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カワサキ新型KLX230「新排ガス規制適応だけでなく、車体面も改良されている」
東京モーターショー改め、2023年10月26日〜11月5日に開催されたジャパンモビリティショー2023。カワサキブースでは空冷単気筒エンジンを搭載する軽二輪=250クラスの新型クラシックモデル「メグロS1」と「W230」が世界初公開され注目を集めた。
もうひとつ注目したい250クラスのモデルが同じく世界初公開となった新型KLX230だ。従来型KLX230は2019年10月に日本で発売開始。近年貴重な存在となった軽二輪オフロードモデルであり、OHC2バルブの232cc空冷単気筒エンジンを搭載、だれもが楽しめる軽さ、パワフルさ、扱いやすさを狙ったモデルとして開発された。しかし、平成32年排出ガス規制のため2022年に惜しくも国内販売が終了──。
そしてジャパンモビリティショー2023で公開されたのが、新排出ガス規制に対応しつつ、各部の改良を施した新型KLX230である。具体的なスペックや価格は未公表だが、カワサキモータースジャパンは国内での発売予定を発表しており、2024年モデルとして登場することになるだろう。
その新型KLX230について、カワサキモータースジャパン・マーケティング課の赤地佑介さんに詳細を聞くことができた。
「KLX230の新型は、従来型と同じくインドネシア生産車になると思いますが、新しい排出ガス規制に対応しエンジンは小変更を行っています。そのほか、外観で違いがわかるところでは、ヘッドライトの小型化とデザイン変更、KXシリーズイメージのスタイリング、カラーへの変更などです。従来型はインドネシア市場などに配慮し、郊外でも十分な光量を確保するためにヘッドライトはかなり大きなサイズでしたが、LED化してコンパクトな形状にしつつ十分な光量を確保しました」
車体面ではフレームとサスペンションを最適化。そのほか、足着きにも配慮したうえで厚みを増したシートを採用し、オフロード走破性と快適性の両方の向上を高めているという。また、従来型でカワサキとして初めて導入した「デュアルパーパスABS」も進化し、走行状況に応じてABSを解除可能なABSオフスイッチを装備。そのほかに、スマートフォン連携機能も採用される。
新型KLX230と従来型KLX230Sを外観から比較
新型のスペックは未発表のため、新型KLX230と2022年まで販売されたローシート仕様のKLX230Sを写真で比較してみる。
一見して目に付くのは新型ヘッドライトのコンパクト化で、すっきりとして精悍な印象だ。新型は前後サスペンションを最適化したというが、フロントフォークのキャスター角が立ち、リヤは車高が上がっているように見える。当然最低地上高も上がり、オフロード走破性能が高まっているはず。
セミダブルクレードルのフレームは基本骨格は同じようだが、ダウンチューブとアッパーフレームをつなぐ補強パイプの溶接位置、アッパーフレームから伸びるシートレールの溶接位置などにも違いがありそうだ。
新型KLX230
従来型KLX230S(2022年モデル)
新型KLX230
従来型KLX230S(2022年モデル)
エンジンを見てみると、排気ポート横に付く二次エアシステムの形状やサイズが従来型と異なっているほか、新型ではエキパイの管長がかなり長くなっている。サイレンサーまで含め、新排ガス規制への対応や性能面の調整でマフラーはかなり変更が行われているはずだ。
新型KLX230
新型KLX230のエンジン。排気ポート横の二次エアシステム部の形状とサイズが大型化したように見えるほか、排気ポートから出たエキパイの管長も延び、取り回しが大きくなっている。
従来型KLX230S(2022年モデル)
従来型KLX230Sのエンジン。二次エアシステムが新型より小さいほか、エキパイも短い。なお二次エアシステムとはエアクリーナーから導入した空気をシリンダーヘッドの排気ポートに送り込み、未燃焼ガスを再燃焼させる機構。
まとめ●阪本一史 写真●モーサイ編集部/カワサキ/岡 拓/ジャパンモビリティショー2023