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【試乗速報】BMW F900R & F900XR 「プラス40ccの余裕」で高速性能と上質さがアップ

BMWのミドルクラスモデル、「Fシリーズ」に2020年型として新たなモデルが登場する。スポーツネイキッドの「F900R」とアドベンチャースポーツの「F900XR」の2機種である。スペイン・アルメリアにて開催された国際試乗会で早速その実力を探ったところ、大排気量クラスを喰ってしまいかねない万能性の高さが明らかになった。

そもそも並列2気筒エンジンを搭載する「Fシリーズ」は、モーターサイクルの持つ奥深い魅力とともに、ビギナーにも優しいオールラウンド性を有していたことも特徴だった。しかし、現在激戦区となっているミドルクラスでイニシアチブを握るには、いささか古さを感じるようになっていたのかもしれない。
今回、車名の数字もアップデートしたF900シリーズ投入においては『デザイン・パフォーマンス・そしてプライス』という開発テーマが掲げられ(*)、このクラスをリードしようという意気込みが感じられる。これまでのFシリーズにはなかった「XR」というモデルを新たに加えこともその気合の表れであろう。

編集部註*日本では2月25日に発売され、F900Rが105万7000円〜、F900XRが114万8000円〜という価格。開発陣の言う『プライス』は日本仕様でもかなり魅力的なものとなっている。


【F900R】F800R時代とはパワー、フィーリング、全てが違う

スポーツネイキッドモデルのF900Rは。これまでのF800Rの後継的存在で、車名の数字こそ+100のみの違いであるが、エンジン、車体を含むすべてが刷新されている。
まず、大きな変更を受けたエンジンであるが、これは2018年にリリースされたF750GS&850GSのものをベースとしている。このエンジン自体は、それ以前のFシリーズのエンジンが360度クランクだったのに対し270度クランクへ変更するなど、基本設計からすべてが異なったもの。
360度クランク時代のエンジンフィーリングはBMWの代名詞とも言えるボクサーエンジン──水平対向2気筒を彷彿させる穏やかな吹け上りが特徴だった。一方、270度クランクは現在多くのメーカーが並列2気筒エンジンに採用する方法で、理論上は90度Vツインエンジンの特性に近くなる。そのためドコドコとしたトルク感やサウンドがあり、360度クランクだったFシリーズの後継モデルとは思えないほどの大きなイメージチェンジに驚いた記憶がある。

F800Rの後継として登場したスポーツネイキッドのF900R。

F900Rのコンセプトは「ライディングを純粋に楽しむ人のための、ダイナミック・ロードスター」というもの。

その270度クランクの新型エンジンをそのまま使うのではなく、排気量アップをはじめ、よりハイパフォーマンスが求められるロード市場に向けた改良がしっかりなされている点に、新たに「F900」シリーズとした意気込みが感じられる。
F-GSシリーズではシフトタッチがやや硬かったが、そこは改善されて、よりスムーズな操作が可能となった。分厚いトルク感といった印象はないのだが、必要十分なトルクがどこからでも都合よく使えるフレシキブルさで、ポンポンとシフトアップしながらまずは低回転域を使って市街地を流す。
じんわりとした吹け上りだった360度クランクエンジンのF800Rに対し、よりレスポンスよく、躍動的で、同じ270度クランクエンジンの現行型F750GS・F850GSと比較してもスペックに偽りなく明らかに力強い。

F900Rに搭載される895cc並列2気筒エンジン。F800Rに比べほぼ全回転域でパワー・トルクともに上回っている。

F900R:270度クランク・排気量895ccで最高出力105馬力
F800R:360度クランク・排気量798ccで最高出力90馬力
F750GS:270度クランク・排気量853ccで最高出力77馬力
F850GS:270度クランク・排気量853ccで最高出力95馬力

車体がF-GS系モデルよりコンパクトで、サスペンションストロークも短いことによるダイレクトな挙動も影響しているだろうが、確実にパワーとトルクが上乗せされているのが感じられる。
その一端を示すのが高速域性での反応だ。恐怖心を抱かせることなく、テストコースではフラットに200km/hオーバーまですんなりマシンを加速させてみせた。それでいて振動は少なく、長時間の高速巡行における快適性も確実に高まっている。

基本的な骨格……メインフレームとスイングアームはF750GS・F850GSと共通だが、車体は非常に安定感が高く、不安に感じるような嫌な挙動は予兆さえみせない。
これはBMWの伝統ともいえるしっかりとした剛性を確保した結果であろう。
それでいて、適度な「しなり感」も与えられているのでマシンからの豊かなフィードバックが感じ取ることができ、上手く折り合いをつけている印象だ。
先代モデルであるF800Rに対し、全ての領域で性能やフィーリングもレベルアップしている。スポーツネイキッドである「R」のDNAをしっかり継承した、期待を裏切らないマシンとなっていた。

LEDを採用し、視認性を高めたヘッドライト。点灯している部分はデイタイムライディングライト兼ポジションライト。

6.5インチのフルカラー液晶を採用するメーターパネル。写真はオプション装備の「キーレスライド」採用車。

BMW F900R主要諸元(欧州仕様)

【エンジン・性能】種類:水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ ボア×ストローク:86mm×77mm 圧縮比:13.1 総排気量:985cc 最高出力:77kW<105ps>/8500rpm 最大トルク:92Nm<9.4kgm>/6500rpm 燃料タンク容量:13L 変速機:6段リターン
【寸法・重量】全長:2140 全幅(サイドミラー除く):815 全高:── ホイールベース:1518 シート高(スタンダード):815(各㎜) 車両重量:211kg タイヤサイズ:F120/70ZR17 R180/55ZR17

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