雑ネタ

スクーターの足元に荷物を載せて走行したら違反!? そもそもスクーターのフットスペースって何のためにある?

バイクにまたがったとき足が地面に届くかという「足着き性」をバイク選びにおける大きな指標の1つとする人も少なくないでしょう。
ネイキッドモデルやアドベンチャーモデルなど、色んなバイクの種類がある中で、スクーターは椅子に座るようなスタイルで乗り降りしやすく、シート下収納も充実しているので、会社への通勤やお買い物などに使うにはとても便利な乗り物ですよね。

しかし、シート下に荷物が入りきらないからといって、スクーターの足元にあるフットスペースに置いてはいけません。なぜなら、本来は足を置くためにあるフットスペースに荷物を置いていると道路交通法違反になるからです。

当記事では、スクーターのフットスペースに荷物を載せた場合はどんな違反になるのか、違反点数や反則金はあるのか紹介していきます。

スクーターの足元にある「フットスペース」ってなに?

スクーターの足元にある「フットスペース」というのは名前の通り、「足を置くため」の空間ですが、荷物を置くためにあるわけではありません。

クルマと違い、シートベルトや背もたれのないバイクは何らかの方法で体を安定させないと、加速や減速の際に車両から振り落とされてしまう恐れがあります。
そのため、内モモで燃料タンクの側面を挟んで安定した乗車姿勢を取る「ニーグリップ」によって安定した走行が可能となります。二輪免許を持っている人は、教習所でしつこく教わったのではないでしょうか。

太ももの内側全体でタンクをホールドするニーグリップ。

しかし、前方にタンクがなく挟めないスクーターでは「ニーグリップ」ができないので、ステップボードに踏ん張るなどして、体を支える必要があります。

そのため、フットスペースに荷物を載せている場合、そもそも荷物が邪魔で足を置く場所がなかったり、その荷物によって重量バランスが悪くなり思うような運転ができないなど、交通事故を起こしてしまう危険性もあります。

フットスペースというのは、ニーグリップができないというスクーターの特性をカバーするために「しっかりと足で踏ん張るために確保された空間」だということを覚えておきましょう。

フットスペースに荷物を載せると「積載方法違反」になる!?

そんなフットスペースに荷物を載せたままバイクに乗っていた場合、「乗車積載方法違反」として警察に取締りを受けることになります。

「乗車積載方法違反」とは、道路交通法第55条1項に定められた道交法違反のひとつです。その内容は「車両の運転者は積載のために設備された場所以外の場所に積載して車両を運転してはならない」と明記されています。

もし「乗車積載方法違反」で検挙された場合は、違反点数1点が加算されて反則金は二輪車では6000円、原付では5000円が科せられます。また、反則金を納付しなかった場合は正式な刑事事件として裁判を受けることになります。
有罪判決を受けると道路交通法第120条1項10号が適用され、5万円以下の罰金となり、前科がついてしまうので軽く考えてはいけません。

「荷物の大きさ・重さ」次第では違反になる?

しかし、リヤキャリアに荷物を置いても、荷物の大きさ・重さ次第では「過積載違反」(積載物重量制限超過)や「積載物大きさ制限超過」という違反になる可能性があります。

「積載物重量制限超過」とは、道路交通法第57条によれば「各車両によって定められている最大積載量を超えて荷物などを積載してはならない」と規定しています。
積載重量については、二輪車は60kg以下まで、原付は30kgまでと指定されています。もし、重量オーバーとなった場合は違反点数1点、二輪車6000円、原付5000円の反則金を納付しなくてはなりません。

「積載物大きさ制限超過」とは、道路交通法施行令第22条3項・4項によれば「荷台の幅から左右それぞれ15cm以内で、前後30cm以内かつ地面からの高さが2m以内」と規定されています。あくまで高さは「地上から」の寸法なので、その点は注意しましょう。
なお、重量や寸法の上限を超えた場合は違反点数1点と、二輪車では6000円、原付では5000円の反則金が科せられます。

レポート●鷹橋 公宣 編集●モーサイ編集部・小泉元暉 写真●八重洲出版

鷹橋公宣 たかはし きみのり
鷹橋公宣

元警察官・刑事のwebライター。
現職時代は知能犯刑事として勤務。退職後は法律事務所のコンテンツ執筆のほか、noteでは元刑事の経験を活かした役立つ情報などを発信している。

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