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エンジンはVツインからパラツインへ
ホンダは755ccの並列2気筒エンジンを搭載した新モデルXL750トランザルプを発表し、イタリア・ミラノで開催中のEICMA2022(ミラノショー)に出展します。
ホンダ 新型XL750トランザルプは、1987年、583ccV型2気筒エンジンを搭載して登場し「ある種の伝説」となっている初代トランザルプのデザイン、コンセプトを継承しながらも、最新の電子制御技術などを搭載し、全く新しいモデルとなっています。
親しみやすく頼れるタフなデザインをスタイリングコンセプトとし、トランザルプらしさを感じさせ、冒険心を掻き立てるアドベンチャースタイルを追求したということで、防風性能(ウインドプロテクション)と空力性能を高次元でバランスさせた高速道路での快適性を追求した大型フェアリングを採用しています。
先日欧州にて発表された「CB750 HORNET」と共通で完全新設計の755cc 270度クランク並列2気筒エンジンは、常用域では扱いやすく高回転域ではパワフルな特性を目指した諸元を採用しています。
CRF450RやCRF1100L等で実績のある軽量コンパクトなユニカム方式の動弁系、ダウンドラフトエアインテークと、車体左右に配置した新採用の渦ダクト(Vortex Air Flow Duct)は、低中速領域の吸入効率を向上させ、力強いトルクフィーリングを実現しています。
さまざまなシチュエーションで安心と楽しさを提供するために、スロットルバイワイヤシステム(TBW)を採用し、パワー、Hondaセレクタブルトルクコントロール(HSTC)、ABS、エンジンブレーキのレベルを切り替えられる5つのライディングモードを搭載しました。
構造やレイアウトの最適化が行われた軽量なスチール製ダイヤモンドフレームは、軽快で扱いやすく快適で安定したハンドリングを実現しました。
ニュートラルなハンドリングとオフロードでの走破性を実現するために、フロントはSHOWA (日立Astemo)43mm SFF-CA™ ストローク200mm倒立フロントフォークを採用、リアにはプロリンクサスペンションとハイブリット構造のアルミスイングアームを装備しています。
21インチのフロントホイールと18インチのリアホイールの組み合わせは、オンロードでもオフロードでも多用途に使用できます。
5インチTFTカラーディスプレイを搭載、AndroidおよびiOSデバイスに対応したHondaスマートフォンボイスコントロールシステム(HSVCS)、車線変更時や右左折終了後に自動的にウインカー作動を停止させるオートウインカーキャンセル、急制動をいち早く後続車に伝える機能であるエマージェンシーストップシグナルなど、豊富な装備を備えています。
街乗りからロングツーリングまでオールラウンドに活躍する1台
ホンダによると、XL750トランザルプは、1986年に登場した初代トランザルプからインスピレーションを受け市街地から高速道路、峠道から未舗装路まで、オールラウンドで、雄大なスケールのロングツーリングを快適に楽しめるモデルを目指し「日常短距離での扱いやすさと、休日の長距離、高速走行時の快適性の両立」、「舗装路での軽快性と未舗装路の走破性の両立」、「冒険心を掻き立てる豊富で充実した装備」を高い次元でバランスさせたモデルだということです。
開発者 佐藤正俊さん「外観はクラッシックながら性能は最新」
本田技術研究所 新型トランザルプ開発プロジェクトリーダー 佐藤正俊さんは下記のようにコメントしています。
「新型トランザルプでは、初代モデルの良さを徹底的に追求し、都市部での俊敏性、長距離ツーリングでの快適性、オフロードでの走破性のバランスを取りたいと考えました。そして、初心者からベテランまであらゆるレベルのライダーに、ホンダの新しい選択肢を提供するバイクを作り上げました。外観はクラシックなトランザルプの存在感を現代的に蘇らせながらも、最新のエンジンは驚くほど強力で汎用性があり、魅力的だと考えています。街中でも、峠でもしっかり走ります」。
ホンダ 新型「XL750 トランザルプ」主要諸元
[エンジン・性能]
種類:水冷4ストローク並列2気筒OHC4バルブ ボア×ストローク:87.0mm×63.5mm 総排気量:755cc 最高出力:67.5kW/95000rpm 最大トルク:75Nm/7250rpm 変速機:6段リターン
[寸法・重量]
全長:2325 全幅:838 全高:1450 ホイールベース:1560 シート高:850(各mm) 車両重量:208kg タイヤサイズ:F90/90-R21 R150/70-R18 燃料タンク容量:16.9L
まとめ●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●ホンダ