後は減少して2016年には16.4万台まで下げている。以降、販売台数は徐々に回復して、年間18万台ラインを2年連続でキープしたことになる。

 2019年上期の販売台数内訳をみると、減少傾向が続く原付第一種クラスが唯一マイナスとなっている。1982年のピークを境に、ほぼ一直線にマーケットの縮小が続く第一種クラスは、販売台数の減少に歯止めがかからない状況にある。

特にここ数年は、原付第二種クラスの人気沸騰により、減少傾向が一段と厳しくなってきている。下期もこの傾向から脱却できずに小幅減少が続くことは間違いない。原付第一種の主たる新車需要は業務用に軸を移しているため、この状況に大幅な変化は見込めないだろう。

問題は免許取得者をどのように増加させるか

KATANAや新色のZ900RSの発売など、小型二輪車カテゴリーにはトピックとなる車両が多かったのも大きい。

これに対して、原付二種クラスをはじめ軽二輪、小型二輪クラスは増加を計上して、原付一種のマイナスを補った形だ。台数で最も増加しているのは原付二種クラスで約4千台増えた。伸び率だと小型二輪車クラスが12.5%とふたケタ増加を確保した。
軽二輪車クラスは、ほぼ前年並み台数を計上。銘柄別の出荷台数では凸凹があるとみられるが、マーケット規模は変わらなかったということにもなる。

中大型車クラスは、免許証取得の大きなハードルが有る。従って、マーケット拡大の前提には免許証取得者数の増加が必要になるが、少子高齢化などの影響か、取得者数の増加が難しい状況にありそうだ。長年にわたった高校生への三ない運動が終結に向かい、徐々に10代ライダーが増加していくのではないか、との期待が高いが、効果がどのように現れるのかは不透明な状況だ。

小型二輪クラスは、各銘柄から意欲的な新商品が相次いで発売されており、この効果もあり小幅ではあるが増加したとみられる。
この上期の数値を受けると、年間では昨年並みから微増の数値が見込まれる。2018年の出荷台数は36.2万台で、決して高い水準とは言えない。しかし、下げ止まり感は十分に出ており、まずは40万台を回復させる足がかりを掴みたい。
そして、業界が大きな目標として掲げる100万台マーケットの復活に向けての第一歩を踏み出したいところだ。

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