新車

BMWがM1000XRプロトタイプを発表! 二輪「M」の3台目はクロスオーバーモデル、発売は2024年か

BMW二輪「Mシリーズ」の3番目、M1000XRプロトタイプがマン島TTでお披露目

BMWモトラッドは、2023年6月6日にM1000XRのプロトタイプの映像を公開した。映像では、BMWモトラッドの開発陣と思われる男が、イギリス・マン島にいるピーター・ヒックマンに電話をしたあと、M1000XRプロトタイプをドイツ・ベルリンからマン島まで走らせて運び、ヒックマンにバトンタッチするとマン島TTのスネーフェルマウンテンコースを1周する様子が映し出されている。

ヒックマンといえば、2023年のマン島TTではスーパーストックTTとスーパーバイクTTでM1000RRを走らせ、最高峰クラスのシニアTTでは見事にM1000RRを駆って優勝した、マン島TTで今もっとも速いライダーだ。

BMW MはこれまでにスーパースポーツM1000RRと、ネイキッドM1000Rの2モデルを発売している。順番から考えればM1000XRが登場するのは妥当なところで、今回のティーザーのタイミングからすれば、今年のミラノショーで公開されてもおかしくはない(お膝元ドイツの二輪車ショーであるインターモトは来年2024年秋開催予定)。

M1000XRのベースといえるBMW S1000XR。1000ccスーパースポーツ・S1000RRのコンポーネントを活用したクロスオーバーモデルで、最新型(写真)は最高出力164馬力。価格は216万7000円〜

BMW 「M」とは

そもそもBMW MとはBMWのグループ会社で、レースと直結したBMWの研究開発組織だ。ホンダでいえばHRCのようなものである。
BMWが初めてMの称号を持つクルマを世に送り出したのは1978年の「M1」だ。それ以降F1エンジンの開発なども担い、1983年にはBMWエンジンを搭載したブラバムが、ネルソン・ピケのドライビングによってF1シリーズチャンピオンを獲得した。そうして現在、四輪ではBMWのハイパフォーマンスグレードの称号として広く知られている。

BMW Mの象徴として、青・紺・赤のトリコロールカラーが用いられ、2021年にBMWモトラッド初のMとして登場したM1000RR、2023年発売のM1000Rにもこの「Mカラー」が採用されている。

1978年に発売された「M1」。3500cc直列6気筒エンジンをスチールパイプフレームの車体に搭載(ボディ外装はFRP製)。デザインはジョルジェット・ジウジアーロが手掛けた。

M1000XRは「最高出力200馬力以上、装備重量223kg」

さて、先のマン島TTで世界初公開されたM1000XRは、まだプロトタイプゆえ車体にMカラーのペイントはなく、各部のカーボンパーツがむき出しになっている。公開された映像や写真から伺い知れるのは、Mカラーのリムを持つ前後カーボンホイール、S1000XRとは異なるセパレートシート、ラジエター側面に設けたウイングレット、ブルーアルマイトに輝くMブレーキキャリパーとラジアルポンプマスターシリンダーを備えるブレーキシステムだ。

BMWは公式アナウンスとして、シフトカムを搭載するS1000RR直系の999cc並列4気筒エンジンをベースとして、最高出力は200ps以上、燃料満タン状態での車重は223kgというスペックを発表。
フレーム、エアロダイナミクス、電子制御デバイスは、一般公道でのパフォーマンスはもちろんサーキットでも優れた走行性能を発揮する設計としている。また、M1000RR/Rと同様にMコンペティションパッケージを用意するという。

BMWモトラッドは2023年後半には、新型M1000XRに関するさらに詳細な情報を公開するとしている。

BMW M1000XR プロトタイプ

レポート●山下 剛 写真●BMW 編集●上野茂岐

編集部註:広く「イギリスのマン島」と紹介されることが多いため、冒頭で「イギリス・マン島」と表現をしましたが、厳密にいうとマン島は「グレートブリテンおよび北アイルランド連合王国」に属するわけではなく、独自の政府を有した王室領といえる存在です。外務省の文書では「英国王室属領」という記述がなされています。


これまでのBMW二輪Mシリーズ

1台目は2021年発売のスーパースポーツ「M1000RR」

■S1000RRをベースとし、999cc並列4気筒エンジンは同社史上最強の212馬力の性能を発揮! 2024年モデル(写真)では大型ウイングレットなどを採用し空力特性が高められた。価格は2024年モデルで378万3000円〜。

2台目は2023年発売のネイキッド「M1000R」

■ベースはハイパフォーマンスネイキッドのS1000Rで、最高出力は210馬力。ネイキッドモデルではあるが、大型ウイングレットなどを装備し高い空力特性も有している。価格は265万2000円〜。

CONTACT

BMWカスタマー・インタラクション・センター
TEL:0120-269-437
https://www.bmw-motorrad.jp

  1. CBR250RRに乗る女子高生ライダーが『CBR400R』に乗った感想「最高です。欲しくなりました」

  2. ベテランライダーが『CBR650R E-Clutch』に乗って感じた楽しさ

  3. 寒い時期はバイクに乗らない人へ!愛車を冬眠させるなら「4つの〇〇+α」をやっておけばずっと長持ち!

  4. 還暦からセカンドライフをスタートさせた『Rebel (レブル)1100 <DCT>』のオーナー

  5. 技術者たちが語る「Honda E-Clutch」。新しい技術に秘められた苦労と想いとは?

  6. CL500はストリートが楽しいバイク。ビギナーからベテランまでを満足させる万能マシンだ!

  7. 原付だから多くの人に愛された。『スーパーカブ50』の歴史を辿ってみる。

  8. CL250はセカンドバイクじゃない。この250ccは『メインの1台』になり得るバイクだ!

  9. Rebel 1100〈DCT〉は旧車を乗り継いできたベテランをも満足させてしまうバイクだった

  10. 定年後のバイクライフをクロスカブ110で楽しむベテランライダー

  11. CL250とCL500はどっちがいい? CL500で800km走ってわかったこと【ホンダの道は1日にしてならず/Honda CL500 試乗インプレ・レビュー 前編】

  12. 【王道】今の時代は『スーパーカブ 110』こそがシリーズのスタンダードにしてオールマイティー!

  13. 新車と中古車、買うならどっち? バイクを『新車で買うこと』の知られざるメリットとは?

  14. ビッグネイキッドCB1300SFを20代ライダーが初体験

  15. どっちが好き? 空冷シングル『GB350』と『GB350S』の走りはどう違う?

  16. “スーパーカブ”シリーズって何機種あるの? 乗り味も違ったりするの!?

  17. 40代/50代からの大型バイク『デビュー&リターン』の最適解。 趣味にも『足るを知る』大人におすすめしたいのは……

  18. ダックス125が『原付二種バイクのメリット』の塊! いちばん安い2500円のプランで試してみて欲しいこと【次はどれ乗る?レンタルバイク相性診断/Dax125(2022)】

  19. GB350すごすぎっ!? 9000台以上も売れてるって!?

  20. “HAWK 11(ホーク 11)と『芦ノ湖スカイライン』を駆け抜ける

おすすめ記事

ホンダCBシリーズに受注期間限定の特別仕様車が登場! HYOD製布マスク使用レポート「高品質バイクウエアメーカーだからこその、抜群のフィット性と涼しさ」 約1万円でドゥカティオーナーになる!……自分で作らなきゃだけど。「パニガーレV4Rレゴ」を製作してみた(作業は10時間かかったよ)

カテゴリー記事一覧

  1. GB350C ホンダ 足つき ライディングポジション