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キムコの4輪バギー「MXU150X」に試乗!ビギナーでも楽しい、でもオフ車乗りならもっと楽しい!!

台湾の「キムコ」は世界的なATV=4輪バギーメーカーでもあるのです

バイク好きなら一度はチャレンジしていただきたいのがATV=4輪バギーです。
というのも、たいていのモデルがバイクと同じくバーハンドルを装備して、シートやステップボードもニーグリップやスタンディングしやすい設計となっているのです。

クルマのように腰かけて、手ごたえあるハンドルでコントロールすることもできますが、実はバイクと同じく体重移動などで積極的に向きを変える走りができ、それが実に楽しい。

しかもファットでソフトなタイヤのおかげで、悪路や泥濘地の走破性も高いとなると、オフロードバイク乗りはもちろん、乗り物好きなら興味がわくというもの。さらに、今回乗ったバギーはスクーターでおなじみの台湾「キムコ」が作っているモデルですから、親近感を抱く方も少なくないでしょう。

そんなキムコの4輪バギーですが、国内には意外なほど豊富なラインナップが用意されています。小さいものはキッズ向けの50ccから、単気筒700ccといったワイルドなモデルまで、レジャーや業務用など幅広いレンジというのが特徴です。また、バギーアクティビティ施設で乗るのに免許は不要。ヘルメットなどもレンタルできることがほとんどなので、じつに手軽に体験できるのです。

キムコの4輪バギーは50ccから、上は700ccまで豊富なラインアップ。左は150ccの「MXU150X」、右は2ストローク50ccの「MAXXER50」

そもそも、キムコは創業当時にはホンダのバイクをノックダウン生産していた由緒あるメーカーですし、現在はBMWの大型スクーターにエンジンを供給するなど、エンジンやシャシーづくりのノウハウ、精度の高さについても折り紙付き。万が一、故障してもパーツの供給は迅速で、アフターサービスも行き届いているという評判です。

国内には4輪バギーを楽しめるアクティビティ施設が100以上ありますが、そのうち70以上の施設がキムコ製モデルを導入しているとのことで、その信頼性の高さがうかがえるというもの。また、 農家やスキー場など業務用にも多く使われています。

ATVはオフロードバイクの運転感覚で、スタンディングも有効。ドカッと座っても乗れますが、積極的に身体を使ったほうが操っている感マシマシです!

ATVの運転は結構バイクと共通点がある

試乗会場となった「東京バギー村」もキムコのヘビーユーザー。キッズや初心者向けのフラットでシンプルなオーバルコースから、本格的なアンジュレーションを伴ったテクニカルコース、あるいは泥んこまみれの走りが楽しめるエリアなど、バギーアクティビティを心底楽しめる施設となっています。ちなみに、泥んこになってもシャワー施設が用意されているので、走行後はサッパリ洗い流すのも可能となっています。

試乗したのはキムコ製4輪バギーの中核を担うMXU150Xで、車名のとおり150ccの空冷4ストローク単気筒エンジンを搭載したモデル。全長1775mmとコンパクトなサイズなので、乗り込んでみれば誰もがフレンドリーだと感じるはず。

そして、バイクのそれに近いバーハンドルには左右ブレーキレバーとアクセルレバーが装備され、燃料タンク右側には前進・ニュートラル・後退を切り替える変速スティック。トランスミッションはCVT(無段変速)となります。

150ccの空冷4ストローク単気筒エンジンを搭載するキムコ MXU150X。全長1,775mmのコンパクトなサイズで、ビギナーでも気軽に乗り出せます
エンジンは最高出力11ps/7,500rpm、最大トルク1.1kgm/5,500rpmという性能で、中低速のトルク感はなかなかのもの。痛快なダッシュが味わえます

乗車前に操作方法のレクチャーを受けましたが、バイカーならば直感的に運転できるでしょう。また、スロットルでなくレバーによるアクセラレーションもクセがなく、悪路ではハンドルをしっかり押さえたくなるバギーだからこそむしろ理にかなっている設計です。

185kgの車体に最高出力11ps、最大トルク1.1kgmといったスペックはさほどパワフルな印象ではありませんでしたが、エンジンが中低速トルクに全振りしたかのようなセッティングなので、走り始めなどでは出足の鋭さに驚くはず。

スクーターにも似た排気音とともに加速していき、ファットでソフトなタイヤのおかげで乗り心地は意外にも良し。凸凹を乗り越える際もストロークのあるサスペンションがいい仕事をしてくれるので、オフロード系の乗り物好きでなくとも思わず歓声が上がるはず。

ただし、コーナリングをバイクのようにカッコよく決めようとするのはチャレンジング。前述の太いタイヤが抵抗を生むため、コーナーの入口から向き変えを意識しつつ、場面に応じた体重移動が求められるのです。オフロードバイクのようにスタンディングも有効なのですが、そうした乗り方をしていると筆者などはすぐさま息が上がるような運動量となりました。

クルマに近い見た目の4輪バギーですが、そのライディング感覚はバイクのそれに通じるものがあります。また、全身をさらけだして走る快感はバイカーなら誰もが納得する気持ちよさ。バイカーの皆さんにバギーをオススメするのは、そんな楽しさをぜひ体験してほしいから。キムコのバギーを楽しめる施設は全国各地に100ヵ所ほどありますので、ツーリング時のレジャースポットとしてもアリかも!? バイクとはひと味違ったリフレッシュをしてみてはいかがでしょう。きっと、新鮮な乗り味に嬉しい驚きがあること請け合いです。

キムコ MXU150Xはフレンドリーな車体ながら、走りは本格的。バイカーならそのライディングテクニックを活かしチャレンジしたくなる乗り物です
入門用としても最適なキッズモデル、MAXXER50もなかなか侮れない走り。アクティビティ施設なら、ファミリーでも楽しめます

キムコ MXU150Xの装備・特徴

バイクに近いバーハンドル。パワステではないので適度な手ごたえがあり、ハンドルを切って操舵するので、その点はバイクとは異なる操作感です
悪路ではハンドルにつかまりたくなるので、アクセルはグリップスロットルでなくレバー式が選ばれています(赤い丸の部分)
太くて柔らかなタイヤはバギーならではの乗り味、操作感を生み出します。慣れてきて、これでコーナリングが決まると快感もひとしおですよ!

キムコ MXU150X主要諸元

エンジンタイプ:空冷4ストローク単気筒

総排気量:149cc

燃料供給装置:キャブレター

最高出力:8.1kw(11ps)/7,500rpm

最大トルク:11Nm(1.1kgm)/5,500rpm

変速機形式:CVT

始動方式:セル・キック併用式

燃費:N / A

乾燥重量:175kg

装備重量:185kg

全長 × 全幅 × 全高:1,775 × 950 × 1,040(各mm)

シート高:750mm

ホイールベース:1,115mm

燃料タンク容量:8.1L

タイヤ(フロント):21×7-10

タイヤ(リヤ):22×10-10

ホイール:スチール

サスペンション形式(フロント):シングルAアーム

サスペンション形式(リヤ):スイングアーム

ブレーキ形式(フロント):110mm機械式ダブルドラム

ブレーキ形式(後):180mm油圧式シングルディスク

車体色:イエロー

価格:59万4000円

東京バギー村は、都内から60分程度でアクセスできる施設。キャンプ、BBQ、ピザ焼き体験などもできるのでツーリングの穴場スポットと言えるかも!?

レポート●石橋 寛 写真●キムコジャパン株式会社 編集●上野茂岐

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