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ファンティックのスクランブラー「キャバレロ」に最大排気量の700ccモデルが登場
イタリアのバイクメーカー「ファンティック」は1960年代に創業され、トライアルやエンデューロで活躍するなどオフロードを得意としてきたメーカーだ。
近年はストリートモデルのスクランブラー「キャバレロ」シリーズを展開。
エンジンは水冷125cc単気筒と水冷500cc単気筒があり、スクランブラーだけでなく、フラットトラックレーサータイプ、ラリータイプのバリエーション車もラインアップしている。
これまでキャバレロシリーズの最大排気量は500ccだったが、2023年モデルとしてヤマハ MT-07の689cc並列2気筒エンジンを搭載した「キャバレロ700」が登場する。
価格は175万円で、2023年8月以降、順次日本への入荷が始まるとのことだ。
175万円という数字を見て「MT-07のエンジンを使っているのに値段が高い!」と声を上げる人が多そうだが、下記の内容を見てから最終的な判断を下してほしい。
ヤマハ MT-07のエンジンを専用にチューニング、バンク角連動ABSなど電子制御も充実
キャバレロ700のエンジンはMT-07よりも高回転型にチューニングされている。ファンティックオリジナルのエキゾーストシステム、エアクリーナーボックスも組み合わせ、MT-07が最高出力73.4ps/8750rpm、最大トルク6.8kgm/6500rpmなのに対し(欧州仕様)、キャバレロ700は最高出力74ps/9400rpm、最大トルク7.1kgm/6500rpmの性能を発揮。トラクションコントロールも装備されている。
MT-07と大きく異なる点は、電子制御機構かもしれない。キャバレロ700にはIMU(慣性計測装置)が搭載されており、ABSはバンク角連動の「コーナリングABS」。
また、ライディングモードも搭載されており、ストリート、オフロード、カスタムの3モードが選択可能だ。
車体は700用に専用開発、ブレーキはブレンボ製を採用
車体はキャバレロ700専用となっており、スチールパイプのメインフレームにアルミ製スイングアームを組み合わせ、前後サスペンションはマルゾッキ製を採用。
フロントはインナーチューブ径45mmの倒立フォーク、リヤはプログレッシブ特性を有したリンク式モノショックで、オンロードだけでなく林道やオフロードでの走破性も考慮したバランスが与えられているという。
ブレーキは前後ともにブレンボ製で、フロントブレーキには330mmと大径のディスクを装備(ちなみにMT-07はフロント298mm)している。
これらの内容を見たとしても、最終的に価格をどう判断するかはもちろん自由だ。
だが、もし購入したいと思った人は、煽るわけではないが早めに問い合わせをした方が良さそうだ。
エンジンの供給能力が限られるため、2023年の出荷台数は限られたものとなる見通しで、予約者を優先した納車となるという。
ファンティック キャバレロ700主要諸元
【エンジン・性能】
種類:水冷4サイクル並列2気筒DOHC4バルブ 総排気量:689cc 最高出力:74ps/9400rpm 最大トルク:70Nm<7.1kgm>/6500rpm 変速機:6段リターン
【寸法・重量】
全長:── 全幅:── 全高:── ホイールベース:1460 シート高:830(各mm) タイヤサイズ:F110/80R19 R150/70R17 車両重量:175kg(ガソリン抜き) 燃料タンク容量:13L
【価格】
175万円
【車体色】
レッド、ブルー
まとめ●上野茂岐 写真●モータリスト