雑ネタ

新聞紙やダンボールを腹に巻けば暖かいってホント? ほぼ0円「即席バイク防寒」4種を試してみた!!

「想定外の寒さ」もファストファッション店やドン・キホーテで乗り切れるようになった

毎冬バイク乗りを悩ます寒さ。
予報よりも気温が低くなったり、いつのまにか標高の高いところまで行ってしまったりして、寒い思いをしたことのあるライダーも多いのではないでしょうか。

近年では、GUやユニクロなどファストファッションを扱う店が全国に広く展開し、出先でも安価に防寒着を手に入れることができます。

しかし、このように便利な環境が整ったのは2000年代に入ってからの話……。1990年代までのライダーは「外出先での想定外の寒さ」をどのようにして乗り切っていたのでしょうか。2010年台に入ってから二輪免許を取得した現在20代の筆者には、イマイチ想像がつきません。

そこで、当時を知るライダーに「即席で防寒具を用意した経験」について聞いてみたところ「通りすがりの酒屋でもらったダンボールをライディングウエアの中に仕込んで耐えた」「新聞紙を体に巻いたら暖かかった」という回答がありました。

身近に手に入るものを上手に使い、寒さを凌いだこともあったようですね。
この記事では、そんな先人の知恵が詰まったほぼ0円でできる「即席バイク防寒」を再現してみようと思います。

新聞紙、ダンボール、プチプチ、断熱シートの4種類の防寒性能をチェック!!

用意したのは「新聞紙」「ダンボール」「気泡緩衝材」(通称プチプチ)「断熱シート」という4種の素材。それぞれをライダーの胴体に2周巻きつけた状態で15分間バイクで走行し、体感での防寒性能を検証します。

また、それぞれの結果について、どうしてそうなったのか、バイク用品に詳しいライターの片倉義明さんに解説をしてもらいました。

検証にあたって集めた素材。左から「ダンボール」「新聞紙」「断熱シート」「気泡緩衝材」。いずれも廃棄予定のもので、入手費用は0円です。断熱シートはもともと車のフロントガラスに貼り付けるサンシェードだったようです。
用意した素材を何も身に着けずに15分間走行してみたところ、走行開始5分程度で歯がカチカチと鳴り始めました。走行風でお腹が冷えて寒かったです……。(あえて3シーズン用のウエアを着用し、ベンチレーションをすべて開けた状態で走行しています)。

【新聞紙】そのまま巻いても暖かくない、丸めて空気を含ませるのが保温のコツ

重ねた新聞紙を腹に巻く筆者。

新聞紙をただ腹に巻いただけでは、ほぼ暖かさを感じません。
風が吹いた際に、ほんの少しだけ「風に直接は当たっていない」感触を得ることができた程度です。

新聞紙を重ねてただ腹に巻くのではなく、1枚ずつクシャクシャに丸めてウエアの中に詰め、空気の層を作るように改良したことで、後述する銀マットとほぼ同等の暖かさを得ることができました。
しかし、15分の走行でウエアからはみ出した裾部分を中心に4ヵ所が破れてしまいました。新聞紙は水に溶けてしまうので、雨などにも弱いと考えられ、耐久性には不安が残ります。

新聞紙はなぜ暖かくなかったのか?

バイクを運転中に暖かさを得るための要素は次の3つになります。
1:外気を遮断する(防風)
2:外気の冷たさを体に伝えず、体温をウエア内にとどめる(断熱)
3:汗で体を冷やさない(吸汗速乾)
この3つがそろわないと、ライディング中に冷えを感じます。なお、今回は走行時間が短いためそれほど汗をかかないと思われますので、とりあえず3は無視します。

となると、外気を遮断し、ウエア内で断熱できれば暖かいはずです。その点で新聞紙はどうでしょう? 体に巻くと防風効果はありそうですが断熱性はないので、ライディングウエアの冷たさが新聞紙に伝わり、それが体に伝わったと考えられます。これでは温かく感じないのは当然と言えます。

一方、新聞紙をくしゃくしゃに丸めた場合、そこには空気の層が作られます。動きのない空気層(これを「デッドエア」といいます)は断熱性が高いという特徴があります。雪国で二重サッシを使うのは、ガラス戸とガラス戸の間に空気の層を作ることで家屋の断熱性を高めているのです。

つまり、アウターウエアとインナーウエアの間に丸めた新聞紙を入れたことで空気層が作られ、暖かく感じたということだと思います。ちなみに、くしゃくしゃにした新聞紙を体に巻けば、空気層を作りつつ防風性も持たせることができそうですがどうでしょう?

なお、空気は対流すると熱を伝えます。サーキュレーターを使って空気を対流させると早く部屋が暖まるのと同じです。ウエアのベンチレーションから入った外気により丸めた新聞紙の間の空気が動くと、暖かさが半減したはずです。

また、長時間のライディングで汗をかいた場合、新聞紙はその汗を吸って急激に冷え始めます。そうなると汗冷えを起こし、場合によっては低体温症を引き起こすこともありますので、新聞紙を断熱素材として使うのはやめた方がいいでしょう。

最後になりましたが、新聞紙が裂けたのは、編集スタッフ・中牟田さんのライディングがアグレッシブだったからではないでしょうか? 取材中は安全運転を心がけてください(片倉)。

わずか15分の走行で4ヵ所が破けてしまいました。
新聞紙が非常に目立ち、見た目もイマイチ……。

【ダンボール】固くて動きが制限されるうえ、意外と保温性がない

ダンボールを腹に巻いた筆者。油断するとせっかく巻いたダンボールがストンと落ちてしまいます。

ダンボールを腹に巻いてみたところ、これは防寒以前の問題でした。
体幹(特に腰)が全く曲がらず乗車姿勢が取れなかったため、15分間の実走テストは割愛。
代わりにダンボールを腹に巻いた状態で20分ほど過ごしてみました。

ダンボールは新聞紙や断熱シートと比べると厚みがあるので、防風効果は高いのですが、体にフィットしない形状のせいで隙間から暖気が逃げ、保温性は感じられませんでした。防寒に使うには細かく割いてウエアの中に詰めるなど、ひと工夫が必要になるでしょう。

ダンボールはなぜ暖かくなかったのか?

写真を見る限り、段ボールを巻くとライディングウエアのファスナーは閉じなかったようですね。つまり、先に説明した1、外気の遮断が成立していません。段ボールにより前面には防風効果があるかもしれませんが、冷たい外気が段ボールと体の間に入り込むため冷たく感じたはずです。

隙間を塞ぐという理由でいえば、ライディングウエアもネックウォーマーなどを使って首元などからの外気の侵入を防ぐと暖かさがグッと高まります。

なお、段ボールは紙と紙の間に空気層を持ちますので、もし体に密着でき、ウエアのフロントファスナーを閉められたら断熱効果を高められたかもしれません。細かく裂いて詰めるのは……空気層を作れるかもしれませんが、かなり面倒だし走行中にゴミをまき散らす可能性が高いのでやめた方がいいでしょう(片倉)。

「ぐえーーー」。ダンボールを腹に巻くと体幹が全く曲がらず、バイクに乗車できないという結果になりました。
ちなみに、ウエアの前身頃も閉めることができません。

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