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有償で荷物を運ぶ業務用車両の証が「緑ナンバー」
バイクのナンバープレートは、原付二種(黄色、ピンク)を除いて基本的には白地。クルマでも白地が基本で、軽自動車のみ黄色ナンバーというのが一般的な認識です。
ですが、街中を走っていると緑ナンバーのバイクやクルマ、黒地に黄色文字の軽自動車を見かけることがあります。どとらも文字の色と地の色が入れ替わったデザインになっているわけですが、このナンバーをつけている車両の正体は何でしょうか。
四輪でいえば、バスやタクシーのほかトラックなどで見かけることの多い緑ナンバーですが、それらは「一般貨物自動車運送事業」に従事する車両であることを示しています。
バイクの緑ナンバー、軽自動車の黒ナンバーについては「貨物軽自動車運送事業」に従事する車両という分類になりますが、いずれにしても有償で何かを運ぶ事業に使われる車両であることの証です。
個人事業主でもバイクやクルマでモノを運ぶなら届出が必須
こうした運送事業用のナンバーを使うのは「企業」だけではありません。個人事業主として運送事業を行う際にも必要です。
もし、愛車のバイクを使って、バイク便を個人で始めようというのであれば、最寄りの運輸支局にて運送事業を開始するために必要な規定の書類を提出する必要があります。そうすれば、緑ナンバーに変えるための書類が発行されますので、その日からバイク便を始めることができるというわけです。
最近では軽ワンボックス車を使った配送業の個人事業主が増えていますが、そうした車両についても気を付けて見ていれば、黒ナンバーであることが確認できるはずです。逆にいえば、個人であっても緑ナンバーを取ることは可能なわけです。
ただし、緑ナンバーにすると任意保険を取り扱っている保険会社が限られる(いわゆるネット保険は基本的にNGと考えていい)などデメリットもありますので、すぐに運送業を始める気もないのに、とりあえず緑ナンバーを取っておくというのはオススメしません。あくまでも運送業で使うとなったときに緑ナンバーにすべきです。
逆に緑ナンバーをとっておくべきケースもあります。最近ではフードデリバリー系サービスに配送者として登録し、副業的に稼いでいる人も少なくありませんが、フードデリバリーというのは運送事業にあたりますから緑ナンバーのバイクでなければやってはいけないのです。
緑ナンバーではないフードデリバリーは違法なの?
そうはいっても、白ナンバーの原付やピンクナンバーの原付二種でフードデリバリーをしている人を見かけるけれど? という疑問も浮かぶでしょう。
じつは原付全般には、そもそも業務用ナンバーという制度がありません。ですから、ナンバープレートはそのままでフードデリバリーに利用することが可能というわけです。
ただしナンバーはそのままでよくても、保険については見直す必要があります。業務で使うのであればリスクヘッジとして任意保険への加入はマストですが、通常の任意保険というのは「日常レジャー」か「通勤通学」という条件で加入していることが多いでしょう。
フードデリバリーで使うのではあれば使用目的を「業務」に切り替えておかなければいけません。そうでなければ、保険が支払われず、無駄に保険料を払うことになってしまいます。
まとめると、バイクの場合は原付以外125cc超の軽二輪・小型二輪で運送事業をするならば緑ナンバーへ変える必要があります。これはフードデリバリーのようなビジネスでも同様です。その際、任意保険については「事業」目的に変えておく必要があるということになります。もし、あなたが愛車でお小遣い稼ぎをしようと考えているなら、この2点については最低限抑えた上で、検討してみてください。
レポート●山本晋也 写真●ヤマハ/国土交通省/モーサイ編集部 編集●中牟田歩実