目次
EWC勢トラブル続出のなか、HRCが2位以下を3周以上引き離して圧勝
2023年8月6日に2023FIM世界耐久選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレースが三重県・鈴鹿サーキットで行われた。今回で44回目となる「8耐」はミージックフェスなど数多くのイベントが併催され、3日間で延べ4万2000人がバイクレースの祭典を楽しんだ。
レースは11時30分にドライ路面でスタート。絶妙のスタートを決めたのは#12 ヨシムラSERT(スズキ)。その後のレース序盤は#7 YART(ヤマハ)がリードする場面もあったが#33 チームHRC(ホンダ)とのトップ争いが過熱。順位を何度も入れ替えた後で#33 チームHRCがリードを築く。
1時間目に昨年のEWC(世界耐久選手権)チャンピオンチームである#1 TSR(ホンダ)が転倒。2時間目には#7 YARTがマシントラブルでストップ、コースの一番遠いところからコースサイドを押してなんとかピットに戻った。
トップ#33 チームHRCの勢いは止まらず、110周目には2番手の#12 ヨシムラSERTを周回遅れにする。途中、多重クラッシュによるセーフティカーの導入もあったが、1位:チームHRC、2位:ヨシムラSERTという順位は安定しており、3位以下の表彰台争いが注目となってきた。
ところが残り1時間半ほどとなった頃、コースの西側から雨が降り始める。コースの東側はほぼドライ。西側の一部は強い雨となりタイヤ選択が難しい状況となったのだ。
2位以下のチームには逆転のチャンスでもあったが、#12 ヨシムラSERTはレインタイヤに交換するもピットアウトしたその周に転倒。一方、#33 チームHRCはスリックタイヤのまま走り続けた。
EWC参戦チームにトラブルが発生する中、#33 チームHRCは快走を続け216周を走り切り、2年連続で鈴鹿8耐を制した。
なお表彰台に2位で登壇した#104 TOHO(ホンダ)は燃料タンクの過容量違反により失格(8月8日に正式結果発表)。それにより、最終順位は2位が#73 SDG(ホンダ)、3位が#1 TSRと繰り上がった。
2023FIM世界選手権“コカ・コーラ”鈴鹿8時間耐久ロードレース決勝結果
*2023年8月8日発表正式結果、上位10位まで
1位 チームHRC with 日本郵便 216周(ホンダ CBR1000RR-RファイアブレードSP)
2位 SDGホンダレーシング 213週(ホンダ CBR1000RR-Rファイアブレード)
3位 F.C.C. TSRホンダフランス 213周(ホンダ CBR1000RR-RファイアブレードSP)
4位 オートレース宇部レーシングチーム 213周(スズキ GSX-R1000R)
5位 ホンダドリームRT桜井ホンダ 213周(ホンダ CBR1000RR-Rファイアブレード)
6位 BMWモトラッド ワールドエンデュランスチーム 212周(BMW M1000RR)
7位 ホンダアジアドリームレーシング with SHOWA 212周(ホンダ CBR1000RR-Rファイアブレード)
8位 エスパルスドリームレーシング-ITEC 212周(スズキ GSX-R1000R)
9位 AstemoホンダドリームSIレーシング 211周(ホンダ CBR1000RR-Rファイアブレード)
10位 チームATJ 211周(ホンダ CBR1000RR-RファイアブレードSP)
レポート&写真●柴田直行 編集●上野茂岐