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BRP カンナム スパイダーRT試乗「価格は約430万円から!クルマの免許で乗れる1300cc超豪華3輪モーターサイクル」

BRP カンナム スパイダーRTリミテッド

カナダ生まれ、カンナムトライクの最上級モデル「スパイダーRT」シリーズ

フロント2輪・リヤ1輪のインパクトのある外観をはじめ、クルマともバイクとも異なる操作感、乗り心地が魅力のトライク「カンナム」。AT限定の普通自動車免許でも乗ることができ(*)、新たなモビリティとして注目されている。

カナダのBRP社(ボンバルディア・レクリエーショナル・プロダクツ)が展開するこのカンナムで最上級となるモデルが「スパイダーRT」シリーズだ。その最新版、2023年モデル「RTリミテッド」に試乗した。
スパイダーRTシリーズはオーディオシステムやシートヒーター、大容量のトランクスペースの装備などでぜいたく感を味わえる。快適にロングツーリングを楽しめるグランドツアラー的な立ち位置だ。

*編集部註:トライクの運転には自動車免許が必要。二輪免許では運転できない。

BRP カンナム スパイダーRTリミテッド

独特の操縦感覚「舵を切るようなハンドル操作と4輪に近い横G」

上質なシートに腰を下ろすと、出てくる言葉は「快適」のひと言。アップライトなハンドルを握り、大型ステップに足をゆったりと置けば、リラックスしたポジションで優雅なクルージングを味わえる。
搭載する1330cc並列3気筒エンジンは、重厚なボディをものともせずスイスイと走らせる実力を持ち、アクセルを開けるとシャープな加速や走りも味わえる。ハンドリングはやや重めで、相応に力を入れて切る感覚だ。バイクと異なり車体を傾けて曲がるわけではないので、コーナリングではハンドル操作が主となり、感じる横Gはクルマに近い。しかし、普通自動車免許で乗ることができる乗り物では、稀な開放感とインパクトを持ち、ライダーにとっては新鮮な走りを与えてくれる1台と言える。

一般的なトライクとは逆で、フロント2輪・リヤ1輪の革新的なスタイルと安定感のある走りを特徴としたリバーストライクのフラッグシップモデル「スパイダー RT」シリーズ。テスト車は「スパイダーRTリミテッド」。
リヤには容量60LのLinQトップケースを標準装備。また車体一体型の左右サイドケースとあわせて、177Lの荷室容量を誇る。
クルマともバイクとも異なる個性的なフロントデザイン。スクリーンは電動調整式で高さ調整が可能なほか、好みのポジションを記録しておくこともできる。
車体は軽自動車と比較して横幅は8cmほど広く、前後長は50cmほど短いサイズ。
パワーユニットはBRP傘下のエンジンメーカー、ロータックス製1330cc並列3気筒。最高出力は116psで、バックギヤ付きセミオートマチック6段トランスミッションを組み合わせる。
ハンドルはバイクと同様のバータイプで、アップライトな乗車姿勢となる。なおスパイダーシリーズは、ハンドルに電子制御式パワーステアリングが付いている。
メーターは視認性に優れる7.8インチの大型カラー液晶で、画面左が速度計と燃料計、画面右に回転計という表示レイアウト。
タンデム用バックレスト付きのシートは幅広で座り心地がよく、シートヒーターも標準装備しロングライドも快適だ。
フロントタイヤのサイズは軽自動車などで用いられる165/55R15だが、サイズ表記には「MC」と書かれており二輪用タイヤとなる。フロントブレーキは270mmディスクにブレンボ製4ピストンキャリパーの組み合わせ。

BRP カンナム スパイダーRTリミテッド主要諸元(2023年モデル)

■エンジン・性能
種類:水冷4ストローク並列3気筒DOHC4バルブ ボア・ストローク:84.0×80.0mm 総排気量:1330cc 最高出力:85.8kW<116ps>/7250rpm 最大トルク:130.1Nm<13.2kgm>/5000rpm  変速機:6段セミAT(バックギヤ付き) 

■寸法・重量・容量
全長:2833 全幅:1554 全高:1464 ホイールベース:1714 シート高:755(各mm) 車両重量:464kg(乾燥) 燃料タンク容量:26.5L タイヤサイズ:フロントMC165/55R15 リヤMC225/50R15

■カラー
シルバー×ブラック、グレー×ブラック

■価格
426万3600円〜

BRPの3輪モーターサイクル「カンナム」シリーズは全部で3系統あり

「カンナム」シリーズには今回試乗を行ったスパイダーRTシリーズのほか、スポーティなスパイダーF3シリーズ、入門グレードのライカーシリーズもラインアップされる。

カンナム スパイダーF3-Sスペシャルシリーズ。エンジンはスパイダーRTシリーズと同じ1330cc並列3気筒で、価格は343万9700円〜。
カンナム ライカー。コンパクトな車体に600cc並列2気筒エンジン/900cc並列3気筒エンジンを搭載、価格は177万7600円〜。

一般ユーザーに向けたイベントも開催「カンナムトライク試乗会」

今回のスパイダーRTリミテッドの試乗は報道陣向けと一般ユーザーの両方を対象に、2023年7月22日(土)〜23日(日)バイカーズパラダイス南箱根にて開催された「カンナムトライク試乗会」で行った。会場にはフラッグシップモデル「スパイダーRT」シリーズをはじめ、スポーティ版「スパイダーF3」シリーズ、エントリーモデル「ライカー」シリーズの2023年モデルも用意された。

多くのライダーだけでなく、普通自動車免許で乗れるということもあってクルマ好きの皆さんも、カンナムトライクの独特な世界を味わっていた。
会場では夫婦でカンナムトライクを楽しんでいるというタレントのガダルカナル・タカさんによるスペシャルトークショーも開催。タカさん自身の実体験でのカンナムの魅力を面白く、熱く語って会場を盛り上げてくれた。

2023年モデルのスパイダーF3にまたがるガダルカナル・タカさん。
7月22日(土)に開催されたガダルカナル・タカさんのトークショー。実はスパイダーのオーナーなのだ。

レポート●安室淳一 写真●岡 拓 編集●上野茂岐

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BRPジャパン TEL03-6718-4701
https://can-am.brp.com/

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