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ホンダが2024年モデルとして発売を予定している新型車「GB350C」。今春に開催された大阪・東京・名古屋のモーターサイクルショーで実車が公開され、注目している人も多いのではないだろうか。
車名や外観からもわかるようにGB350のバリエーションモデルと言えるが、GB350Cならではの魅力、特徴とは? 開発に携わった笹澤裕之さんに話をうかがった。
インド市場の要望を踏まえつつ、クラシックなスタイルを追求
GB350C開発の大前提としては、インドにおいて普遍的なクラシックスタイルを求める声があったという。
「こういう形に馴染みがあるというお客様がインドにはやはり多くいらっしゃいまして、スタンダードのハイネス(GB350の現地名)からさらに、クラシックな形の方が欲しいというご要望に応える形で提案いたしました」と笹澤さん。
特徴は、前後フェンダー、燃料タンク、サイドカバー、フロントフォークカバー、マフラーボディまで、すべてスチール製部品による新作としたことだ。
「深く大きなフェンダーの端はロール成形ですし、そのフェンダーやデザインを変えたシートの兼ね合いもあってサブフレームも変えています。ヘッドライトケースやリム、メータパネルの装飾も変え、GB350と同じ外装を使っておりません。エンジンの仕様に変更はありませんが、マフラーはデザインを変え容積が減少していますが、法規と出力を満足させるために内部構造はかなり工夫しました」
これだけ(プレス成形の多い)金属製部品を新作すると、その製造コストは相当なものになる。しかし、今回はコスト抑制に相当な努力があったようだ。背景にはGB350シリーズの大ヒットもあるだろう。
「価格的にはスタンダードから多少上がるとは思いますが、基本的にはそれほど上がらないよう努力するのもチームの思いとしてありました。価格が上がれば上がるほど、年齢の若いお客様がお求めしづらくなるわけです。個人的な思いとしては若いお客様に乗っていただき、GB350の良さを、さらにバイクの良さを感じていただき、さらに次の時代へ繋げていただきたいと思っています」
新設計された外装パーツの数々
レポート●関谷守正 写真●ホンダ/モーサイ編集部 編集●上野茂岐