「スーパースポーツ+ツアラー」というコンセプトが支持されてきたカワサキのニンジャ1000の新型がヨーロッパで発表された。車名も新しく「ニンジャ1000SX」となり、日本でも2020年夏にカワサキモータースジャパンから発売予定となっている。
外観デザインはニンジャ1000からほぼキープコンセプトと言えるが、ツーリング性能を高めるため、「中身」は大幅にアップデートされている。ここでは、その改良点を紹介していこう。
◎【試乗レポート追加!】2020年モデル 新型カワサキ ニンジャ1000SX
デザイン:灯火類をLED化、マフラーは1本出しに


これまでのニンジャ1000もLEDヘッドライトを採用していたが、ニンジャ1000SXは灯火類をすべてLED化。
またニンジャ1000では左右2本出しだったマフラーは、よりスポーティなデザインとするため右1本出しに。これによりマフラー重量はニンジャ1000より2kg軽くなり、車重の軽量化にも貢献している。
エンジンには電子制御スロットルを採用、クルーズコントロールも新搭載

最高出力142馬力・最大トルク11.3kgmという数値は従来までのニンジャ1000(欧州仕様)から変わりはないが、新たに電子制御スロットルを採用。よりスムーズな出力特性となったほか、クルーズコントロールが使えるようになった。
また、エキゾーストシステムの変更にあわせて、インテークファンネル形状の変更も行われている。
快適性を向上する新型のスクリーンとシート、クイックシフター


スクリーンはよりウインドプロテクション性を高めた新デザインに。また、角度と高さは4ポジションに調整できるようになった(ニンジャ1000は3ポジション)。
シートも快適性を向上するため改良が行われているが、走行環境の違いに基づき販売エリアによって改良点が異なる。日本仕様、北米仕様ではフロントシートのウレタン形状・密度を変更、ライダー側の快適性を向上。ヨーロッパ仕様ではタンデムシートの座面を拡大し、長時間走行での快適性を向上している。
また、アップ/ダウン両対応のクイックシフターを搭載。スポーティなライディングはもちろん、操作の簡略化で快適なライディングにも貢献する。
各機能を統合制御するライディングモードを搭載

IMU(慣性計測装置)のデータを生かし、車体バンク時にも対応できるトラクションコントロールやABSを搭載しているのもウリのひとつだったニンジャ1000。
加えて出力特性もパワーモードで「ハイ」/「ロー」2段階切り替え可能だったが、ニンジャ1000SXでは出力特性とトラクションコントロールの作動レベルを統合制御するライディングモードを搭載。モードは「スポーツ」/「ロード」/「レイン」の3種に加え、任意に各パラメーターを調整できる「ライダー」を加えた4種が設定される。
また、多彩な車両情報を表示するメーターは4.3インチのフルカラー液晶に。明るさを検知して、白、黒、ベースの色を自動で切り替える機能も備えている。
最後に、現状でわかっているのは欧州仕様となるが、車体色は緑、黒、白の3色がラインアップされる。



ニンジャ1000SX諸元(欧州仕様)
[エンジン・性能]
種類:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク:77.0×56.0mm 総排気量:1043cc 最高出力:104.5kW<142ps>/10000rpm 最大トルク:111Nm<11.3kgm>/8000rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2100 全幅825 全高:1190(スクリーン最高時1225) ホイールベース:1440 シート高835(各mm) タイヤサイズ:F120/70ZR17 R190/50ZR17 車両重量:235kg 燃料タンク容量:19L
