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ヤマハ Fazzio(ファツィオ)は「2022年に発表された東南アジア向け簡易ハイブリッドモデル」
ヤマハは、2025年3月21日(金)~23日(日)にインテックス大阪で開催の第41回大阪モーターサイクルショー2025で、原付二種スクーター「Fazzio(ファツィオ)」をサプライズ公開した。すでに東南アジア市場で販売中のモデルを披露する理由はただひとつ。そうコレ、日本でも2025年内に市販を予定しているのだ!
大阪モーターサイクルショー2025のヤマハブースに飾られた、キュートなブルーのスクーター。その正体は、2022年1月に東南アジア市場向けモデルとして発表され、インドネシアやタイなどで販売されている「Fazzio(ファツィオ)」だ!
例えばインドネシア仕様の場合、2025年型には機能とカラーリングの違いによりハイブリッド ラックス/ハイブリッド ネオ/ハイブリッドの3タイプがあり、今回展示されたブルーは「ファツィオ ハイブリッド ネオ」に相当。スマートキーシステムとスマホ連携機能を備え、ツートーンシートカラーなどが省かれた中間グレードだ。


空冷エンジンにマイルドハイブリッドを組み合わせる
124.86cc空冷単気筒エンジンは「ブルーコアハイブリッド」と呼ばれる。スターターとジェネレーターの機能をまとめたISGシステムを活用して、発進から最大3秒間の加速を電動でアシストする、いわゆるマイルドハイブリッド機構を搭載しているのが大きな特徴だ。インドネシア仕様の最高出力は8.4馬力だが、モーターサポートより初期加速を高めることに成功している。


Fazzio(ファツィオ)は装備も充実、ロングシートには余裕あり!
今回展示されたファツィオは、デザイン性やハイブリッドがもたらす発進加速性能だけでなく、スクーターとしての利便性や快適性を高める装備も優れている。アイドリングストップ機構やデジタルスピードメーター、USB電源内蔵のフロントポケット、2個のカバンホルダー(コンビニフック)を全グレード標準装備。前述のように、中間グレード以上ならスマートキーシステムとスマホ連携機能も備える。
ややレトロで愛くるしいポテっとしたデザインなので、車体はやや大柄な印象も受けるが、実際には全長1820mmでホイールベースは1280mmなので、同じ前後12インチホイールを履くヤマハ シグナス グリファスと比べても、全長は115mm、ホイールベースは60mm短い。しかも車重は95kgで、このクラスとしてはかなりの軽量級。シート高は750mmで、タンデム(あるいはそれ以上の乗車人数かも……)が多い東南アジアモデルらしく、シートは前後に長く快適そうだ。



バイク離れが著しい日本のZ世代に刺激を!
このスクーター、アジア圏では優れたファッション性が評価され、Z世代と呼ばれる10~20代の若者を中心に、絶大な支持を集めてきたらしい。例えばインドネシアのヤマハウェブサイトを覗いてみると、そこにはサングラスをかけた4人の若者たちが、ファツィオとともにポージングを決めている。
「若者は直線的にデザインされたスクーターを好むもの」として育ったオジさんには、ファツィオの丸みを帯びたデザインをこういうコたちが気に入るというのは、なんだかちょっぴり新鮮だ。というより、こちらが古いのか……。
もちろんヤマハは、現代のトレンドをしっかり理解しており、だから今回の大阪モーターサイクルショーでは、人気イラストレーターのutuとスペシャルコラボしたイラストパネルとともに、ファツィオを展示している。
こちらは、女性ユーザーも意識していそうな雰囲気で、となると「50cc以下ではなく、4kW仕様の125cc以下となる“新基準原付”版のビーノがこれに!? 」なんてことまで勘ぐってしまうが、展示車両にはフロントフェンダーとリヤフェンダーに、原付二種であることを示すマークがすでに装着されているので、まずは原付二種として販売することを目指しているのは間違いなさそうだ。
ただしもちろん、新原付との2本立てという可能性もまったく否定できない。いずれにせよ、日本における詳細発表を待つしかない。


レポート●田宮 徹 写真●モーターサイクリスト編集部 編集●上野茂岐
特設サイト「モーターサイクルショー2025 ヤマハスペシャルサイト」では、ブース内イベントや展示車両の最新情報などを随時更新。