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新型CRF250L&CRF250ラリー試乗【車体編】「XLR/XRを思い出す、ホンダデュアルパーパスの復活」

CRF250ラリー 2021

2020年12月17日に発売となった250ccオンオフモデル、2代目CRF250LとCRF250ラリー。外観は一見従来型と大きく変わらないが、フレームは新設計、エンジンも大幅な改良が加えられるなど、「中身」は大幅な進化を遂げたフルモデルチェンジである。
その2代目CRF250LとCRF250ラリーのロングストロークサスペンション仕様<S>を、一般道・オフロード・高速道路でテストした。


新型CRF250シリーズの魅力は優れたバランスにある

9年目でフルモデルチェンジとなった新型CRF250L、新型CRF250ラリーでは4年目のフルモデルチェンジとなるが、新型2車の完成度はとても高い。
今回は「軽量化」が変更の主眼のひとつになっており、それを走行性能向上の大きな理由に挙げている二輪メディアも散見されるが、それは少々短絡的で浅薄である(大方はプレスリリースの丸写しと推察する)。

もちろん物理的運動に基づいて動く乗り物であれば、「軽さ」は絶対的正義だ。しかし、それも他の部分がその「軽さ」を活かせるような作り込みをしていなければ意味がなく、決して「軽さ」だけが意味を持つものではない。

事実、重量があっても、乗りやすく、高い性能を持つモデルも少なくない(もちろん、それが軽ければもっと素晴らしいのだが)。
重要なのは、「軽さ」を含めた様々な技術的要素を高いレベルでバランスさせた全体の構成なのだ。そして、新型CRF250L&CRF250ラリーでは、細部まで手を抜かず、こだわり抜いたその作り込みが素晴らしいのである。

前口上が長くなったが、結論から言うとそのネーミングと基本構成は旧型と同じだが、それ以外は文字通りすべて変わったのが新型CRF250L&CRF250ラリーだ。その走行性能やクオリティは旧型から格段に向上しており、オンとオフを走るデュアルパーパスモデルとして、とても高いバランスを実現している。

これは、進化というよりも新たな誕生であり、XLR/XR系という70年代終盤から続くホンダの傑作デュアルパーパスモデルの完全復活と言っても良い。
正直に言ってしまえば、旧型のCRF250Lはどちらかと言うとオンロード性能にウェイトを置いた性格であり、特にその足まわりや車体バランスに関してはオフロードモデルと呼ぶには少々抵抗があったと個人的には感じている。

写真(19点)で解説!2代目CRF250Lの改良点&<S>とSTDの足着き比較

2代目となったホンダ CRF250L

フルモデルチェンジし2代目となったCRF250L。写真はロングストロークサスペンション仕様のCRF250L<S>。
エンジンの最高出力は24馬力、車重は140kgとなったほか、ABSも装備された2代目CRF250L。写真はロングストロークサスペンション仕様<S>だが、スタンダードと価格は同一で59万9500円。

2012年に初登場した初代ホンダ CRF250L

2012年に初登場した初代CRF250L。最高出力23馬力、車重は142kgだった。2015年のマイナーチェンジで最高出力を24馬力に向上、装備類の変更で車重は144kgとなったほか、ローダウン仕様「Type LD」も設定された。

2代目となったホンダ CRF250ラリー

フルモデルチェンジし2代目となったCRF250ラリー。写真はロングストロークサスペンション仕様のCRF250ラリー<S>。初代にはABS仕様とABSレス仕様があったが、ABSは標準装備となった。
エンジンの最高出力は24馬力、車重は140kgとなった2代目CRF250ラリー。写真はロングストロークサスペンション仕様の<S>だが、スタンダードと価格は同一で74万1400円。

2017年に初登場した初代ホンダ CRF250ラリー

ダカールラリーマシンをイメージしたCRF250ラリーは2017年初登場。CRF250Lをベースにサスペンションを延長、燃料タンクの拡大、専用外装を装備したモデルで、最高出力は24馬力、車重はABS仕様が157kg。ローダウン仕様「Type LD」は発売と同時に設定された。

2代目CRF250シリーズのサスペンション&フレームは「本当に別モノ」

CRF250L<S>

新型の大きなフィーチャーはトータル4kgの軽量化(基本構造は−6kg、ABSで+約2kg)とサスペンションの改良、そしてエンジン特性の変更だが、実際にはほぼ全面にわたって改良や変更が施されており、別物になっている。

その魅力はひと言で言うと、これらが高次元でバランスした「信頼性の高さ」と言っていいだろう。開発コンセプトには「オンの扱いやすさを犠牲にせず、オフ性能アップを狙う」とあるが、新型の乗り味はまさにその通りで、舗装路では軽快で扱いやすく快適であり、オフロードでは従来型とは比べようもないほど高い走破性を発揮する。

今回テストを行ったのは2車ともにロングストロークサスペンションの<S>。オフロードではスロットルを積極的に開けて凹凸に突っ込んで行けるし、重量のあるCRF250ラリーで写真のようにジャンプすることも容易で、いずれも車体バランスの良さがあってなせることだ。
減衰特性を変更したフロントフォークが非常に頼もしく、特にサスペンションストローク長を前後とも260mmへとアップしたCRF250Lの方がそれはわかりやすいかもしれない。

CRF250L<S>

何しろ、従来型で同じように走ろうとすればフロントサスペンションのご機嫌をうかがいながら──となり、車体の急激な挙動変化を予想して身構えていないとこうは走れなかった。こうした性能向上の理由を開発陣に聞くと、以下のように答えてくれた。

「フロントフォークの基本構造自体は変わっていないが、今回のストローク量の拡大によって、オイル量を減らしながらエアボリュームを拡大している(要するにエアサス性能を向上)。同時に摺動部のフリクションを抑制して、作動性を向上させた点が、フロントフォークの動きの良さの理由である」

「新型では(タイヤが外に流れる)ウォッシュアウト性の抑制など、フロントの接地感やグリップ性能の向上が、コンポーネント全体として実現できた。これらによる安心感は、実はリヤサスペンションを取り付ける(フレーム左右を連結する)クロスパイプの削減によってフレームの『いなし』を実現したことなども貢献している」

CRF250L<S>のフロントフォーク。インナーチューブ径は43mmで、ストロークは260mm。従来型CRF250Lスタンダード比でストローク量は10mm延長。
CRF250L<S>のリヤサスペンションのストローク量は260mm。従来型CRF250L(スタンダード)比でストローク量は20mmの延長となっており、リンクレシオも従来型から変更されている。

このフレームを含む新型の車体はオールNewである。大きな特徴は、メインパイプの細部形状や(セミダブルクレードルの)ダウンチューブ幅を調整することで、フレームにおける横剛性の剛性バランスを落としている点だ。
一方、リヤは積載(トップケースの装着など)を考慮してサブフレームの縦剛性が上げられている。

これがハンドリングの軽快感や自由度を向上させている。しかも外装形状は空力面でロール方向の動きを妨げない工夫も行われ、オンオフともに寝かしこみは軽快そのもの。そこからは、しっかりサスペンションが動いてくれる感じで、安定感がある。

また、エンジンのマウント位置の変更、クランクケースの肉抜きなどを施し「バランス取りに苦労した」という最低地上高の拡大も、オフロード走行では走破性の向上に結びつく大きな魅力だ──これら、格段に向上したオフロード性能とハンドリングの良さが新型CRF250L&CRF250ラリーひとつ目のポイントだ。

CRF250ラリー<S>
CRF250ラリー<S>
CRF250L・CRF250ラリーともフレームは共通で、従来型比で約2.1kg軽量化。しなやかなフレーム特性とするため、横剛性を25%落としているほか、メインパイプ下部・ダウンチューブは横幅がスリムな形状となった。
スイングアームもCRF250L・CRF250ラリー共通。従来型に対しスイングアームピボット付近の幅を約15mm狭め剛性バランスを調整しつつ、約0.5kgの軽量化も行われた。

メーターや灯火類なども軽量化された新型CRF250L

CRF250Lのヘッドライトは軽量小型LEDとなり、CRF450Lに通ずるシャープなデザインに。従来型CRF250Lに比べ、ヘッドライトユニットで約0.1kg軽量となっている。
前後ウインカーもLEDとなり、軽量化に貢献。
軽量化と機能追加のため新設計されたCRF250Lのメーターは、ギヤポジションが表示されるようになった。メーター右側の丸いスイッチはリヤABSのカットスイッチ。

次ページ:CRF250L<S>とスタンダードの足着き比較&主要諸元

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