雑ネタ

『すずめの戸締まり』に登場したバイクの車種は? 年式、カラー名まで推察!! 新海誠監督お気に入りの「ホンダの名車」

日本各地の廃墟を舞台に、災いの発生源となる「扉」を閉めていく少女・岩戸鈴芽(いわと すずめ)の解放と成長を描く、新海誠監督最新作『すずめの戸締まり』。

2022年11月12日(土)~13日(日)の国内映画ランキング(全国週末興行成績・興行通信社提供)では、観客動員約98万3000人、興行収入約13億8600万円をあげ、圧倒的な成績で、初登場1位に輝きました。

『すずめの戸締まり』に登場する黄色いバイクはホンダ・スーパーカブ110(パールフラッシュイエロー)

そんな『すずめの戸締まり』には、黄色いバイクが登場します。

黄色いバイクの持ち主は、主人公・すずめが旅の途中の愛媛県で出会う、同い年の女子高生・海部千果(あまべ ちか)。千果がバイクに載せて運んでいた大量のみかんを道にばら撒いてしまい、それをすずめが助けるところから交流が始まります。

結論から言えば、この黄色いバイクはホンダ・スーパーカブだと思われます。

劇中車とホンダ・スーパーカブの写真を見比べてみると、特徴的なレッグシールドを持つ車体、レッグシールドとリヤフェンダーの隙間から半分覗く空冷単気筒らしきエンジン、シート下のエンブレム、リヤサスペンションの形状など多くの特徴が一致しています。

『すずめの戸締まり』のワンシーン。(c)2022 「すずめの戸締まり」製作委員会
千果のバイクのエンジン周り。よく見るとシート下のエンブレムに「HO」の文字。「HONDA」と書いてあるのでしょうか。(c)2022 「すずめの戸締まり」製作委員会
スーパーカブ110のエンジン周り。「千果のバイク」と比べると、レッグシールドの穴、クランクケースの放射線状の模様、ネジの位置までそっくり。

排気量は原付二種の110cc、年式は2020年〜2022年モデルと予想

なお、近年のホンダ・スーパーカブには50ccと110ccの2モデルがありますが(Cシリーズを除く)、劇中車をよーく見てみるとナンバープレートの色がピンク色です。これは91cc以上125cc以下のいわゆる「原付二種」の車両に対して交付される標識なので、千果のバイクは原付二種クラスにあたる「ホンダ・スーパーカブ110」だと考えられます。

さらに、ホンダ・スーパーカブ110のカラーバリエーションには、劇中車とほぼ同じ配色の「パールフラッシュイエロー」(2020年登場〜現行色)が存在します。

もっとも、劇中車がレモン色というよりは少しオレンジがかったみかんのような色味に見えることを考えると「パールシャイニングイエロー」の方が近いような気もするのですが、こちらは原付一種・スーパーカブ50のみに設定された色。

つまり、千果が50ccの「ホンダ・スーパーカブ50」を91cc以上にボアアップしてピンクナンバーを取得したのでない限り、可能性は低いと思われます。登場シーンの時間設定が昼下がりから夕方だったので、夕焼けに照らされて赤みがかって見えているのかもしれませんね。

ホンダ・スーパーカブ110「パールフラッシュイエロー」(2020年モデル)。劇中車とほぼ同じ配色。
ホンダ・スーパーカブ50「パールシャイニングイエロー」。劇中車の色により近く感じますが、残念ながら50ccモデルのみに設定されたカラーリング。

ちなみに、ホンダ・スーパーカブ110は2022年4月のモデルチェンジでホイールがスポークホイールからキャストホイールに変更されましたが、千果のスーパーカブ110は、前モデルのスポークホイールになっています。

一方で、前述したように「パールフラッシュイエロー」は2020年5月に登場した比較的新しいカラーリングですから、千果の「ホンダ・スーパーカブ110」は、2020年5月から2022年4月までの間に製造されたモデルだと推察します。

2022年4月にモデルチェンジされた新スーパーカブ110。新エンジンが採用されたほか、キャストホイール&フロントディスクブレーキになりました。

新海誠監督はスーパーカブが大好き?『秒速5センチメートル』『君の名は。』『天気の子』にも登場!!

新海誠監督はスーパーカブをとても気に入っているようで、これまでにもたくさんの作品に登場させてきました。

例えば2007年公開の『秒速5センチメートル』シリーズ第2話「コスモナウト」には主人公の遠野貴樹と篠原明里が通学に使うスーパーカブが、2016年公開の『君の名は。』には主人公の友人・勅使河原 克彦(てしがわら かつひこ)が主人公のひとり・宮水 三葉(みやみず みつは)を乗せて走るスーパーカブが、2019年公開の『天気の子』には編集プロダクション「K&Aプランニング」でアシスタントとして働く女子大生・須賀夏美(すが なつみ)の愛車として桃色のスーパーカブが、それぞれ登場します。

『秒速5センチメートル』に登場した通学用のスーパーカブ。原付一種のナンバープレートをつけているので50ccのモデルと思われます。(c)2007「秒速5センチメートル」製作委員会
『天気の子』のワンシーン。須賀夏美が愛車・ピンクのスーパーカブに乗って疾走。(c)2019 「天気の子」製作委員会

過去にはホンダと『天気の子』とのコラボスーパーカブも販売された

中でも須賀夏美の愛車・桃色のスーパーカブは、もともとホンダが販売していたスーパーカブのカラーラインアップには存在しない色だったにも関わらず、映画公開後には劇中のカラーリングを忠実に再現した「スーパーカブ50・『天気の子』ver.」、「スーパーカブ110・『天気の子』ver.」として受注生産・販売されました。

「スーパーカブ『天気の子』ver.」に採用された「サマーピンク」という塗料は、「天気の子」製作委員会監修のもと新規開発されたもので、シートもブラウンに変えた特別な仕様となっています。

スーパーカブ110・『天気の子』ver.。劇中のカラーリングを忠実に再現するため、「天気の子」製作委員会監修のもと塗料を新規開発したそうです。
作中で須賀夏美が着用していたヘルメットのレプリカも製作されました。

新海誠監督の描くスーパーカブは、その登場人物たちと同様にとてもいきいき、表情を持って描かれています。『すずめの戸締まり』をこれから観る方は、ぜひ「千果のバイク」にも注目してみてくださいね!!

レポート●モーサイ編集部・中牟田歩実 写真●(c)2022 「すずめの戸締まり」製作委員会/(c)2019 「天気の子」製作委員会/(c)2007「秒速5センチメートル」製作委員会/ホンダ/モーサイ編集部

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