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トライアンフ スピードトリプル1200RR徹底解説「レトロなカフェスタイルでも、最新スポーツとタメを張れる性能!」

スピードトリプル1200RRのライバルは?

トライアンフ スピードトリプル1200RR

1160cc並列3気筒DOHC4バルブ、180ps/1万750rpm 12.7kgm/9000rpm、車重199kg、燃料タンク15.5L、シート高830mm

どこかクラシックな空気を漂わせながらも、その中身は最新のモーターサイクル……スピードトリプル1200RRはそんなモデルです。

そのライバル車を考えたとき、真っ先に候補に挙がるのはMVアグスタのスーパーヴェローチェ800でしょう。
2018年のイタリア・ミラノショーで発表され、その美しいデザインで世界を驚かせたスーパーヴェローチェ800は、MVアグスタが築き上げてきた輝かしいレースヒストリーをバックボーンに持つモデルです。

スーパーヴェローチェ800のエンジンはMVアグスタのミドルクラススポーツモデルであるF3シリーズと同様のもの。
このF3はスーパーバイク世界選手権のワールドスーパースポーツというカテゴリーで活躍するモデルでもあります。

MVアグスタ スーパーヴェローチェ800(2021年モデル)

798cc並列3気筒DOHC4バルブ、146.8ps/1万3000rpm 8.98kgm/1万100rpm、車重173kg(乾燥)、燃料タンク16.5L、シート高830mm
排気量帯こそ異なりますが、ハイパフォーマンスな3気筒エンジンとクラシックなデザインのロケットカウルという組み合わせ……まさにスピードトリプル1200RRの好敵手ではないでしょうか。

798cc3気筒エンジンが絞り出す最高出力は147馬力。
F3とまったく同じスペックで、耐摩耗性に優れるDLC(ダイアモンド・ライク・カーボン)コーティングを施したチタン製バルブガイドをはじめ、アップ&ダウン両対応のクイックシフターを採用。

電子制御機構もF3同様で、ライディングモードの切り替えはもちろん、ABSやトラクションコントロールはバンク角を検知して制御を変化。
さらにクルーズコントロール、ローンチコントロール、ウイリー制御システムも搭載するほか、5.5インチTFT液晶メーターとスマートフォンの接続機能もあり、各種電子制御のパラメーターや地図機能をスマホと連携も可能……と、機能面はスピードトリプル1200RRとほぼ互角です。

丸目1灯ヘッドライトとのマッチングも最高な、小ぶりなテールランプもスーパーヴェローチェ800のデザインでは重要なキーパーツ。美しいロケットカウルを際立たせるよう、バーエンドミラーを採用しているのも個性的です。

ただし、スピードトリプル1200RRの大きなウリである「オーリンズ・スマートEC 2.0」のような電子制御サスペンションは搭載されていません。
そんなスーパーヴェローチェ800の価格はスタンダードモデルが286万円、レーシングキットなどを用意するスーパーヴェローチェ800Sが330万円で、スピードトリプル1200RRとの価格差は最低でも50万円以上とかなりのものです。

「走る宝石」とも言われるよう、プレミアムブランドとしての地位を確立しているMVアグスタらしい価格に関しては直接的なライバルと言いづらい部分もありますが、「3気筒エンジン+ロケットカウル」という稀有なパッケージングに最新の電子制御を満載した2モデル。
スピードトリプル1200RRが発売されたら、それぞれどのような乗り味なのか、試乗で確かめてみるのも面白いと思います。

車重に関しては、スーパーヴェローチェ800が乾燥重量のみ公表で173kg。スピードトリプル1200RRは装備重量で199kgです。
スーパーヴェローチェ800の燃料タンク容量は16.5Lなので、装備重量として両車の差異はそれほど大きくないでしょう。

2モデルともにエルゴノミクスを重視した設計をうたっていますが、スポーツライディングに特化したスピードトリプル1200RRと、ストリートでの使用を前提としたスーパーヴェローチェ800。
奇しくもシート高は両車ともに830mmなので、比較してみる際は、ライディングポジションの違いにも目を向けてみてください。

スポークホイールやアルカンターラのシートを装備し、専用の白い車体色とされる上級モデル「スーパーヴェローチェS」。レーシングキットとしてリヤシートカバー、アローズ製エキゾーストシステム、専用ECUレーシングキットが付属します。

さいごに……どちらにせよ3気筒エンジンは貴重な存在!

トライアンフにしろ、MVアグスタにしろ、3気筒エンジンのフィーリングは本当に独特で、それは2気筒エンジンでも4気筒エンジンでも決して味わえないエキサイティングなもの。
じつは、二輪業界でも3気筒モデルのフィーリングを絶賛するジャーナリストが多いのです。

かくいう筆者も、生まれて初めて3気筒モデルに試乗したとき(当時乗ったのはトライアンフのデイトナ675でした)「官能的なフィーリングとはまさにこのことでは!?」と驚いたほど、そのエンジンフィーリングの虜になりました。
スロットルを開けていったときのトルクの出方、回転数とともに気分を高揚させる3気筒エンジンの咆哮は、他のエンジン型式では味わうことのできない個性的なものです。

ただし、798ccのスーパーベローチェ800と1160ccのスピードトリプル1200RRでは、同じ3気筒エンジンと言えども特性はまったく異なるでしょう。
3気筒エンジンにこだわってバイクを探しているという方は、ぜひ様々なモデルに試乗することを強くお勧めします。

レポート●土山 亮 写真●トライアンフ/MVアグスタ 編集●上野茂岐

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