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ホンダ原付二種で最も安い「ディオ110・ベーシック」。約25万円で日常使いに欲しい装備がほぼ揃っちゃう。地味に凄いです

ディオ110 ベーシック ホンダ 2025

スーパーカブ以上に庶民派!?

原付二種で15車種というラインアップを誇るホンダ。国内メーカーではブッチギリでトップの車種数です。 

スクーターにカブ系モデル、マニュアルトランスミッションのスポーツ車にEVとジャンルも色々ですが、その中で最も安いモデルは庶民の味方スーパーカブかと思いきや……お値段25万800円のスクーター「ディオ110・ベーシック」。
「ディオ110」(28万6000円)からスマートキーを省略し、外装の仕上げをシンプルにしたモデルとなります。

なおスーパーカブ110は30万2500円ですが、そのディオ110・ベーシックは価格もさることながら、装備面もスーパーカブ以上に庶民派というか、日常ユースで便利なものがしっかりそろっています。

ちなみに「ディオ昔乗ってたよ〜」という方も多いかと思いますが、ホンダの原付(50cc)の定番車種・ディオは2016年に生産終了。現在、その名がつくモデルは原付二種のディオ110シリーズのみとなっています。

ディオ110・ベーシック(25万800円)

ホンダ ディオ110・ベーシックの収納、装備

まずは皆さん真っ先に気になるであろう収納関係から。
ディオ110・ベーシックには容量18Lのシート下収納が確保されておりで、ヘルメット1個を収納可能。
逆にヘルメットを入れてしまうとそれ以外の物をしまうのは厳しいですが、ヘルメットホルダーも装備されているので荷物用にスペースを空けておくこともできます。

また、ハンドル左下には500mmのペットボトルが入るインナーボックスがあるほか、ハンドル真下には買い物袋などをかけるのにちょうどいいフックも装備されています。

容量18Lのシート下収納。シートヒンジの側にある突起(赤い丸の部分)がヘルメットホルダーで、2つあります
ハンドル左下にあるフタ付きのフロントインナーボックス

次に機能面です。
メーターはアナログ指針式の速度計に小型液晶モニターの組み合わせで、シンプルで見やすいデザイン。液晶には燃料計も表示されます。

ディオ110・ベーシックにはサイドスタンドとセンタースタンドが両方ついていますが、やはり日常で使いやすいのはサイドスタンド。とはいえ「ギヤを入れて停める」ができないスクーターは傾斜があるところでずり下がらないよう駐車に注意ですが、ディオ110・ベーシックはパーキングブレーキがついているのがポイント。

パーキングブレーキは必ずしもスクーターに装備されているものではなく(例えばホンダではPCXはついていない)、あると安心&便利な機能です。

アナログ式の速度計と液晶モニターを組み合わせたメーターユニット。液晶内はトリップメーターと燃料計を表示。燃料計は残量約0.9Lとなると最後の目盛りが点滅し注意を促します

ホンダ ディオ110・ベーシックの走り

そして走りですが、あくまで市街地メインの日常ユース目線でお伝えします。
普段の足に使う原付二種スクーターを選ぶ際「ワインディングでのコーナリング性能」を最重要視するという人はいなくもないでしょうが、極めて少数かと思うので。

全体として、ディオ110・ベーシックは60km/h以内──街乗りの速度域に特化している印象です。
エンジンは空冷の109cc単気筒で8.7馬力。他メーカー含め水冷の125cc勢は10馬力超えが多いですが、ディオ110・ベーシックが特に「遅い」という感じはありません。車重が96kgと軽量なのも大きいでしょう。
一般道上限の60km/hまでスッと加速していきますし、80km/hくらいまで普通に伸びていきそうな雰囲気があります。

公称燃費はWMTCモード値で55.6km/L(1名乗車)、国土交通省届出値59.4km/L(2名乗車時)と良好で、アイドリングストップ機能もついています。燃料タンク容量は4.9Lで、実走の燃費を悪く見積もっても航続距離200kmは余裕でしょう。

OHC2バルブの109cc空冷単気筒エンジンは最高出力8.7ps/7500rpm、最大トルク0.92kgm/5750rpmの性能。「eSP」とは「エンハンスド・スマート・パワー」の意で、低中速で優れた出力特性と低燃費を両立しているのが特徴

ホイールは原付二種のスクーターでは珍しい前後14インチ。その大きいホイール径で安定重視かと思いきや、曲がり方はクイック。どこか50ccスクーターに通じる小回りのしやすさで、混雑した市街地や細い路地などもスパッ、スパッっと俊敏に走ることができます。

一方、取材時には穴ぼこだらけの荒れた道を走ったのですが、そうした場面では14インチのホイールが効果を発揮しているのか安定感ある走りとなりました。

乗車姿勢については、足下には直立したフロントカウルが迫っており、足を伸ばすことはできません。そのため乗車姿勢は決められた位置に固定される感はありますが、シートは長さがあるので身長の高い人への対応度はありそう。
また、足をあげて「またがる」ではなく、「こしかける」で乗れるステップスルーなので、乗り降りのしやすさもディオ110・ベーシックの美点です。

前後とも14インチのホイールを採用するスクーターは珍しい。ちなみにホンダ原付二種スクーターではPCXが前14インチ/後13インチ、リード125が前12インチ/後10インチです

ホンダ ディオ110・ベーシックのここが凄い&ここが気になる

気になった点として、ハンドル周りが「THE 樹脂のカタマリ」という感じで安っぽいという印象はありましたが(表面に装飾は施されているのですが……)、これは使い勝手とは関係無い部分。仮にそこを「高級感ある素材でカッコいいデザインにします、でも価格がちょっと上がります」となったら、う〜ん、何とも言えないところです。

それよりも、ディオ110・ベーシックは日常的に使うにあたり「価格が安いんで◯◯を省略しました」という要素が無いのが凄いと思うのです。

その「省略」にもかかわるのですが、最後にディオ110とディオ110・ベーシックのどっちを選ぶかについて。ディオ110はスマートキー採用となるのは冒頭でお伝えしましたが外観面でも違いがあり、車体色は「マットギャラクシーブラックメタリック」のみで、リヤキャリヤ、車名エンブレム、HONDAロゴがスポーティなレッド仕上げとなります。

ディオ110(28万6000円)

筆者の結論としては「ベーシック」です。車体色&外観の仕上げは好みの問題となりますが、「スマートキー代」が約3万5000円と考えると……。その差額で純正アクセサリーのグリップヒーターをつけたり(1万9965円)、トップケースをつけたり(本体2万7500円+キャリアベース6050円)したくなるのです。

レポート●上野茂岐 写真●飯田康博

ホンダ ディオ110・ベーシック主要諸元

【エンジン・性能】
種類:空冷4ストローク単気筒OHC2バルブ ボア×ストローク:47.0mm×63.1mm 総排気量:109cc 最高出力:6.4kW(8.7ps)/7500rpm 最大トルク:9.0Nm(0.92kgm)/5750rpm 燃料タンク容量:4.9L 変速機:無段変速式

【寸法・重量】
全長:1870 全幅:685 全高:1100 ホイールベース:1255 シート高:760(各mm) 車両重量:96kg タイヤサイズ:F80/90-14 R90/90-14

【車体色】
ナイトタイドブルーメタリック、マットギャラクシーブラックメタリック、パールスノーフレークホワイト

【価格】
25万800円

ディオ110・ベーシック:車幅がスリムなのも特徴。全幅=ハンドル幅は685mmで、それが「クイックな曲がり」に作用しているのかも
ディオ110・ベーシック:車名や一部装備は異なりますが、ヨーロッパやアジア圏などグローバルで販売されているディオ110シリーズ。日本で販売されるものはベトナム生産となります

カラーバリエーション

ナイトタイドブルーメタリック
マットギャラクシーブラックメタリック
パールスノーフレークホワイト
ホンダ ディオ110・ベーシックの装備や足つきを写真で解説

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