雑ネタ

カセットボンベで走るモンキーZ50Mを作っちゃった人がいた!「走りは? 排気ガスはクサい? 燃費は?」

フランスでは2040年までに、中国、アメリカ・カリフォルニア州などでも2030〜2040年までにはガソリン車、ディーゼル車の販売を禁止する方針である……というニュースが最近世の中をザワつかせました。

日本でも2030年以降に同様の政策を取るといいますが、電気自動車や電動バイクは充電設備や航続距離など、現状を見る限り使い勝手に関してはやや辛い面があります。

であれば「ガソリン以外を燃料にする手があるのでは!?」などと思うわけですが、なんと個人でカセットボンベで走るモンキーZ50Mを作ってしまった人がいるんです。

当記事では、その車両の製作者であるまつしたさんにカセットボンベ燃料化としたきっかけ、カセットボンベを燃料とすることでエンジンを掛けたときのニオイ、エンジン音、走行感覚などは変わるのかなど、色々と話を伺いました。


カセットボンベ1本で約30分走るモンキーZ50M!

燃料タンクを外して、2本のカセットボンベを燃料としたホンダ モンキーZ50M

──なぜ、モンキーZ50Mのガソリンタンクを外してカセットボンベを取り付けようと思ったのでしょうか?

大学生(1979年)のころ、クルマが高くて中々買うことができず、どうしようかと悩んでいたら、中古のモンキーZ50M(1967年式)が5万円ぐらいで購入できたんですよね。形もカワイイですし、価格も魅力的だったので購入して、乗ることにしたんです。

しかし、中古で買ったときにはハンドルやシートが改造されていたので、元の部品を購入して、オリジナルに組み上げようとしていました。
ですが、元の部品を集めようと思ったときには、すでに部品の値段が高騰してしまったので、オリジナルに戻すのは断念。

その後、モンキーZ50Mに乗らずに放置していたら、カセットボンベで動く発電機があることを知って「(モンキーZ50Mも)いっそのこと、ガソリンを使わずに動かしてみよう」と、思ったんです。

カセットボンベなら仕事で忙しくなって、長期間放置してもキャブやタンクが腐りませんし、たまにしか乗らないならちょうどいいかな、と。それで、試行錯誤を繰り返して2年間かけて完成しましたね。

──燃料をガソリンからカセットボンベにすることで「エンジンの掛け方にコツがある」や「走るスピードが速くなった」など、なにか特別感のあるバイクになるのかなと思ったのですが、どうなのでしょうか?

なにか「特別感」があるように思えますが、走る速度もほぼ変わりませんし、カスタム前と同じ……むしろカセットボンベにしたことで始動性が良くなりました。カセットボンベ1本(430cc)で走れるのは約30分で、1本あたり約16km走ることができます。燃費を計算してみたところ、カセットボンベのガス1Lあたり37.4kmになりました。

──カセットボンベにしたことでエンジンをかけたときのニオイ、エンジン音などはなにか変わったりするのでしょうか?

エンジン音はほとんど変わりません。
ですが、エンジン始動直後はカセットコンロを使ってガスが燃えたときのような香ばしいニオイがしますね(笑)

モンキーZ50Mのシートを取り外し、自転車のサドルを取り付けて、赤×黒のチェック柄に張り替えている

──そんなモンキーZ50Mにカセットボンベを取り付けることで得られた良い点、悪い点はどんなところでしょうか?

良いところは、一般的なバイクはガソリンスタンドに寄って給油をしないといけませんが、カセットボンベならその場で交換して燃料補給ができますし、比較的どこでも入手できるところですね。
大きめのバッグに5〜6本ストックしておいても、バッテリーのようにかさばらず重くなりませんので、とても便利です。

悪いところはあまり見当たらないのですが、あえて言うのであれば、気温が0度近くになると、カセットボンベが気化できずエンジンが始動しないので、あらかじめカセットボンベを暖める必要があることです。

一般的なカセットボンベ(*)の中身は「ブタン(ノルマルブタン)ガス」で、氷点下になると火が付きにくくなりますが「イソブタンガス」や「プロパンガス」が配合されているものは氷点下でも使えます。しかし、安売りはしていません。
なので、北国で走らせるのには向いていないと思います。

*編集部注:一般的なカセットボンベ(ブタンガス)の場合、常温では液体状態。ブタンガスを使ったカセットボンベは10度を下回ると気化しにくくなり、5度以下になると、ほとんど気化しなくなる(岩谷産業ホームページ参照)

モンキーZ50Mは電車内に持ち運ぶことができる!?

まつしたさんの愛車であるホンダ モンキーZ50M(1967年式)、ホンダ モトコンポ(1981年式)。普段はカバーをかけてガレージに置いている

──ちなみに、ひとつが空になったあと、もうひとつのカセットボンベに切り替える作業は誰でも簡単にできるものなのでしょうか?

誰でも簡単にできると思いますよ。バイクでいう、リザーブ(RES)に切り替える感じに似ていますから。
現在、普通自動二輪免許を取るために教習所に通っている娘でも簡単に切り替えることができましたね。

1967年に発売されたホンダ モンキーZ50M。シート、ハンドルを畳めばクルマのトランクに積載できるのも大きな特徴

──もうひとつ気になったのが、元のモンキーZ50Mと比較すると、シートが全く違うものになっていますが、なぜシートを変えることにしたのでしょうか?

ガソリンタンクを外し、カセットボンベを取り付けたことで、元のシートのサイズが合わなくなってしまったんですよね。そのため、自転車のサドルを取り付けて、モンキーZ50Mの元のシート同様に赤×黒のチェック柄に張り替えています。

また余談にはなりますが、カセットボンベにしたことで、ガソリンの持ち込みがダメな電車でもモンキーZ50Mを持ち運べるようになりました(JRの場合、カセットボンベを持ち込むときは2Lまたは容器を含む重量2kgを上限としている)。

もし、電車やクルマのトランクなどにモンキーZ50Mを持ち運ぶときは、まず前輪部分を大きめのリュックに入れて背負い、エンジン&後輪にはキャスターを後輪部分に取り付けて、カバーを被せながら運んでいますね。

モンキーZ50Mの前輪部分を持ち運ぶときに使うリュック

モトコンポにもカセットボンベを取り付けている

まつしたさんの愛車の1台、モトコンポにもカセットボンベを2本取り付けている。排気量を88ccにボアアップしているため、原付一種から二種に変更されている

──カセットボンベを取り付けたモンキーZ50Mのように、ほかにも自身で何かをカスタムをした車両はあるのでしょうか?

モンキーZ50Mのように、モトコンポにもカセットボンベを取り付けていますね。
ちなみに、かなりスピードを出していても、出していなくても走れる時間はモンキーZ50M同様、カセットボンベ1本で約30分くらいです。

──最後に、モンキーZ50Mに乗っていて魅力を感じるポイントはどんなところでしょうか?

モンキーZ50Mならではの魅力は、足着きがいいので、身長が低くても安心して乗れるところですね。あと、赤×黒のチェック柄模様のシートも可愛いですし、狭い道をトコトコと走っていけるのも魅力のひとつです。
まぁ、走っている最中は、周りの人から振り返られることが多いんですけどね……(笑)

まとめ●モーサイ編集部・小泉元暉 写真●まつしたさん

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