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【試乗速報!】ドゥカティ ストリートファイターV4S 「ネイキッドで208馬力を操れるのか?」

パニガーレV4の要素を継承したネイキッドモデル、ストリートファイターV4

通常、スーパースポーツマシンをベースとして作られるネイキッドマシンは、出力特性を低中速よりにするなどの改良のほか、最高出力を大幅にダウンさせて登場することが常。
しかし、このドゥカティ ストリートファイターV4はベースとなるスーパースポーツ・パニガーレV4の214馬力に対し、208馬力というほとんど変わらない驚愕のスペックを有している。

車体をみれば、V4エンジンの存在感が独特のオーラを放つ。
そしてまたがってみると、やはり前輪荷重を確保するためであろう、ネイキッドマシンとしては前傾が強めで、パニガーレV4に比べてシート高も高い。

ドゥカティの最高峰スーパースポーツ・パニガーレV4をベースにしたネイキッドモデル・ストリートファイターV4。エンジンだけでなく、エンジンをフレームのストレスメンバーとする「フロント・フレーム」を採用する点など、車体面にもパニガーレV4の技術が継承されている。

試乗車は上級仕様の「S」で、電子制御サスペンション&電子制御ステアリングダンパー、マルケジーニ製鍛造アルミホイールが装備される。ボディカラーは写真の赤のみの1色。

エンジンを始動すると、周りの人が振り向くほどの迫力あるサウンドを放つ。
V4エンジンで多くのライダーが記憶にあるのは、ホンダのVFR系サウンドではなかろうか。その「ヴォーヴォー……」という断続音がV4のサウンドと認識している人も少なくないと思うが、ドゥカティのV4は同社伝統のLツインエンジンに似つつ、それがより細かいリズムになったかのようなサウンドでなかなか刺激的だ。

迫力あるサウンドは別格としても、普通に走り出せるではないか! という驚きがファーストインプレッションだ。
サスペンション、そしてタイヤのクッション性もあり、ゴツゴツした感触がないのは想定外で、シートの座り心地も良好だ。本領を発揮するのはサーキットやワインディングだろうが、例えばそこに行くまでの道中にストレスがあるかといえば、さにあらず。
そういった意味で、キャラクターは大きくパニガーレV4と異なっている。

エンジンはパニガーレV4をベースとする排気量1103ccのV型4気筒。最高出力は208馬力で、最大トルクについてはパニガーレV4と同値の12.6kgmを発揮する。

さすがにストップ&ゴーの多い街中では快適とは言えないものの、少しスピードが乗ってくるとマシンとの一体感が高まってくる。
それは100km/hオーバーとか、あるいは200km/hオーバーとかいった非現実的な速度域でなく、60km/h程度でのスピードでも感じられるのである。
特に高速道路では、やや前傾気味と感じたライディングポジションがうまく風の抵抗とバランスして、ちょうどいい姿勢を保つことができる。

注目のウイングは公道でも効果を発揮するのか?

さて、デザイン上でも、性能面でもトピックとなっている4枚のウイングは、270km/h走行時には28kgのダウンフォースを生み出すという。
また、設計上はわずか50km/hからでも効力が現れるとのことだが、100km/h程度ではその効果をさほど体感できなかった。
しかしそのまま加速をし続けると、明らかにダウンフォースが効いてくる感触がある。
とにかくパワフルなエンジンにアップライトなライディングポジションというマシンなので、高速域でフロントまわりがフラフラするような兆候が現れてもおかしくはないのだが……それがないのだ。

片側2枚、計4枚のウイングは高速域での前輪の浮き上がりを防止するほか、ブレーキングをしながらコーナーに進入する際の安定性も向上させるという。

安定性を感じさせるのは、ストリートファイターV4専用としたディメンション変更による部分も大きいだろう。
スイングアームを伸ばし、ホイールベースも延長されたことに加え、ステム周りもアップハンドル化されただけでなく、オフセット量を変更。パワフルなだけありそのバランス取りには苦労をともなったはずだが、見事に安定方向へセットアップされている。

初代のドゥカティ・ストリートファイターがスーパーバイク「1098」のカウルを取り去って、そのままネイキッド化したかのようなマシンで、かなりのヤンチャ……というか、まだまだ未完成と思われるハンドリングだったのが印象に残っているだけ、この進化は驚くべきものだった。

フロントサスペンションはオーリンズ製電子制御式NIX30フォークを装備。ブレーキは330mm径のダブルディスクに、ブレンボ製の最上級モノブロックキャリパー・スタイルマを組み合わせる。

リヤサスペンションはオーリンズ製TT36リヤショックユニットで、フロント同様に電子制御式。

ステアリングダンパーもオーリンズ製の電子制御式。前後サスペンションとステアリングダンパーはオーリンズ製の電子制御システム「スマートEC2.0」によって統合制御される。

基本的にはスムーズで扱いやすいが……「速すぎる」

ワインディングではバンキングも旋回力もクイック過ぎず、想像以上に穏やかな味付けとなっていて、必要以上のプレッシャーを感じさせない。
こうしたハンドリング、そして乗り易さを感じさせる要因は、エンジン性能によるところも大きいだろう。
低回転域では1発1発の爆発間隔がやや大きめで不安定になりがちなツインに対し、4気筒エンジンは断続的にトルクを供給してくれるので、スムーズなエンジン特性となりやすい。
また、ベースとなっているパニガーレV4から低中速域のエンジンマネージメントもより緻密にしているのだろう。ギクシャク感や唐突さは無く、意外なほど従順なのだ。

ただし、高回転域となると話は別だ。
ワインディングでは、8000回転も回せば十二分に速い。それこそ1万回転なんて回してしまったら命の危険を感じるほど。恐ろしくてそれ以上回せる状況は皆無だろう。
しかし、公道試乗でのテストを終え、改めてクローズドコースそのパワーを解き放ってみたのだが、まだまだその先に強烈なパワーゾーンが存在していた。
正直、この領域を公道で味わうことはほぼ不可能だ。

メーターは5インチの高解像度フルカラー液晶。ストリート向けの「ロードモード」、サーキット向けの「トラックモード」の2種類の表示パターンを選択できる。写真は「ロードモード」時のもの。

エンジンの出力特性や、電子制御の設定を変更できるライディングモードはレース/スポーツ/ストリートの3種から選択可能。各モードを選択した上で、トラクションコントロール、ABS、電子制御サスペンションなどの制御レベルを個別に調整することもできる。

スーパースポーツのパニガーレV4とは違ったキャラクターを確立している

今日、使い切れない最高出力を抱えつつ、それがストレスになるマシンは少なくない。が、ストリートファイターV4の場合は凄まじいパワーと超高回転域を秘めつつも、タコメーターを見なければ、その領域に気が付かないのでは?と思えるほど懐が広いというか、適応力が高く感じられる。

それでも満足できないライダーには「サーキットでのパフォーマンス」というボーナスもあるのだから、これは贅沢な話である。
(なおテスト後に判明した情報によれば、最高出力を115馬力に設定する「隠れモード」も存在するとのこと)

ストリートファイターV4はとにかくスペシャルなマシンだ。美しいスタイリングは飾りではなく、超絶に速いうえで、想像以上に乗りやすい。
まさに、ドゥカティのプライドが作り上げた最強ネイキッドマシンとなっている。

ドゥカティ ストリートV4S ライディングポジション&足着き性

ネイキッドマシンながら、ヒップポイントが高く、ハンドルも低めにマウントされているため、やや前傾となるスポーティなライディングポジション。スピードが上昇するにつれ、またスポーティな走りをする際にバランスする設定だ。

シート高はパニガーレV4より高い845mm(パニガーレV4は835mm)。足着き性は、身長165cmのライダーでは両足のつま先が接地する。

クッション性の高いシート。シート表皮はスウェード調の仕上げ

ドゥカティ ストリートファイターV4S 主要諸元

【エンジン・性能】種類:水冷4ストロークV型4気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク81.0mm×53.5mm 圧縮比:14.0 総排気量1103cc 最高出力153kW<208ps>/1万2750rpm 最大トルク123Nm<12.6kgm>/1万2500rpm 変速機:6段リターン
【寸法・重量】全長:2112 全幅:833 全高:1040 ホイールベース:1488 シート高845(各mm) 車両重量:199kg タイヤサイズ:F120/70ZR17 R200/60ZR17 燃料タンク容量:16L
【価格】279万9000円

試乗レポート●鈴木大五郎 写真●真弓悟史 編集●上野茂岐

灯火類はフルLED。ヘッドライトはパニガーレV4に通ずるデザインとしつつ、その上に「Vの字」に輝く「デイタイムランニングライト」を組み合わせている。

テール&ブレーキランプの内側が中空のデザインとなるテールカウルのデザインは、パニガーレV4によく似た形状。

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