警視庁のデータによれば、バイクやクルマの部品の盗難被害である「部品ねらい」の件数は、2002年から減少傾向にあるようだが、その一方でナンバープレートの盗難被害は増加傾向にあるとのこと。
そこで、警視庁では防盗性が高い「盗難防止ネジ」をナンバープレートに取り付けることを勧めている。盗難防止ネジの中には、専用工具がなければナンバープレートの取り外しができないボルトも製品化されており、価格もそこまで高いわけではなく約1000円で揃うのだ。
そうはいっても「ナンバープレートなんて盗まれるわけがない」「何の目的で盗むの?」と思う人が多いとは思う。しかし、実際に盗まれてしまったら、公道を走ることはできないし、盗まれたナンバープレートがどんな目的で使われるのか不安だろう。
当記事では、なぜナンバープレートを盗むのか、ナンバープレートを盗まれないための対処方法など、交通事故や刑事事件に詳しい坂口 靖弁護士に話を聞いてみた。
盗難されたナンバープレートは犯罪目的に使われる可能性も!?
──昨今、ナンバープレート盗難被害が増加傾向にあるようですが、なぜナンバープレートを盗もうとする人がいるのでしょうか。
ナンバープレートを盗む目的は、ほかの犯罪に使用するクルマやバイクに装着する、盗難したナンバーを偽造し、偽造ナンバーを作成することなど、身元がバレないようにする方法が最も多いように思われます。
最近では、海外で装飾品として日本のナンバープレートを売却することが目的であるというケースもあるようです。
──どんな場所で停まっている車両のナンバープレートを盗む傾向にあるのでしょうか?
当然のことながら、窃盗犯は犯行現場を発見されることを嫌う傾向にありますので、誰にも見つかることがない人気のない場所に置いてある車両のナンバープレートを盗むケースが多いものと思われます。
──ナンバープレートの盗難被害に遭わないために、私たちはどのような対処方法を取ればいいのでしょうか?
ナンバープレートの盗難被害に遭わないためには、人気のない場所で駐車をしないことに尽きるかと思われます。バイクであれば、防犯アラームを取り付けることも有用な手段であるでしょう。
また、ナンバープレート盗難防止用のネジなども様々な店舗で売っていますので、事前に盗難防止対策をしておくというのは重要です。
ちなみに万が一、ナンバープレートを盗まれた場合は、直ちに警察に被害届を提出する必要があります。警察に被害届を提出しなかった場合、そのナンバープレートを装着した車両により、犯罪行為が実行された際に、犯罪の嫌疑を掛けられることにもなりかねませんので、非常に注意が必要です。


監修●坂口 靖 まとめ●モーサイ編集部・小泉元暉 写真提供●株式会社ユーロックテクノパーツ