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「トランザルプ」再び! ホンダが「XL750 TRANSALP」を発売 初代600Vから36年……アドベンチャー大人気の今、完・全・復・活!

■「XL750 TRANSALP」 ロスホワイト

今度は並列2気筒! でも、同コンセプトだから?姿は前モデルに酷似

ホンダは、 新開発の直列2気筒エンジンを搭載したアドベンチャースタイルの大型スポーツモデル「XL750 TRANSALP(トランザルプ)」を、Honda Dreamより5月25日に発売する。

特徴は以下のとおり。

・新開発の水冷4ストロークOHC4バルブ並列2気筒754cm3エンジン

・親しみやすくタフネスを表現したアドベンチャースタイル

・防風性能と空力性能を兼ね備えた機能的な大型ウインドスクリーン

・車両の情報を集約し表示する5.0インチTFTフルカラー液晶マルチインフォメーションディスプレイ

・あらかじめ設定された出力特性を選択できる「ライディングモード」や「HSVCS Hondaスマートフォン・ボイスコントロール・システム 」など各種の先進装備

より快適にロングツーリングを楽しめるように!

XL750 TRANSALP(「TRANSALP」は「TRANS・ALP」でアルプス越えの意の造語)は、「Adventure Touring 日常から世界一周までを叶える、新世代ジャストサイズオールラウンダー」をコンセプトとし、歴代のTRANSALPが受け継いできた、市街地から高速道路、そして峠道から未舗装路までオールラウンドで雄大なスケールのロングツーリングを快適に楽しめるモデルを目指し開発された。

エンジンは、新開発の軽量コンパクトで高出力な水冷4ストロークOHC4バルブ並列2気筒754cm3エンジンを搭載。低・中回転域でパルス感のある力強いトルク特性を発揮し、さらに、高回転域まで余裕が感じられ、スムーズに吹け上がる出力特性とされた。また、クラッチレバーの操作荷重軽減とシフトダウン時の後輪のホッピングを抑制するアシスト&スリッパークラッチを採用。

車体は、レイアウトの最適化と各部の軽量化を施したリアフレーム一体型のダイヤモンドフレームに、ショーワ日立Astemo株式会社製SFF CA倒立フロントフォークを、リアには路面追従性に優れたプロリンクサスペンションに軽量高剛性のアルミスイングアームを組み合わせて採用することで、市街地から未舗装路までオールラウンドで快適な乗り心地を得られる。

先進快適装備をめいっぱい搭載

防風性能と空力性能を兼ね備えた機能的な大型ウインドスクリーンの採用が、走行時における疲労軽減とクルージングにおける快適性に寄与している。

ブレーキは、フロントに2ポットキャリパーと直径310mmのダブルディスクを組み合わせ、リアには直径256mmのシングルディスクを採用。リニアな制動フィーリングを実現している。

装備面では、車両とスマートフォンをBluetoothで連携することで(市販のバイク対応Bluetoothヘッドセットとの接続が必要)、ハンドルスイッチ及び音声入力により音楽再生や通話などの操作を可能とするHSVCS(利用には専用アプリのインストールが必要。専用アプリはAndroid 端末専用)を採用。

また、ダイレクトなスロットルレスポンスに寄与する「スロットルバイワイヤシステム」や、走行状況や好みに合わせてあらかじめ設定された出力特性を選択できる5種類(「SPORT」「STANDARD」「RAIN」「GRAVEL」に加え、任意の制御レベルを選択保存可能な「USER」)のライディングモード、前輪の浮き上がりと後輪スリップを抑制する「HSTC(Honda セレクタブル トルク コントロール)」、車線変更時や右左折終了後に自動的にウィンカー作動を停止させる機能であるオートキャンセルウインカー、急制動をいち早く後続車に伝える機能であるエマージェンシーストップシグナルなど、ライディングをサポートする先進の電子制御技術を搭載し、ライダーの利便性を高めている。

カラーリングは、アドベンチャーイメージを引き立てる「ロスホワイト」の1 色。

●販売データ

メーカー希望小売価格 1,265,000円

発表   2023年3月16日

発売   2023年5月25日

●主要諸元

型式   8BL-RD16

全長×全幅×全高(mm) 2,325×840×1,450

軸距(mm)      1,560

最低地上高(mm)              210

シート高(mm)  850

車両重量(kg)  208

乗車定員(人)  2

燃料消費率(km/L)国土交通省届出値

定地燃費値(km/h)     34.5(60)<2名乗車時>

WMTCモード値(クラス) 22.8(クラス3-2)<1名乗車時>

最小回転半径(m) 2.6

エンジン型式  RD16E

種類   水冷4ストローク直列2 気筒OHC4バルブ

総排気量(cm3) 754

内径×行程(mm)       87.0×63.5

圧縮比 11.0

最高出力(kW[PS]/rpm) 67[91]/9,500

最大トルク(N・m[kgf・m]/rpm)       75[7.6]/7,250

燃料供給装置形式     電子式<電子制御燃料噴射装置(PGM-FI)>

始動方式      セルフ式

点火装置形式  フルトランジスタ式バッテリー点火

潤滑方式      圧送飛沫併用式

燃料タンク容量(L)    16

クラッチ形式  湿式多板コイルスプリング式

変速機形式    常時噛合式6段リターン

変速比

1 速 3.000

2 速 2.187

3 速 1.650

4 速 1.320

5 速 1.096

6 速 0.939

減速比(1次/2次) 1.777/2.812

キャスター角(度)/トレール量(mm)      27°00´/111

タイヤ

前90/90-21M/C 54H

後150/70R18M/C 70H

ブレーキ形式

前油圧式ダブルディスク

後油圧式ディスク

懸架方式

前テレスコピック式(倒立サス)

後スイングアーム式(プロリンク)

フレーム形式  ダイヤモンド

●カラーバリエーション

ロスホワイト

そもそもの「トランザルプ」

トランザルプ、初代は1987年に登場。日本国内300台限定の車両だった。

デビューの背景には、パリ・ダカールラリー(当時)にて、1986年デビュー戦での二輪部門優勝から4連覇を成し遂げた「NXR750」(競技用マシン)の存在がある。そのラリーで得た技術のフィードバックで開発されたのがこの「トランザルプ600V」。

当時はオフ車でのツーリングといえば、マシン選びは事実上250ccクラス単気筒の一択だった。フレーム、タイヤ、エンジン、どれをとっても高速移動には適してはいなかった。そんな中での、排気量が大きめの“フルカウルのオフロードマシン”はとても斬新で稀有な存在。オン/オフ問わず気持ちよく走る夢が見られるかもしれないと注目を受けた。

だが結局、日本国内では「そのマシンで、どこを走るの?」の答えを得られたライダーは限られていた。

400Vという400ccモデルの追加はあったが、振るわず、国内でのシリーズの販売終了からはすでに20年が経過する(海外では人気で、継続モデルあり)……そして今回、大排気量アドベンチャーという市場が確立している中で、トランザルプが復活するのだ! 

■トランザルプ600V(1987年) ※参考
コンセプトが変わらないためか、スタイルもほぼ一緒で驚くほど似ている。フロントのウインドスクリーンの大型化と、排気の取り回しがいちばん異なる部分か。

■NXR750(競技車両) ※参考

アフリカツインと、どう違う?

試乗記は別の機会に譲り、ここではいくつかのスペックに注目してみる。

まず、高重心モデルであることと、場合によってはダートに入ることがあるかも?で気になるのは重量。アフリカツインのシリーズ中、DCT装備の最重量モデルは車両重量が250kgになる。対して新トランザルプは208kgと軽く、扱いやすそうだ。排気量の違いがあるので当然といえば当然だが。

最高出力に目をうつすと、アフリカツインが102馬力、トランザルプが91馬力であるが、その数値の大小を気にするよりトランザルプの新エンジンが高回転型であることに注目したい。ボア×ストロークはアフリカツインが92.0×81.4mm、トランザルプが87.0×63.8mm、圧縮比はそれぞれ10.1と11.0。新エンジンRD16E型がどれだけ回して楽しいのか、注目だ。

レポート●モーサイ編集部 写真●ホンダ

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