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ロイヤルエンフィールドの「ブリット」が新型350cc空冷単気筒になって登場
ロイヤルエンフィールドは2020年発表のクルーザーモデル・メテオ350を皮切りに、新開発の350cc空冷単気筒と「ツインダウンチューブスパインフレーム」を組み合わせた、「Jシリーズプラットフォーム」による新型車を次々と送り出している。
車名どおりクラシックなスタイルの「クラシック350」、前後17インチホイールでネイキッドスタイルの「ハンター350」に続き、同プラットフォーム4番目の新型350ccモデルとして2024年3月15日から日本で発売されたのが、「ブリット(BULLET)350」だ。
ブリットの車名は昔からロイヤエンフィールドを知るライダーにとっては、最も懐かしい名前になるはずだ。
ちなみにBULLET、和訳で「弾丸」を意味する車名のモデルをロイヤルエンフィールドが初めてリリースしたのは、なんと今から90年以上前の1932年のこと。
250/350/500ccのラインアップで、単気筒のフラッグシップモデルとして展開された往年のブリットシリーズは、マン島TT、ISDTなど世界格式のレース、競技で活躍。
ロイヤルエンフィールドの名を世界的に高めたモデルでもあり、イギリスのロイヤルエンフィールドが健在だった1955年にインドでノックダウン生産が開始されて以降もロイヤルエンフィールドを代表する車名だった。
ロングストローク型エンジンであるのは変わらず!
そんな伝統的モデルの最新版の特徴は、前述のようにJシリーズプラットフォームを採用し、近代化されたエンジンとシャシーだ。
ロングストローク型のOHC単気筒エンジンは、精緻なマッピングで噴射をコントロールされたフューエルインジェクションと組み合わされ、エンジン内部にはカウンターバランサーを内蔵して余分な振動を抑制。心地よい鼓動とともに頼もしい低回転域のトルクを発揮する。
ツインダウンチューブスパインフレームで堅牢で安定感のある走りを確保したほか、デュアルチャンネルABS採用の前後ディスクブレーキが安心の制動力を発揮。クラシカルで伝統的なフォルムを維持しながら、快適性も向上。新たなデザインのシートは肉厚で広めの座面を持ちつつ、太もも下のサポートを改善する形状とした。
伝統の車名をオマージュしてシックかつ上質な装いとしたカラーリングは、スタンダードグレードがブラックとマルーン(栗色)の2色で価格は69万4000円。
上級グレードのプレミアムは、黒基調にゴールドのラインをあしらった車体の1色の設定で、価格は70万1800円。2024年3月15日から発売が開始されている。
ロイヤルエンフィールド新型ブリット350の特徴
■ツインダウンチューブスパインフレームに搭載される空冷単気筒はボア・ストローク72mm×85.8mmのロングストローク型で、最高出力20.2ps/6100rpm、最大トルク2.8kgm/4000rpmの性能。低回転のトルクが充実した特性となっている。写真はインド仕様。
■ワイヤースポークのホイールはフロント19、リヤ18インチで、クラシックな雰囲気と乗り味を実現。フロント300mm、リヤ270mm径のディスクはデュアルチャンネルABS装備で、荒れた路面でも安定した制動力を発揮。写真はインド仕様。
■ヘッドライトカバー兼用のメーターまわり。中央の速度計下部に小振りなデジタルディスプレイを配置。ここに燃料残量計、オド&トリップなどを表示。速度計左下がイグニッションキー部分。写真はインド仕様。
■新デザインを採用し、肉厚で座面が広いタックロール付きシート。快適性の高そうな形状とボリュームだ。前側は適度に絞り込まれて、足の下ろしやすさに配慮されているものの、相応に着座位置は高め(シート高は805mm)。
ロイヤルエンフィールド ブリット350主要諸元
■エンジン 空冷4ストローク単気筒OHC2バルブ ボア・ストローク72✕85.8mm 排気量349cc
■性能 最高出力14.9kW(20.2ps)/6100rpm 最大トルク27Nm(2.8kgm)/4000rpm
■変速機 5段リターン
■寸法・重量 全長2145 全幅785 全高1125 ホイールベース1390 シート高805(各mm) 車両重量195kg タイヤサイズ 前100/90-19 後120/80-18
■燃料タンク容量 13L
■車体色 ブラック、マルーン(スタンダード)、ブラック×ゴールド(プレミアム)
■価格 69万4000円(スタンダード)、70万1800円(プレミアム)
まとめ●阪本一史 写真●ロイヤルエンフィールド/八重洲出版