写真を見てみると、ホンダ モンキー125のフレームやタンク、マフラーなどバラバラに分解されていますが、これは実車ではありません。なんと、実は紙で作られたバイクなんです!
紙という素材を使って、動物や乗り物などを表現する「紙工作」とは手芸の一種ですが、中にはバイクを紙で制作し、エンジンやチェーンなど細かなパーツまで再現してしまう人達がいます。
写真のモンキー125のように各パーツまで超リアルに再現する人だけでなく、スポーツバイクと建設機械(クレーン)を組み合わせたオリジナルバイクを作る人、ジェットエンジンを積んだ近未来的なバイクを制作する人など、表現スタイルも様々。
当記事では、モンキー125を始めリアルな紙工作を追求する「そうぎんさん」、建設機械とバイクを融合させる「BBコリーさん」、アニメに出てきそうなオリジナルバイクを制作している「tomさん」から、バイク紙工作にハマった理由や細部まで精密に表現するワザなどについて、お話を聞きました。
チェーンやタイヤも動く超リアルなモンキー125(そうぎんさん)

リアルな造り込みでホンダ モンキー125やモトコンポを制作しているのが、そうぎんさん。
全体のフォルムを再現するだけでなく、チェーンやタイヤ、サイドスタンドなどは実車のように可動するリアルさを追求しています。
そんな作品を制作しているそうぎんさんから、超リアルなモンキー125を制作しようと思った理由、モンキー125やモトコンポの制作期間などについて伺いました。
──数あるバイクの中で、モンキー125を制作したのはなぜでしょうか?
ホンダさんのイベント(※ホンダデザインセンター インターンシップ)に行く機会がありまして、自分の作品を見ていたホンダの人から「うちのバイクも作ってよ」と言われて、ホンダのバイクを検討していくうちに、カブとモンキー125のどちらにしようかなと検討していたんです。
それで、緻密な造り込みをするならモンキー125の方がスゴさ(エンジン内部やチェーンなど細部まで再現できるため)が伝わりやすいかなと思い、モンキー125を制作することにしました。
※ホンダが実施しているインターンシップ。各コース(デザイナーやクレイモデラー・デジタルモデラー、CMFデザイナーやパッケージデザイナー)を選ぶことで、デザインやクルマの開発プロセスなどについて学ぶことができる。
──紙工作自体を始めたきっかけはなんでしょうか?
元々は、プラモデルで(色んな作品を)作ろうと思っていたんです。
小学校に入る前ごろに、プラモデルが買いたくて、親にプラモデルを頼んだのですが、買ってくれませんでした……仕方なく身近にある紙を使ってプラモデル風に再現することにしましたね(笑)。
それからは、紙でつくった作品がプラモデルよりも出来栄えがいい作品にしようと次第に思うようになり、現在も続けています。
──モンキー125やモトコンポの制作期間はどれくらいでしょうか?
モトコンポは小さいので3時間ぐらいで、モンキー125は半年ぐらい掛けて制作しました。

──どのような道具や紙を使ってモンキー125、モトコンポを制作しているのでしょうか?
100円ショップでも売っている紙を使って、低コストで制作するようにしていますね。
ただ、100円ショップの紙は素材の幅が少ないので、メタリックな素材を使いたい時は、紙を取り扱っている専門のお店に行って買いに行きます。道具はカッター、ボンド、ピンセットを使っていますね。
──実車のように動くパーツがあるという点にびっくりしました! そういった部分を作るのはかなり苦労したのではないでしょうか?
ありがとうございます!
こだわって作ったところは、チェーンですかね。チェーンを作ったことで、タイヤも動くように制作しています。
チェーンは、まず丸いドーナツ型の形状を作るのですが、ひとつひとつドーナツ状のものを作っていくので、とても大変でしたね……。