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パフォーマンスとラグジュアリーの象徴として存在し続けてきたハーレーダビッドソンが、2023年に創業120周年の節目を迎えました。
そんな特別な年を祝い、120周年を記念した世界限定モデルをはじめ、ニューモデルを数多くリリース。今回は、大幅改良を受けた「ブレイクアウト117」の発表イベントのレポートと、2023年の注目モデルを紹介していきます。
魔裟斗さん、ブレイクアウトに興味津々!
2023年1月26日、東京・代官山T-SITEにて「BREAKOUT 2023年日本モデル ジャパンプレミア」が開催されました。ゲストには元K-1世界王者の魔裟斗さんを迎え、ハーレーダビッドソンジャパンの野田一夫代表取締役とのトークショーなどを実施。熱いバイク談義で盛り上がりました。
魔裟斗さんは以前、自身のYouTubeチャンネルでハーレーのショップを訪れた動画をアップするなど、ハーレーに興味津々。また、そのときに見た先代のブレイクアウトに、「ぜひ乗ってみたい!」と一目ぼれ。
現在は400ccクラスまでの普通自動二輪免許しか持っていない魔裟斗さんですが、大型二輪免許へとグレードアップすることを明言。その際には「ぜひ新型ブレイクアウト117で走ってみたい」と、ハーレーのある生活への意欲に満ちあふれていました。
野田代表取締役から贈られた120周年記念レザージャケットも魔裟斗さんにぴったり。
そしてブレイクアウトのアンベールでは、バイクにまたがって最高の笑顔を見せてくれました。
「ブレイクアウト117」はモダンチョッパーにグレードアップ
ここからは、ハーレーダビッドソンの2023年の注目モデルを一挙に紹介しましょう!
極太のリヤタイヤと、ストリートチョッパーというスタイルで独特の存在感を放ってきたブレイクアウトが、2023年のニューモデルとして大幅な改良を受けた。
まずエンジンは、ミルウォーキーエイト114(1868cc)から117(1923cc)に換装。ハーレーダビッドソン最大の排気量を誇るマシンへと生まれ変わっている。最高出力は102馬力だ。
従来型の特徴だったチョッパーらしいスマートなタンクは43%もの増量を果たし、18.9Lの容量を確保。タンク形状もパンプアップされたかのようなマッシブさで、モダンチョッパーと呼ぶにふさわしい雰囲気を醸している。
また、これまでブレイクアウトのグリップは腕の長いライダー向けかのような設定だった。しかし新型はハンドルライザーの形状を変更し、グリップ位置は従来モデルより、およそ1.8cm高くなり、より自然なライディングポジションを実現、低速域での操作性も向上している。
そのほか、繊細な26本スポークのキャストホイールを採用。メタルと光沢のあるブラックという2トーンもストリートチョッパーにふさわしい。
ツーリング派にとっては、クルーズコントロールが標準装備となったこともうれしいニュースだ。
カラーは、ビビッドブラック、ブラックデニム、バハオレンジ、そしてアトラスシルバーメタリックの4色展開となっている。
新型ブレイクアウトの試乗レポートはこちら
ハーレーダビッドソンの2023年型ブレイクアウト117速攻試乗! 1923cc空冷Vツイン搭載でどう変わった?
カウルなしの「ナイトスター」と、カウルありの「ナイトスター スペシャル」
2022年に発売されたナイトスターが、早くもニューモデルとして新たなスタートを切った。
小気味いいバイブスを伴う水冷のレボリューションマックス975Tエンジンはそのままに、ディテールがよりスタイリッシュに磨き上げられた。
従来のナイトスターはビキニカウルを装着していたが、2023年型はカウルなしがナイトスター、カウルありがナイトスター スペシャルとなっている。
ナイトスタースペシャルは、1970年代を彷彿とさせてくれるカラフルなメダリオンが装着され、すべてのメーターとインフォテイメント機能を集約した4インチ丸形TFTスクリーンを搭載。このメーターはスポーツスターSと同タイプだ。また、手元のボタン操作で5つのライドモード(スポーツ、ロード、レイン、カスタム2種)が選べるほか、クルーズコントロール、USB-Cポート、さらにはBluetooth接続によるスマートフォンやインカムとの連携が可能。
このほか、新デザインのアルミキャストホイールには空気圧センサー(TPMS)が搭載されるなど、ハーレーダビッドソンらしいリッチなマシンに仕上がっている。なお、従来は別売りとなっていたパッセンジャーシートとフットペグは標準装備。タンデムツーリングを願っていたユーザーにはうれしい改良だ。
ナイトスターはカウルなし新登場。こちらも充実のアップデートだ。まず、エアボックスカバーのグラフィックがシンプルなバー&シールドのデザインへと回帰。よりクラシカル、かつ上質さのアピールを増している。
さらに、メーターがアナログ化されたことも、古き良き時代を好むユーザーには喜ばれるはずだ。
なお、両モデルとも共通し、ABSやトラクションコントロール、過度のエンジンブレーキによるリヤタイヤのスリップを抑制するドラッグ トルク スリップコントロールといったライダーサポート機能を搭載。より安全なライディングを支援するよう設計されている。
「CVOロードグライド リミテッド アニバーサリー」は圧巻のペイントに注目
120周年記念モデルの筆頭は、CVOロードグライド リミテッド アニバーサリーと名付けられたスペシャルなロードグライドだ。CVO(カスタム ビークル オペレーションズ)シリーズは、ハーレーダビッドソンのファクトリーカスタムであり、特別なチューニングパーツやペイントが惜しみなく投入されている特別なモデルだ。今回のロードグライドもまた、世界限定1500台というレアな存在となっている。
まず目を引くのがエアルームレッドと呼ばれる初期のハーレーダビッドソンをリスペクトしたボディカラーだろう。これは、アニバーサリーブラックのベースコートに特別カラーのエアフレームレッドフェードのパネルを施すという実に手の込んだ仕様。さらに、鮮やかなレッドのピンストライブ、ハンドペイントによるゴールドも加えられ、ファクトリーカスタムならではの美しさ、そして力強さが表現されている。
また、120周年を記念して新たに制作されたアールデコ調のエンブレムもまた所有欲を大いにそそる。天高く舞い上がる鷲の頭と翼を表現したゴールドメッキのタンクメダリオン「スピードバード」とエアフレームレッドとのマッチングも見事なもの。
そのほか、限定モデルらしくタンクコンソールにはシリアルナンバーがレーザー刻印されるなど、スペシャルカスタムは枚挙にいとまがない。
120周年記念モデルは、このほか6台の限定モデルにも施される。いずれも眩いばかりのエアフレームレッドフェードをベースに、クラシカルなパネルペイントが施され、それぞれのキャラクターを存分に活かしたものとなっている。このパネルもまた、鮮やかなレッドのピンストライプが描かれ、ミッドナイトクリムゾンというダークな色調がアレンジされている。もちろん、120周年記念の「スピードバード」ゴールドタンクメダルをはじめ、レッドのサイドパネルやハーレーダビッドソンのロゴが刺繍されたシートカバー、レッドフェードパワートレーンインサートなどディテールのドレスアップにも抜かりはない。
6モデルと世界限定数は下記の通り。
ウルトラ リミテッド アニバーサリー/1300台
ヘリテージ クラシック114 アニバーサリー/1700台
ファットボーイ114 アニバーサリー/3000台
トライグライド ウルトラ アニバーサリー/1100台
ストリートグライド スペシャル アニバーサリー/1600台
ロードグライド スペシャル アニバーサリー/1600台
「ロードグライド3」は普通自動車免許で乗れる迫力満点のトライク
ハーレーダビッドソンのトライク(3輪バイク)は、存在感あふれる外観や普通自動車免許さえあれば公道を走れるという魅力から、近年人気が急上昇している。そして2023年には、新たにロードグライドのトライクがラインナップに追加された。
ロードグライドの特徴ともいえるシャークノーズと呼ばれるフェアリングをそのまま採用。走行風からライダーを守り続けてくれるため、長距離ツーリングも非常に快適だ。
搭載されるミルウォーキーエイト114エンジンは、500kgオーバーの車体をものともせず強烈な加速をもたらしながら、リヤの2輪が強力なグリップとトラクションを発揮して、どこまでも安定感たっぷりなライディングが可能。
また、6.5インチのカラーTFTタッチスクリーンナビゲーション/インフォテイメントシステムと、ふたつの5.25インチフェアリングスピーカーを搭載。極上のサウンド環境を実現しているという。もちろん、モバイル機器との連動も抜かりなく、Bluetoothヘッドセットを使えばハンズフリー通話もできる。
さらに、電動式バックギアなどかゆいところに手の届く装備で、二輪とは違うトライクならではのゴージャスなライディングを楽しませてくれる。
これだけの快適性や扱いやすさを備えつつ、迫力ある走りとスタイリングを兼ね備えたロードグライド3は、ハーレーダビッドソンのファンならずとも目が離せないマシンだろう。
レポート●石橋 寛 写真●編集部・太田力也/ハーレーダビッドソン ジャパン