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【インタビュー】ハーレー新作「ロー・ライダー・エル・ディアブロ」のデザイナーは日本人!! ダイス・ナガオが語る開発秘話

伝説的なモデルを再構築して現代に蘇らせるハーレーの「アイコン・コレクション」

2021年からハーレーダビッドソンがリリースし始めたアイコン・コレクションは、同社の歴史上でアイコニック(象徴的)なモデルをリブート(再構築)したもの。その第1弾として1969年のエレクトラグライドを現代に再現したエレクトラグライドリバイバルを世界限定1500台で登場(日本限定114台)。

当時のカラーが再現され、シリアルナンバーが割り当てられるなど、限定車にふさわしいプレミアムなハーレーとして瞬く間に完売。そして、当初からアイコン・コレクションは毎年1~2車種がリリースされるとアナウンスにあった通り、2022年も満を持してコレクションモデルが発表されました。

「ロー・ライダー・エル・ディアブロ」のモデルは1986年の「FXRTスポーツグライド」

今回発表されたアイコン・コレクションの第2弾となるモデルは、走りのパフォーマンスに定評のあるローライダーSTをベースとして、1986年の伝説的なスポーツモデル「FXRTスポーツグライド」を再解釈した「ロー・ライダー・ エル・ディアブロ」。世界限定1500台(日本では139台)の生産で、希少価値の高いプレミアムモデルとなります。

ベース車両に選ばれたローライダーST同様、特徴的なフェアリングやサドルバッグにスペシャルカラー「ブライトレッド」と「ブライトレッドサングロ」の2トーンペイントを用いるほか、フェアリング内にロックフォードフォスゲートのスペシャルオーディオを仕込むなどアイコン・コレクションにふさわしい仕上がりとなっています。

ダイス・ナガオさん「ソフテイルという先入観に捉われず、やんちゃにガンガン走り回って」

国内最大級のバイクイベント「BLUE SKY HEAVEN」内で行われたアンベイルイベントで、ロー・ライダー・エル・ディアブロにまたがるダイス・ナガオさん。左に立つのはハーレー ダビッドソン ジャパンのマネージングダイレクター(代表取締役)野田一夫さん。
ロー・ライダー・エル・ディアブロ アンベイル直前の様子。「BLUE SKY HEAVEN」の会場となっていた富士スピードウェイのコース内にトラックで運び込むという派手な演出も相まって、集まった観客からは羨望のため息と大きな拍手が湧き起こったのでした。

「ロー・ライダー・エル・ディアブロ」アンベイルの舞台となったのは、ハーレー ダビッドソン ジャパンが主催する国内最大級のバイクイベント「BLUE SKY HEAVEN」そして、スペシャルゲストとして招かれたのは本国ハーレーダビッドソンでチーフデザイナーを務めるダイス・ナガオ(長尾大介)さん。本国では唯一の日本人デザイナーとなります。

ダイス・ナガオさんは東京郊外で生まれ育ち、19歳のときに渡米。アメリカ法人Honda R&Dのデザイナーなどを経て、2012年にハーレーダビッドソンに入社しました。以来、IRON883や2017年以降のCVOモデル、歴代のローライダーSなど、名だたる名車のデザインを手掛けてきました。

そんなダイス・ナガオさんに「ロー・ライダー・エル・ディアブロ」について、思いのたけを語っていただきました。

ロー・ライダー・エル・ディアブロの実車を前に、インタビューに応じるダイス・ナガオさん。こだわりのポイントなどを指し示しながら話してくれました。
プライベートでは15台ものハーレーを所有するバイク好きのダイス・ナガオさん。バイクライフの話になると満面の笑みも。

──まずは、エル・ディアブロの印象的なペイントについて教えてください。

「カウルの造形が立体的なので、それを引き立たせることを優先しました。赤というのもスケッチの段階から決めていて、ペイントのエキスパートが素晴らしい2トーンを提案してくれたのです」

──エル・ディアブロは1980年代のFXRへのオマージュを込めたものと聞きましたが……。

「(大きくうなずきながら)私自身、FXRを所有していて、それもかなりカスタムして走りこんでいるほど好きなバイクなのです。なので、アイコン・コレクション第2弾のプロジェクトがローライダーに決まった時は『待ってました!』と喜んだものです(笑)」

──すると、エル・ディアブロ的なアイデアはすでに頭の中にあったのですか?

「山ほど!(笑) すでに、スケッチはできていて、私のボスが会社からOKをもらうだけだったのです」

──ずいぶんスムーズ、というか決定が早いのですね。

「以前、ダイナでローライダーを提案した際は自分自身のクビを覚悟していました。しかし、これが成功したおかげで、今回のローライダーをアイコン・コレクションのモデルにするという計画も『きっとまた成功する』という雰囲気が社内にあったのです」

──エル・ディアブロ、どんなバイカーがイメージに合うでしょう? 

「ソフテイルという先入観に捉われず、やんちゃにガンガン走り回ってほしいですね。エンジンも超強力だし、なによりシャシー剛性が高いので攻めるのがとても楽しい。私のFXRもカスタムしてかなりよく走るようになっているのですが、最初からこれにしたほうが手っ取り早かった(笑)」

──では、最後に個人的なことを伺いますが、ダイスさんが一番好きなハーレーダビッドソンとは?

「いま15台ほど持っていて……そうですね、ツーリングやショベルは癒されるモデルだし、さきほどのFXRは軽くてよく走るのでこちらも気に入ってます。やっぱり決めらませんね(笑)」

撮影中にエル・ディアブロのペイントに埃を見つけると丁寧にふき取るなど、ハーレー大好き!というのが自然と伝わってくるお人柄のダイスさん。アイコン・コレクションのプレミアムな完成度を見ていると、次の限定車やカタログモデルも大いに期待できると、確信を持つことができました。

ハーレーダビットソン「ロー・ライダー・エル・ディアブロ」主要諸元

[エンジン・性能]
種類:ミルウォーキーエイト 117(空冷4ストロークV型2気筒OHV4バルブ) ボア・ストローク:103.5mm×114.3mm 総排気量:1923cc 最高出力:78kW(106ps)/5020rpm 最大トルク:168 Nm(17.1kgf・m)/3500rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2365 全幅:─ 全高:─ ホイールベース:1615 シート高(空荷状態):720(各mm) タイヤサイズ:F110/90 R180/70 車両重量:331kg 燃料タンク容量:18.9L
[価格]
410万3000円

[エンジン・性能]
種類:水冷4ストロークDOHC4バルブ並列2気筒 ボア・ストローク:70mm×51.8mm 総排気量:398cc 最高出力:35.3kW(48ps)/1万rpm 最大トルク:37.2Nm(3.8kgm)/8000rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:1990 全幅:800 全高:1055 ホイールベース:1370 シート高:785(各mm) タイヤサイズ:F110/70R17 R150/60R17 車両重量:166kg 燃料タンク容量:14L
[車体色]
メタリックスパークブラック×メタリックマットグラフェンスチールグレー
[価格]
70万4000円

ハーレーダビットソン「ロー・ライダー・エル・ディアブロ」細部

アンベイル後、「BLUE SKY HEAVEN」会場内に実写が展示されました。
バックビュー。
エンジンはロードグライドシリーズやストリートグライド、トライグライドにも搭載されているミルウォーキーエイト 117(空冷4ストロークV型2気筒OHV4バルブ)。
ハンドル周り。プレミアムなモデルらしくスピーカーも標準装備。
ベース車両に選ばれたローライダーST同様、特徴的なサドルバッグを装着しています。マフラーは片側2本出し。
テールには1986年当時のFXRTスポーツグライドを思わせる丸形ウィンカー。テール/ストップランプはLEDを採用。

レポート/写真●石橋 寛 写真/編集●モーサイ編集部・中牟田歩実

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