試乗インプレッション

「燃費お化け」の兄貴分も47km/Lの超低燃費! ジクサー250で800kmひたすら走ったらすっごい記録が出た!!【モーサイ燃費調査室】

「ううむ、想像以上の記録が出てしまった……」

スズキ・ジクサー250で一般道の燃費調査を行い、はじき出された数値に思わずうなってしまった筆者。

それもそのはず。ジクサー250で一般道をひたすら走行した結果叩き出された燃費は、なんと最高でカタログ値の約2.5割増となるリッター47km!!

いやはや、さすがは燃費性能が250ccクラスでトップのマシンです。

今回はマルチプル・クォーターマシンといっても過言ではない、ジクサー250の燃費レポートをお送りしましょう。

GSX1400の生産終了以来、久々の油冷エンジンを搭載

ジクサー250は、スズキが販売している排気量249ccのオンロードバイクです。

スズキ・ジクサー250(税込み価格:44万8800円)

新開発の油冷方式であるSOCS(※1)を採用した249ccSEPエンジン(※2)は徹底した低フリクション化が行われており、9000回転で26馬力を発生させつつも、WMTCモード値で250ccクラストップの37.7km/Lという優れた燃費を実現。

新型油冷システム「SOCS」のオイル循環系統図。水冷エンジンのウォータージャケットのようにオイルを循環する経路を設け、エンジンを効率よく冷却する

また、燃料タンク容量は12リットルとなっており、満タン時の航続距離は250ccクラス第3位となる約452.4km(ちなみに第1位はスズキ・Vストローム250の537.2km、第2位はスズキ・GSX250Rの487.5km)。ワンタンクで東京〜鈴鹿サーキット(約400km)間の走行を難なくこなしてしまう燃費性能を持っているのです。

  • (※1)Suzuki Oil Cooling System。シリンダー周辺にオイル流路を設け、高い速度でオイルを流すことで効率的に燃焼室周辺を冷却する、新開発の油冷方式
  • (※2)SUZUKI ECO PERFORMANCE。各部のフリクションを低減し、出力を低下させることなく低燃費を実現したエンジンの総称
エンジンに関しての詳しい説明はこちらをチェック!!

千葉〜青森までの800kmで燃費をチェック! 

とはいえ、実燃費はきちんと計測してみなければわかりません。

というわけで、さっそくジクサー250の実燃費と使い勝手をチェックしてみることにしました。

出発は前日の午後10時。少しでも早く行動を開始して、できるだけ早めに到着しようという魂胆。ちなみにライダーの装備重量は72kgで、荷物の重量は5.8kg。ライダーと荷物の総重量は77.8kgとなります。

今回走行するのは、筆者自宅のある千葉県八千代市から本州最北端の青森県大間崎まで、距離にしておよそ800km。もちろん、ご多分に漏れず全行程オール下道の、地獄の燃費ツーリング(!)にて計測を行います。

燃料の給油を複数回行うことが予想されますので、燃費だけでなく本州最北端までいったい何リットルで走行できるのかも注目ポイントです。

ちなみにナビアプリで調べてみると、所要時間はまさかの約16時間! 燃費調査では最長となる走行距離で、いったいどのような実燃費が出るのか……。というか、そもそもそんな長距離を走りきることができるのか?
多分に不安を抱えながら調査開始です!

車体とパワーの「ちょうどいい」バランスが好感触

ジクサー250で走り出してまず好感を覚えたのが、ライダーを「その気」にさせてくれるエンジンレスポンスと絶妙なパワー感です。

エンジンはボア76.0mm×ストローク54.9mmで、兄弟車であるジクサー150(ボア56.0mm×ストローク62.9mm)よりショートストローク型になっています。

ジクサー250に搭載される新開発の油冷エンジン。

スロットルを開ければ小気味よく回転数が上昇していくため、ワインディングを走っていると思わず高回転を多用したくなってしまう楽しさがあります。
また26馬力という出力も、軽量車体に対して不足がありません。どのようなシチュエーションでも気持ちの良い走りを味わうことができます。

ほどよいサイズの車体寸法も好印象。
全長2010mm×全幅805mm×全高1035mmの車体は身長168cmの筆者にジャストフィットで、ハンドルやステップも自然にライディングポジションを取ることが可能。スロットルやレバーの操作も軽い力で行えますので、今回のような超長距離走行でも体に負担がかかりにくい、ユーザーフレンドリーなバイクといえるでしょう。

上半身が起きたリラックスしたライディングポジションが自然ととれる。ヒザまわりの窮屈感もない(写真のテスターは身長170cm)。

ちなみに車両重量は154kgとかなり軽量で、パワーウエイトレシオも5.923kg/psと、同クラスのGSX250Rの7.416kg/psより低い数値となっています。車体と出力のバランスの良さが伺えるポイントといえるでしょう。

車体の詳しいレポートはこちらをチェック!!

ジクサー250の想定以上の燃費性能に驚愕!

リラックスして走れるジクサー250に感心していると、走行開始からあっという間に2時間が経過。走行距離は80kmを超えましたが、さすがは超燃費マシン・ジクサー150の兄貴分、燃料ゲージはまったく減っていません。

ようやく燃料ゲージがひと目盛り減ったのは、走行開始から3時間が経過した138km地点。国道51号から国道245号に入ってしばらく走行した、茨城県東海村でのことでした。

走行開始より138kmの地点でようやくひと目盛り目が消灯。

ジクサー250の燃料タンクは12Lで、ひと目盛り目は全容量の4分の1となる約3Lほどでしょうから、この時点での燃費は……リッター当たり46km!! 
高回転型のショートストロークエンジンということもあり、走行前は「さすがにWMTCモード値を割り込むのではないか……」と考えていたのですが、すでに予想に反した好数値を叩き出してくれているようです。

渋滞に巻き込まれてもリッター40kmを超える……だと?

仙台市を通過したのがちょうど通勤の時間帯だったため、国道4号は見事に渋滞……。燃費計測に悪影響をおよぼすこと必至だ。

その後も266.8km地点で残り燃料半分となるふた目盛り目、337.8km地点で3目盛り目が消灯。以前調査した弟分のジクサー150と同様に、非常にゆっくりしたペースで燃料が減っていきます。

3目盛り目は337.8km地点で消灯。
4目盛り目は375.0km地点と、少々早いタイミングで消灯した。

国道6号経由で国道4号に出たらひたすら北上。仙台市などの市街地を通過する際に渋滞に巻き込まれつつも走行を続け、最初の給油を行ったのが、走行距離504.6km地点となる岩手県奥州市でのことでした。

給油直前に道を間違え、迷い込んだ先には黄色く色づいた田んぼが広がっていた。こういう景色に巡り合えるのも下道ツーリングの醍醐味。

いったいどれくらいの燃料が入るのか? 給油量をチェックしてみると、残り燃料が0.7Lとなる11.29L! つまり燃費は……WMTCモード値を上まわる、44.7km/Lということになります。

ここまでの走行距離は504.6km
給油量は11.29L……ということは、リッター当たり44.7km!!

いやはや、さすがはジクサーシリーズです。渋滞でノロノロ運転する時間が長かったにもかかわらず、これだけの距離を無給油で走行できるとは、さすがに予想していませんでした。

47km/Lの最高燃費が出たっ!!

しかし、リッター40kmの大台を突破したとはいえ、渋滞にはまったことで燃費はかなりマイナスとなっているはずです。そこで第2スティントとなる後半は、極力渋滞を避けたルートを設定して走行することにしました。

奥州市を過ぎると国道4号の流れは一気に良くなり、坦々と距離を稼げる。周囲はひらけており、遠くまで見渡せるため、走行時の気持ちよさは格別だ。

途中で夕立に降られながらもひたすら走行を続け、大間崎まで残すところあと50kmとなる青森県むつ市を通過したのが、すっかり日も落ちた午後8時のこと。

下北半島の陸奥湾沿いを走る国道279号、別名むつはまなすラインをひた走る。日も落ち、走行に気を遣うようになると一気に疲労感が増す。ちなみに国道279号は野辺地から吹越まで、バイパス路となる下北半島縦貫道路があるのでそちらを利用したほうが便利。

すでに走行距離は約800km、休憩を除いた走行時間は21時間を超えており、さすがにこれ以上の走行は危険と判断。一気に走り切ることはあきらめて同地で1泊し、本州最北端の大間崎に到着したのは、翌日午前10時のことでした。

いや〜、走りに走って850km!! 所要時間は累計23時間だから、結局ほぼ丸1日走行したことになる。

さぁ、第2スティントはどのような燃費なのか? さっそく給油してみると……区間走行距離348.5kmに対し、給油量が7.37L。

つまり燃費は……47.3km/L!!

後半の走行距離は348.5km。
給油量は7.37リットルなので、燃費は47.3km!!

前半の44.7km/Lを大幅に上まわり、思わずニヤケ顔が止まらない筆者。
いやぁ、250ccモデルでこれだけの数値が出ればもはや言うことなし、といったところではないでしょうか。

大間崎まで走り切った記念に、本州最北の民宿である海峡荘さんでマグロ丼をいただきます!!
同店は大間でとれた生マグロだけを提供しており、マグロ本来の味わいを楽しむことができる。写真のマグロ丼(2500円)は大トロ、中トロ、赤身が盛りつけられているのでオススメ。特に大トロはまるでお肉のようなうまみがあり……たまらんっ!!

街乗りからロングツーリングまでマルチに使えるジクサー250

なお今回の総走行距離は853km、使用燃料量はわずか18.66リットル。つまり平均燃費は46km/Lという、トータルでもビックリな記録を叩き出してくれたのでした。
上々の結果にホクホクしつつ、津軽海峡とその先にある北海道を眺めながらに帰路へ着く。……ああ、そういやまた850km走らなきゃいけないんでしたね(汗)。

予想を上まわる燃費を記録してくれたスズキ・ジクサー250。これはもう、250ccクラスの超コスパマシンと言っても過言ではないでしょう。

しかし、同車の魅力は燃費だけではありません。筆者が走行して感じたのは「これはどんなシチュエーションでも楽しめそうなバイクだなぁ」ということでした。

軽量で、かつリラックスしたポジションを取れる車体構成は長距離を走っても疲れづらいですし、26馬力を発揮するエンジンは合流地点の加速や高速道路の100km/h巡航もこなせる余裕があります。

一般道のみで800km以上走行するなど苦行以外の何物ではないはずなのですが、ユーザーフレンドリーなジクサー250だったからでしょうか? 意外とすんなり走行できてしまい、ちょっと拍子抜けしたくらいです。

燃費のみにフォーカスするならば弟分であるジクサー150の独壇場でしょうが、もし「燃費が良くて、街乗りもロングツーリングもストレスなく楽しめるバイクが欲しい!」と考えているならば、トータルバランスに優れたジクサー250はホントにオススメです。

スズキの販売店さんで試乗車を置いているお店も多いですので、ぜひ皆さんもジクサー250の魅力を実際に体感してみて下さいね。

text&photo:モーサイWEB編集部・日暮

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