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木製バイクの次は木製スクーターを製作
「世界にたったひとつだけのバイクが欲しい」
そういった気持ちでバイクのカスタムをする人も少なくないのではないでしょうか?
しかし、もはやカスタムという範囲を飛び越えて「世界にたったひとつだけのバイク」を作ってしまった、驚くべき人が埼玉県にいます。
それが、木造建築の仕事に長年携わってきた職人の横山恒雄さんが製作した「木製バイク」です。
テレビ朝日のバラエティ番組『ナニコレ珍百景』でも取り上げられ、出演者たちからはその高い技術力に驚きの声が上がっていました。
実は、横山さんはテレビに登場した木製バイク1号車に引き続き、2号車を作ったとのこと。
そこで当記事では、木製バイク2号車の製作過程や職人としてこだわった点など、横山さんに話を聞いてみました。
エンジンはトゥデイ、車体はディオの「木製スクーター」
横山さんの木製バイク1号車はこんな車両です
横山さんが最初に製作した木製バイク1号車は、ホンダ リトルカブをベースにしたバイクで、動力部とホイール以外のほとんど……つまりフレームやハンドル、フェンダーなどの外装類は木で製作されています。しかも、釘を一切使わず!
また、使用する木材にもこだわり、お寺や神社などにも使われる高級木材の代表格・ケヤキが使われているのです。
──なぜ、また「木製バイク」を製作しようと思ったのでしょうか?
もっと自分の世界を表現したい、「木製バイク」を見た人を笑顔にしたいという気持ちから、製作してみることにしたんです。
それで、1号車を製作したあと、さっそく空いた時間を使いながらコツコツ作り完成させました。
あと、木製バイク2号車はスクータータイプの車両にしたかったので、エンジンはホンダ・トゥデイ、車体はホンダ・ディオのパーツを使っていますね。
──バイクの組み立て・分解経験などがないと作るのが大変そうに思えるのですが、どうなのでしょうか?
バイクの組み立て知識などはありませんが、木造建築の仕事に携わってきたノウハウが活かせたので、バイクに関する知識がなくても組み立てるのはそんなに難しくはなかったですね。
──ちなみにトゥデイとディオはどうやって調達したのですか?
どちらもオークションサイトから購入したものですね。
所々壊れている故障車でしたが、壊れていても直せばいいし、それよりも作るのが楽しいから、故障しているかどうかはあんまり気にならなかったね。
──1号車と比べ、2号車の木製スクーターは乗り心地など変わっている部分はあるのでしょうか?
1号車ではケヤキをベースに製作していましたが、2号車は家具などで使われるタモ材という木材で作っています。
安く仕入れることができたこともあり、せっかくだから別の素材で木製バイクを製作してみようかなと思って、タモ材を使ってみることにしたんです。
乗り心地については、何度も試乗してみましたが、特に変わった点はないと思います。強いて言えば、1号車よりも足もとのスペースが多少狭くなっているぐらいですかね。
あと、試しに木製マフラーも作ってみました。
独特のエンジン音が出るようになりましたが、かなり音量が大きいので、今は付けていませんが……。
──2号車の製作期間はどれくらいかかったのですか?
休みの日に製作していたので、製作期間は半年ぐらいですね。もっと時間があれば、完成は早かったかと思います。
──木製スクーターを製作するにあたって、一番大変だった部分はどこでしょうか?
1号車を製作したときはリヤ&フロントフェンダー、ハンドルバーを仕上げるのが大変でしたが、2号車は1号車で培った経験を活かしながら作ったので、完成にもっていくまでの時間はそこまでかかりませんでした。
なので、作るのが大変だと感じた部品もありません。むしろ、製作するのが楽しくて、やりごたえがありましたね!
レポート●モーサイ編集部・小泉 写真●横山恒雄さん/モーサイ編集部・小泉